えちえち体験談

魔王「お前を待っていた」

2012/05/20 13:30カテゴリ : その他

1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:06:01.16 ID:0bTRCMGX0

―ここは魔王に支配された世界 
現れたのは闇に差す一筋の光。 
そう、勇者である。 

〜魔王城〜 

高貴なる勇者「我は勇者なり!さあ、来るがいい。穢れし邪念の者どもよ!」 

戦士「これが最後のダンジョンだと思うと、感慨深いものがあるな……と、敵か」ジャキッ 
雑魚A「やっべ。勇者来たぜ」 

雑魚B「オマエ何とかしろよ、俺はその間に逃げる」 
 
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:07:52.38 ID:0bTRCMGX0

… 

雑魚A「……勇者が美女だったなんて……あのヤロー羨ま、し……」 
雑魚B「見蕩れて死ぬとか……無いわー……どっちが魔物だって話……あぁ、星が見える……」 

… 

戦士「一太刀か、流石だな。まぁ雑魚に時間はとっていられねぇ」 

高貴なる勇者「然り。……思えば長かったものだ、これまでの道のりは」 

戦士「――城を飛び出して来たお前とぶつかったあの日から、もう三年か」 

戦士「腕っ節一辺倒だった俺も魔法を修めて万能戦士になれる訳だな……」 

高貴なる勇者「その頃の私は口先だけで、態度が大きい上に礼儀も知らない、生意気な小娘だった」 

高貴なる勇者「そんな私に、戦士は優しかったな。甘やかす事こそ無かったが、そのおかげで成長出来た」 

高貴なる勇者「……戦士がいなければ、私はどこかで野垂れ死んでいたのだろうと思う」 

戦士「は、どの口が言うんだか。こんなにも図太いお前さんがよ」 
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:09:37.49 ID:0bTRCMGX0

高貴なる勇者「……このようなところで伝えるのも変な話だが」 

戦士「おう」 

高貴なる勇者「戦士にはとても、とても――感謝している」 

戦士「何を今さら。くすぐったくなるぜ」 

高貴なる勇者「本当はもう一つ、言いたい事があるのだが……」 

戦士「ん?」 

高貴なる勇者「それは国へ帰ってから、伝える事にしよう」 

戦士「全部終わったその時に、か。楽しみにしてるよ」 
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:11:22.83 ID:0bTRCMGX0

… 

〜玉座の間〜 

邪神官「」ドサッ 

高貴なる勇者「城内の敵はあらかた片付いたな……しかしこの城、何か妙だ」 

戦士「気付いたか、勇者。俺もここには違和感を感じる」 

高貴なる勇者「本拠地だというのに、魔物の統率があまりにとれていない」 

戦士「個々の実力はかなりのものなんだが、な」 

高貴なる勇者「まるで……」 
*「――勇者か」 
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:13:53.54 ID:0bTRCMGX0

高貴なる勇者「ッ…何奴!」 

戦士「――ご立派な角、文様の鎧、毒々しい真っ赤な外套、ねぇ。テンプレ過ぎねえか、オイ」 

魔王「……」 

高貴なる勇者「貴様、魔王だな!ここまで玉座に接近してなお気配を隠せるとは、流石は邪念の将という事か」 

戦士「気付けばそこら中、瘴気に満ちてやがる……化け物め」 

高貴なる勇者「世界を混沌と絶望におとしめた貴様の所業、たとえ神が堕ちようと――」 

高貴なる勇者「この勇者が許しはしない!」 
魔王「……生を謳歌する勝者の歓喜、無惨に死にゆく敗者の悲哀。誕生と滅亡……この世のすべては流転する」 

魔王「お前達の生き様、そして――死に様。この魔王が見届けよう」 
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:15:29.02 ID:0bTRCMGX0

… 

戦士「ぐ、武器が……ッ」 

高貴なる勇者「……剣が、魔法が……通じないだと……!?」 

魔王「……」 

高貴なる勇者「何故だ、何故……!」 

魔王「……お前達はよく抗った」 
高貴なる勇者「まだだ、まだ敗北した訳ではないッ!!」 

戦士「生憎と俺は何でも屋なのさ……傷の治癒を含めた全身回復措置、能力増強措置、完了。行けッ!」 

高貴なる勇者「――この身に流れる熱き血潮と、両の手に握る『天上の祭剣』の名に懸け」 

高貴なる勇者「我が最大最高の一撃を持って、この戦いを終わらせる!」 
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:19:51.21 ID:0bTRCMGX0

魔王「這いずり回るか」 
高貴なる勇者「剣よ、雷撃を纏え!」ピシャァ!ゴロゴロ… 

高貴なる勇者「……総ての悪意を討ち滅ぼさん!!」ゴオッ! 

戦士「かましてやれ、勇者!!」 
魔王「……」 

高貴なる勇者「――消えよ!穢れの頂、混沌の王よ!!!」 

ドッ! 
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:21:57.41 ID:0bTRCMGX0

… 
魔王「……我に傷をつけた最初の者が、よもや女になるとはな」 

高貴なる勇者「天より授かった剣でさえ……そんな……こんな事が――」 

魔王「礼をしよう」 

戦士「危ない、勇者!」バッ 

ガッ! 

高貴なる勇者「戦士!?」 

戦士「ッ……最後の最後で、俺はお前の壁にしかなれねぇのかよ……畜生」 

高貴なる勇者「い、嫌だ。戦士……死ぬな、死なないでくれ」 

戦士「馬鹿野郎……前を見なきゃ駄目だろうが。お前は勇者なん、だ……ぜ」 
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:23:20.87 ID:0bTRCMGX0

高貴なる勇者「戦士……?」 

魔王「矢尽き刀折れ、今ただ一人の仲間も潰えた」 

魔王「希望などありはしない」 

魔王「世界は永劫の争いの螺旋に成り立っている」 

魔王「残す言葉は――あるか」 

高貴なる勇者「…………父上、母上……申し訳ありません」 

高貴なる勇者「この不肖の娘、倒れていった者達に顔向けが出来ませぬ……」ドサッ 

高貴なる勇者「次を願う事が許されるなら……戦士と――」 

高貴なる勇者「――いや。……そのような資格など、私には無い、な……」 
魔王「――終わりか。……静かに眠るといい」 

勇者は敗れ、そして。 
――世界は終わってしまった。 
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:25:20.07 ID:0bTRCMGX0

――ここは魔王に支配された世界 
現れたのは闇に差す一筋の光。 
そう、勇者である。 

断ち切る勇者「けっ。だりーな」 

盗賊「まぁ、そう言うなよ」 

商人「そうですぞwwwせっかく全ての伝説の武器・防具を手に入れたのですからw」 

断ち切る勇者「黙れデブ」 

踊り子「しっかし、不思議よねー」 

盗賊「……剣、兜、盾、鎧。それらを総称して『精霊王の霊装』と呼ぶ。どれも素晴らしい性能だな」 

断ち切る勇者「名前なんざどうでもいい。使えりゃ見た目がクソでもな」 

踊り子「いやアタシが言いたいのはさ……武器はともかく、その防具」 

断ち切る勇者「なんで計ってもいねえのに俺のサイズにジャストフィットしてんだよ、気持ち悪ぃ」 
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:27:48.25 ID:0bTRCMGX0

〜峡谷の城塞〜 

キングトロール「……ぐふふふふ、来たか勇者」 

商人「なんだか親近感を感じまs 

断ち切る勇者「黙れデヴ」 

盗賊「何という巨躯、何という威圧感。これは強敵の予感……」 
キングトロール「踊り子ちゃんマジエロいwwwペロペロしたうぃwwww」ハァハァ 

踊り子「やっちまえ勇者」 
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:32:10.33 ID:0bTRCMGX0

… 

キングトロール「」 
断ち切る勇者「トロールのなます切りいっちょ上がり、と」 

踊り子「きゃー勇者ちゃんかっこいーっ!愛してるぅー」 

盗賊「何という見かけ倒し……いや、勇者が強くなりすぎたのか」 

商人「――トロールさん、貴方とはもっと違う形で出会いたかった……」 
断ち切る勇者「旅も佳境。いよいよだぜ、魔王さんよお」 
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:33:37.28 ID:0bTRCMGX0

〜魔王塔・闇の柱〜 

雑魚C「ここだけの話なんだけどさ」 

雑魚D「んだぁーよ」 

雑魚C「今の魔王様って何歳なんだろな」 

雑魚D「ぷっw」 

雑魚C「何で笑うのさ」 

雑魚C「……前にあんなことがあったんだから、興味でない?」 

雑魚D「どーでもいいよ。仕える奴がトカゲ爺だろうが鎧の大男だろうが」 

雑魚C「でもさぁ」 

雑魚D「どっちにしろ、おれらみたいな底辺が考える事じゃねーべ」 

雑魚C「そうは言っても気になるじゃん。少なくとも1000歳は超えてると思うのさ」 

雑魚D「どーしてよ」 

雑魚C「だっておいら千年近く生きてるもの」 

雑魚D「……え、ちょ、あのすいませんした大先輩様」 

雑魚C「だから大抵の魔族の歳が……ってどしたのさ急に、いいって」 
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:37:48.65 ID:0bTRCMGX0

ドガァッ! 

断ち切る勇者「うぃーす。攻め落としに来たぞゴルァ」 

盗賊「乱暴な。鍵はあるのに」 

踊り子「何ここカビ臭ーい」 

商人「オゥフww珍しい魔物キタコレww」 

雑魚C「門番何やってんのさ」 

雑魚D「五十年ちょっとで調子のってすんませんした」 

… 
雑魚C「……まぁ長生きしてるだけじゃ強くはなれないよねー……」 

雑魚D「……ほんとすんませんした……」 
… 

踊り子「もーやだぁ。少しくらい掃除しなさいよぉー」 

盗賊「悪の拠点とはそういうものだ。しかし、いささか度が過ぎるな」 

商人「やや?これは……」 

断ち切る勇者「黙れDE-BU」 

商人「ちょww聞いてくださいってw」 

踊り子「手短に頼むわよ。あんたの話いっつも長いんだから」 
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:39:50.53 ID:0bTRCMGX0

商人「まずこの石畳に張った苔!これが実は ……(省略)……なのですよwww」 
踊り子「だぁから長いっての……眠ーくなってきたわ。商人、あんた魔法使いの才能あるわよ」 

盗賊「まとめると――ここは魔王の居城ではない、と?」 

踊り子「えー!?でも実際いるんでしょ、ここに魔王」 

商人「両方とも正解ですwwしかし完璧ではありませんなぁw」 

盗賊「だが、こういった空間を好む魔物もいるのではないだろうか」 

商人「仰る通りですが、ここ一帯の土壌と風土からして城がこんな状態の訳が無いのですw」 

踊り子「訳わかんないわよ……」 

商人「ぞんざいに言えば『あまりに不自然だ』と、言っているんですよw」 

商人「では盗賊殿、この城を見てあなたはどのような感想を抱きますかな?」 

盗賊「盗みを働く者としての見地からすると……『主の不在』を如実に示していると言える」 

商人「YES。しかし魔王はどうやら在宅してらっしゃるようなのですよw」 

踊り子「そうみたいね。アタシ感受性強いから、今も上から降り続けてる瘴気に押し潰されそうよ」 

商人「では何故……魔王城はこのような有様なのでしょうね?」 

踊り子「掃除サボったのかしら。広いし面倒臭そう」 

盗賊「部下が山程いるだろうに……ところでさっきから全く喋らない奴がいるんだが」 
断ち切る勇者「……Zzz……」 

商人「敵地で爆睡するその剛胆さ――やはり勇者ですねぇ!」 
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:41:36.20 ID:0bTRCMGX0

踊り子「ぱふぱふしてみましょーか」 

商人「それは良いアイデア。ではまずはこの卑しい豚めにwww」 

盗賊「もう俺が叩き起こしたよ」 

断ち切る勇者「……ろーでぃん……ろーでぃん……セーブデータを確認しています……」カリカリ… 

踊り子「勇者ちゃん。この糞卑しい糞豚の話、聞いてた?」ビシィ!ビシッ! 

商人「ホオォウッ!……新たな世界が、今ッ!ワタクシの目の前に広がっているッッ!!」びくんびくん 

盗賊「この短時間に縛って吊るして鞭で叩くとは……って踊り子の技じゃないだろ、それ」 

断ち切る勇者「本日中にセーブされたデータがございます、このデータで開始しますか>はい」ピロリン♪ 

盗賊「はぁ……犯罪者の俺が一番常識人ってのはどういう事なんだ」 

断ち切る勇者「スマン。寝落ちしてた」 

盗賊「リアルにな」 
踊り子「そらそら」ビシ!バシィッ! 

商人「ゥンン!……高まるリビドー……限界の向こう側へッ!!!」キラキラ 

断ち切る勇者「なんだありゃ」 

盗賊「……もう俺が説明するから。そっちは見ちゃいけません」 

かくかくしかじか… 

断ち切る勇者「――成程、全然分からん」 

盗賊「うん期待はしてなかった」 

商人「良い汗を……かきました」ツヤツヤ 

踊り子「何か損した気分だわ。ある程度抵抗された方がこっちとしてはやりがいがあるのよね」ジロ… 

盗賊「」ゾクッ 
商人「それで、勇者殿。ご理解いただけましたか?念には念を入れて……」 

断ち切る勇者「うるせーよデヴ。ここまで来てぐだぐだ言ってもしょうがねえだろ」 

商人「……退く事も選択肢の一つとして用意しておいた方が宜しいかとー」 

断ち切る勇者「敵に見せる背中は無ぇな」 

商人「このアホ……あ、いえ。私が考えるにこの原因は……」 

断ち切る勇者「わぁーったよ。要するに――ぶっ倒せばいいんだろ」 

盗賊(こいつ駄目だ) 

踊り子「それでこそ勇者ちゃんよ」 

商人(もうどうにでもなーあれ♪) 
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:43:56.99 ID:0bTRCMGX0

〜魔王塔・闇の柱/中間フロア〜 
盗賊「酷い臭いだな、これは……」 

踊り子「――!!!……な、何よこれ」 

商人「屍の山、と言ったところですなw」 

盗賊「しかし、全てモンスターの物だぞ」 

断ち切る勇者「おい。このローブ巻いたでかいの、こんなモンスターいたっけか?」 

商人「どれどれ。んー、私の記憶には似た骨格も表皮もありませんな。新種ですかねw」 

踊り子「ね、ねぇ。なんだかアタシ寒気がするよ」 

断ち切る勇者「安心しろ。俺も震えてる」 
断ち切る勇者「……こんな奴までねじ伏せて、てっぺんにいやがるのか……」ニヤリ 
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:45:37.72 ID:0bTRCMGX0

ゴォオン… 

〜魔王塔・闇の柱/最上階〜 
魔王「……」 
断ち切る勇者「よう」 

断ち切る勇者「初めましてだな、魔王さん」 

盗賊「これが……魔王……」 

踊り子「……はっは。心臓わし掴みにされてるみたいだわ」 

商人「……ありー?……むぅん……なんだろなこの感じ……」 

断ち切る勇者「――今までのてめえの非道、きっちり型にはめてもらおうか!」 
魔王「……瞳に、声に。お前の滾る闘志が満ち満ちているな、勇者よ」 

魔王「辿り着きし者共……ここが、旅の終着点。――全てを持ってして来るがよい」 
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:48:02.18 ID:0bTRCMGX0

… 

断ち切る勇者「ちぃ……ッ」 

踊り子「どーなってんのよ、なんで何もかも通用しないのよ!?」 

商人「道中で手に入れた魔封じの玉も封印の楔も効果がありませんな……」 

魔王「……」 

盗賊「こちらが消耗するばかり……このままでは」 

断ち切る勇者「落ち着け、てめぇら。ラスボス戦なんだぜ?これくらい緊張感があって丁度良い」 

踊り子「勇者ちゃん……」 

商人「こういう時、彼は本当に頼りになりますなーwww」 

商人(……私の目利きが効かない魔物……ですか) 
盗賊「弱点も見つからない……ッ!」 

魔王「……目障りだ」ゴッ! 

盗賊「まずっ……」 

踊り子「何やってんの、危なっかしい!直接攻撃が駄目なら――『竜の息吹』!!」ゴウゥッ! 

盗賊「石の床を溶かす熱線……これなら」チリチリ… 
魔王「……効かぬな……」 

踊り子「もー!どうしろってのよ!」 

断ち切る勇者「焦げもしねえ、か。……俺がサシでやる。おまえら、手ェ出すな」 

商人「寂れた居城、見た事も無いモンスターと屍の山、通じない魔王所縁のアイテム……」 

商人「……もしや」 
断ち切る勇者「行くぜ、魔王。この世で誰が一番強いか、その身に教えてやる!」 
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:50:59.77 ID:0bTRCMGX0

盗賊「凄まじい……あれが勇者の本気」 

踊り子「押してる――けど、魔王は傷一つ付いて無いわ……」 

商人「いやしかし……非現実的過ぎる……けれど、それなら……」ブツブツ 
断ち切る勇者「――オラオラオラオラぁ!!!どうした、魔王さんよぉ!!」」 

魔王「……精緻にして、繊細。随所に牽制の騙しも織り込んでいるな」 

魔王「直情的な外見からは想像も出来ぬ剣の腕よ」 

魔王「だが」ブンッ! 

断ち切る勇者「!」 
断ち切る勇者「あ……ッぶねえな、コラ!」ザッ… 

魔王「……剣術、身のこなし、資質。……勇者よ、お前はまごう事なき一流の武芸者だ」 

魔王「しかし、それでは。それだけでは。……我には届かぬ」 

断ち切る勇者「あぁん?……どういうことだ」 
商人「――勇者さん、いけません!」 

断ち切る勇者「黙れデヴ。今俺は」 

商人「そいつは、その怪物は――!!!!」 

魔王「……」ヒュッ 
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:54:50.14 ID:0bTRCMGX0

ザクッ! 

商人「ぐぶっ。あ……血が、ははw……は……」 

断ち切る勇者「な……ッ!」 

盗賊「商人!今、回復を……」 

魔王「……」ゴオ! 

ジュウウ… 

踊り子「あぁっ、袋が炎に!」 

盗賊「ち、治癒の奇跡は……」 

踊り子「魔法なんてもう出し尽くしたわよ!手持ちの回復アイテムはあんたに使っちゃったじゃない!」 

盗賊「くそっ……!」ダッ 

魔王「……」 
盗賊「大丈夫か、傷を……うっ!」 

商人「み、みなさん。私は、もう構いません。それより、勇者殿に……」ヒュー…ヒュー… 

踊り子「もう喋っちゃ駄目よ!首から、溢れて……」 

商人「……あれは……この世界の生物では……ゲフッ、がほ……ぁ」 

商人「」パク…パク… 

盗賊「な、なんだ。何を伝えたいんだ!?」 
断ち切る勇者「おい」 

魔王「……どうした」 
断ち切る勇者「――てめえの相手は、俺だろうが」 
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 10:59:51.73 ID:0bTRCMGX0

断ち切る勇者「おおおおおおおおおおおおおおぉッ!」ドッ! 

ギャリイイィイィッ! 

魔王「赫怒、そして憎悪。勇者の抱く感情ではないな」シュウウ… 

断ち切る勇者「黙れ黙れ黙れ黙れぇッ!」ギュオ! 

魔王「……告げたろう。――それでは届かぬと」ガシッ… 

断ち切る勇者「俺の剣を、素手で!?」 

ゴッ! 

断ち切る勇者「がはっ……」ザザァ! 
踊り子「勇者ちゃん!!」 

盗賊「ッ……なんて奴だ!」 
商人「  」ゴボッ… 

盗賊「商人!……くッ……血が、止まらない……」 

踊り子「あ、アタシが押さえるから!代わって!」 

断ち切る勇者「…………盗賊」 

盗賊「な、なんだ。勇者!……俺に手伝える事なら何でも――」チャキ…! 
断ち切る勇者「二人を連れて、この城から逃げろ」 
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 11:03:02.86 ID:0bTRCMGX0

盗賊「え……」 
断ち切る勇者「でけぇの一発、やるからよ……お前らがいると邪魔で撃てねえ」 

踊り子「ふ、ふざけないで。ここまで、ここまで来たのよ!?最後まで、一緒に……」 

断ち切る勇者「早く行けって言ってんだよ!!」 

盗賊「……くッ」ダッ 

ガシッ 

踊り子「な……離しなさいよ!アタシは、ここに――!」 

魔王「逃げられるとでも?」バッ 

ガキィッ! 
魔王「……」 

断ち切る勇者「させるかよ」 

魔王「……無駄な行為だ。どのみち全てが滅ぶ」 

断ち切る勇者「だれが、いつ『お前に勝てない』って言ったよ」 

断ち切る勇者「勝算は……あるんだぜ」ゴゴゴゴ… 

魔王「この光――今までどこにそんな余力を」 

断ち切る勇者「目ぇ腐ってんじゃねえのか。こいつはお前のしょぼい瘴気とは格が違うぜ」 

魔王「命の炎……魂の光か」 

断ち切る勇者「俺の、人生ありったけをぶつければ……」 

断ち切る勇者「いくらお前が頑丈だろうと。ただじゃあ済まねえ筈だ」 
26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 11:05:22.16 ID:0bTRCMGX0

魔王「……」 

魔王「死ぬぞ、貴様。我が手を下さずして」 

断ち切る勇者「上等。もろともてめえを巻き込んで心中してやる」 
魔王「……何故、勇者になった」 

断ち切る勇者「――俺が最強なのかをこの手で立証するため」 

魔王「強くありたいと願う、か。存外青臭い理由だな」 

断ち切る勇者「……さっきよ、あんた俺じゃ『届かない』っつったよな?」 

断ち切る勇者「それだけはいけねえ。俺は否定されるのが一等嫌いなんだよ」 

断ち切る勇者「口にされちまったら、もうしょうがねえ。俺は命を削ってでも届かせてみせる」 

魔王「……」 
断ち切る勇者「……」ツー… 

魔王(口端から吐血。最早後戻りは出来ないと……) 

魔王「倒せる確証など無いというのに」 

断ち切る勇者「割に合うとか合わねえとか、まどろっこしいのは嫌いでね」 

魔王「憐憫すら感じるよ。悲壮な男だ、お前は。その情熱があれば、数えきれぬ別の未来もあったのではないか」 
断ち切る勇者「知らねえ。俺は、この殺し合いの世界しか知らねえ」 

断ち切る勇者「剣で切り開く世界が、俺の心の真ん中なのさ」 

断ち切る勇者「……俺は数えきれない魔物を殺して強くなった」 

断ち切る勇者「妙な言い草だが」 

断ち切る勇者「それに報わなけりゃならねえ」 
27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 11:07:45.58 ID:0bTRCMGX0

魔王「最強。それが叶う称号が、勇者か。……それは本当に適っているのだろうか」 

魔王「……口が過ぎたな。どうにも、お前は他人に思えない」 

魔王「我も、かつては――いや、遠い過去に意味など、無いか」 
断ち切る勇者「……霊装の主が告げる。『王命の喚起』――俺に力を貸しやがれ、精霊共!」 

断ち切る勇者「強く、強く、強く。もっと――強く!!」ゴゴゴゴ… 

魔王「……」 

オオオオオオ… 
断ち切る勇者「これが、最後の剣」 

断ち切る勇者「――俺の、命の一振り」 
28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 11:11:01.76 ID:0bTRCMGX0

… 

踊り子「離して、離してよっ!」バシッ 

盗賊「……」 

踊り子「最低よ、こんなのって……」 

盗賊「……俺が、悔しくないとでも思ってるのか」 

踊り子「盗賊、あんた」 

盗賊「……情けないよな。盗賊ギルドから独り立ちして、勇者一行に入って」 

盗賊「目に映るものすべてが輝いて見えて。変われたと、そう、思ったのに」 

盗賊「俺はなんて……弱いんだ!」 
踊り子「……商人は……?」 

盗賊「――もう、冷たくなってしまった」 
踊り子「なんでよ……どうしてこんな事に」 

盗賊「涙を流すのは後だ。勇者は俺たちを生かしたんだぞ」 

踊り子「うん。……うん、わかってる」 
*「ウ、う……ア」ズル… 

盗賊「!?」 
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 11:13:50.76 ID:0bTRCMGX0

怪物の死体「ヴアアァァぁ…」 

盗賊「あれは……広間にあったローブの死骸!?」 

踊り子「まだ、動けるの!?」 
怪物の死体「……ワ…れ…ハぁ……」 

怪物の死体「……わ…レ、こ…そが……」ギュオッ 

ドシュッ! 

盗賊「う…ぐぅッ」ドサ 

踊り子「ひいっ……盗賊、盗賊!!」 

盗賊「……なん、だ……こいつは……」ドクドク… 

怪物の死体「、あ……オ……ぅ、ナ」 

怪物の死体「……り……ィ……」シュウウ… 
盗賊「今度こそ……息絶えたよう、だな」 

踊り子「でも、盗賊が!」 

盗賊「俺は……いいさ。勇者に背を向けた時から、俺の運命は……決まっていたのだろう」 

踊り子「そんな……そんな事、言わないで」 

盗賊「らしくないな、踊り子。おまえはいつだって……元気で高飛車なのが取り柄なのに」 

踊り子「……バカぁ……」ポロポロ 

盗賊「泣いてる、のか。俺、もう……目が…………」 
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 11:16:02.55 ID:0bTRCMGX0

踊り子「……ねえ。また皆で世界を旅しようよ」 
踊り子「いろんな国や町に寄ってさ。おいしい物食べて」 
踊り子「あぁ、盗賊。あんたスリの癖が直らないってぼやいてたわね……」 
踊り子「船は商人が競り落としたのよね。魔物は出るけど、楽しかったなぁ」 
踊り子「商人の奴、いっつも女の尻追ってたよね。……まぁアタシが一番美人なんだけどさ」 
踊り子「どこに行っても滅茶苦茶で、危険じゃないところなんて無かったくらい」 
踊り子「それくらい、旅をしたね」 
踊り子「いつも皆を引っ張って、いつも皆を困らせて、いつも皆を助けてくれた」 
踊り子「勇者ちゃん。アタシ、勇者ちゃんのこと――大好き」 
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 11:18:42.17 ID:0bTRCMGX0

… 

断ち切る勇者「――――――」 
ザアアアアァァ…… 

魔王「蛮勇と無謀を、勇気と履き違えたか」 

魔王「無様にして滑稽」 

魔王「……だが」 

魔王「お前の技は響いたぞ」 

魔王「確と、我の――魂にな」 
勇者は敗れ、そして。 
――世界は、終わってしまった。 
32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 11:21:58.41 ID:0bTRCMGX0

――ここは魔王に支配された世界 
現れたのは闇に差す一筋の光。 
そう、勇者である。 

〜丘陵地帯の集落〜 

武道家「っしゃあ!戦闘終了!」 

賢者「もう魔物の気配は感じませんね、お疲れ様」 

祝福された勇者「……お、おつかれ」 
村人「あ、ありがとうございます!」 
… 

賢者「本当によろしいのでしょうか、こんな手厚い待遇を無償で……」 

村長「いえいえ、我々にはこのような事でしか勇者様達に力を貸せませんから」 

宿屋の主人「勿論、今日泊まることになったウチもサービスするよ!」 

武道家「いぇーい!食って食って食いまくるぞー!」ガツガツ 

賢者「あらあら」 

祝福された勇者「……」チビチビ 

村人「なぁ、勇者様。旅の話を聞かせてくれないか?息子に話してやりたいんだ」 

祝福された勇者「」ビクゥ! 

村人「?」 

賢者「……」 
33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 11:28:12.42 ID:0bTRCMGX0

… 

祝福された勇者「……」 

賢者「フフ、お腹いっぱいになってしまいましたね」 

武道家「はひー、もぉ食べらんない。破裂する」ポンポン 

賢者「もう、武道家ったら。女の子なのにはしたないわよ」 

武道家「う、うっせーな!別にいいじゃんかよー」 

武道家「あたしはその分動くんだかんなー!」 

祝福された勇者「…………はぁ」 

賢者「あぁ、そういえば。――勇者様?」 

祝福された勇者「ビクッ!……な、何」 
賢者「……先程の様子、あれはどうなさったのでしょうか」 

祝福された勇者「え、ど……どう、って」 

賢者「集落の方達と会話をせず、あまつさえテーブルに突っ伏して」 

賢者「私や武道家は、ずっと貴方の代わりに旅の話をしていたのですよ」 

祝福された勇者「ご……ごめんなさい」 
武道家「――あ?なんて言ったんだよ」 
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 11:30:54.27 ID:0bTRCMGX0

祝福された勇者「え……ご、ごめんなさいって……」 

武道家「声が小せーんだよ」 

武道家「それにほとんど口も開いてねーし」 

祝福された勇者「あ……あ、う……ぼ、僕は」 

武道家「話す時は人の目見て話せよ!くそっ、ホント苛つくな」 

祝福された勇者「……」 

武道家「……ったく、どーしてアンタが勇者なんだよ」 
祝福された勇者「…………うるさい」 

武道家「お、やんのか?」 

祝福された勇者「……うるさいって言ってるんだ」 

武道家「いいよ、別に。やればいーじゃん」 

武道家「――アンタが自分で焼いた故郷みたいにさ!」 

祝福された勇者「!!」 

祝福された勇者「……言うな……」 

武道家「あたしなんか簡単に死ぬぜ、勇者様の魔法なら!テメーの母親と同じよう――」 

祝福された勇者「うああああああああああ!!!」 
賢者「やめなさい、二人とも」 

祝福された勇者「……ッ」 

武道家「ちっ。根性無しが」 

賢者「武道家。あなたの先生は『人の家族を貶してもよい』と教えられたのですか?」 

武道家「し、師匠がンな事言う訳ねーだろ!」 

賢者「……なら、勇者様に謝りなさい」 

祝福された勇者「!」 

武道家「――はッ。あたしが全部悪いってのかよ!大体こいつがナヨナヨしてんのが悪いんだろ!?」 

賢者「話を逸らさないで下さい。亡くなられた方に対して、そのような事を言うべきではないと私は……」 

武道家「あぁ『不慮の事故』って奴でな!――清廉潔白で公明正大な勇者サマなら、あたしも文句は言わないさ」 

祝福された勇者「……」 
賢者「――勇者様は、何か反論は無いのですか」 

祝福された勇者「え……」 

賢者「あれだけ彼女に言われて、言い返さないのですか。先の言葉はあなたのお母様を貶めたのですよ」 

祝福された勇者「ぼ、僕は……」 

賢者「口では返さないのですか。では一体どうするというのですか」 

祝福された勇者「……あ、あの……うぅ……」 

祝福された勇者「…………」 
賢者「……もう遅いですし、今日は休みましょう。せっかく部屋もいただいたのですし」 

武道家「フン。そーだな、寝る、もー寝る!豚でも牛でもなってやろーじゃねーか!」 

賢者「ふふっ。さぁ、勇者様も」 

祝福された勇者「……わかったよ」 
35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 11:34:12.72 ID:0bTRCMGX0

… 

武道家「すぴー……ひょろろろ……」 

賢者「……すー……すー……ん?」ピクッ 

祝福された勇者「……」ムクリ 

ガチャ…バタン 

賢者「……勇者様?」 

賢者「――武道家、起きてください」ユサユサ 
武道家「ひゃっ……寝込みを襲うなんて……そんなのダメぇ、勇者ぁ///」 

賢者「……」 

武道家「……そうまでしなきゃあたしに勝てないってのぉ?……この根性無…………はっ」 

賢者「……」 

武道家「……」 

賢者「……」 

武道家「い、いやあの。これは、その、ね?」 

賢者「付いて来てください」 

武道家「……なんか言ってくれよ」 
36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 11:36:18.12 ID:0bTRCMGX0

祝福された勇者「……」ザッ…ザッ… 
賢者「ほら、あそこ」 

武道家「ホントだ。あいつ、こんな夜中に何しに……?」 

賢者「ひょっとして――私達と一緒にいては出来ないような事なのでしょうか」 

武道家「え」 

賢者「彼も年頃の男の子ですし、どうやら私の知らない事情がありそうですね」 

武道家「えっ」 

賢者「ふぅむ、外れの森まで行ったようです……」 

武道家「えっ///」 
武道家「……お、おい。あのさ、それって……あれなんじゃねーの」 

賢者「?……あれ、とは何ですか」 

武道家「ほら、あいつも一応男だしー……た、たまってるんじゃねーかな」 

賢者「はい?……うーん、私には合点が行きませんね。もう少し具体的にお願いします」 

武道家「え、えと。その…………やっぱいいや。な、何でも無いぜ!」 

賢者「具合でも悪いのですか、武道家?」 

武道家「ええーい、なるようになれ!見ちまったらそん時はしょうがねー!」 
37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 11:40:54.45 ID:0bTRCMGX0

〜外れの森〜 

祝福された勇者「結局……武道家と仲直り出来なかったな」 
祝福された勇者「……どうして、僕は……いつも」 

祝福された勇者「何が神託だ、何が『選ばれし者』だ」 

祝福された勇者「僕は何も選んじゃいない……ッ!」 
祝福された勇者「あの時、死んでいれば良かったんだ。町を襲った魔物に喰われて……」 

祝福された勇者「そうしたら、そうなっていたら」 

祝福された勇者「――僕はこの力で故郷の皆を……母さんを[ピーーー]事は無かったんだ!」 
38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 11:47:02.64 ID:0bTRCMGX0

… 

賢者「……勇者様……」 

武道家「……」 

賢者「そうですね。まだ本当なら、親の庇護の元で育つ時期」 

賢者「厳しく接して来たのは自分なりの情でしたが……私ではとても、彼の親代わりにはなれないようです」 

武道家「……」 

武道家「……あたし、嫌いだ」 

賢者「武道家、あなた……」 

武道家「――『勇者』のあいつが、嫌いだ」 

賢者「けれど、彼が勇者で無かったら。私たちは彼に会う事は無かったのでしょう」 

武道家「……」 

賢者「いえ、武道家。あなたは違いましたね」 
賢者「あなたは、彼と同じ故郷の――」 

武道家「関係ないよ」 
武道家「――もう、関係の無い事なんだよ、それは」 

賢者「そんな……それではあまりに」 

武道家「……あたしの背中にある火傷のこと、あいつには教えないで」 

武道家「世界が平和になったその時に……自分の口から伝えたいの」 

賢者「そう。……宿に帰りましょうか、武道家。今夜は彼を一人にさせてあげましょう……」 
39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 11:48:27.04 ID:0bTRCMGX0

… 

祝福された勇者「……臆病だな、僕は」 

祝福された勇者「賢人様から賜ったこの錫杖がないと、一人で外に出る事も出来ないなんて」 

祝福された勇者「これは、僕が勇者であることの証だっていうのに……」 

祝福された勇者「……今の僕には、それしか確かな物が無いんだ……」 
40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/07/28(木) 11:48:58.67 ID:FiKycDsCo

見てるからな 
続けてくれよ 
41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 11:51:03.63 ID:0bTRCMGX0

>>40ありがとうです 

… 
チチチ… 

祝福された勇者(……夜更かししちゃったけど、十分身体は休めたみたいだ) 

祝福された勇者「今日、僕らが向かうのは魔王の巣食う地底魔城。少しの油断も許されない……」 

賢者「勇者様、おはようございます」 

祝福された勇者「あ、賢者。おはよ……」 
武道家「――新しい朝だぁーっ!行くぞ勇者ぁーっ!!」 

祝福された勇者「う……え?」 

武道家「もう魔王の住処まで目と鼻の先!気合い入れてくぞ、おーっ!!」 

祝福された勇者「お、おーっ」 

武道家「元気が足りなぁーい!」 

祝福された勇者「ど、どうしたの武道家……昨日はあんなに」 
42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 11:54:09.88 ID:0bTRCMGX0

武道家「あの、さ。――勇者!」 

祝福された勇者「ひゃいっ!」ビクゥ! 
武道家「……昨日の事はあたしが全面的に悪い!すいませんでした!」 

祝福された勇者「はひ!?……あ、うん……その、僕も気が立ってたと思う。ごめんよ」 

祝福された勇者「武道家がうじうじした僕を嫌ってたのは分かってたはずなのに……」 

武道家「だ、だからな。そのお詫びというか、この戦いが終わったら……」 
武道家「――勇者の言う事何でも聞いてやるよ」ボソッ 
祝福された勇者「え……それって、どういう」 

武道家「さ、さー行くぞ!」 

賢者「……ええ、行きましょうか♪」 
44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 11:56:22.19 ID:0bTRCMGX0

〜地底の魔城〜 

雑魚E「やいやいやい!」 

雑魚F「ここは俺たち地獄の門番……」 
祝福された勇者「即死魔法」 
雑魚E「」 

雑魚F「」 
雑魚E(霊魂)「な、何が起こったのか(ry」 

雑魚F(霊魂)「マジかよ……俺たちの出番こんだけかよ……」 

… 

武道家「どっせぇい!」 

ドゴオ! 

巨大石像「」ガシャア… 

賢者「さ、傷を治しますよ」 

祝福された勇者「……随分入り組んでる。それに長い迷宮だ」 
祝福された勇者「でも、徐々に核心に近づいている感覚がある」 

祝福された勇者「決戦の時……か」 
45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/07/28(木) 11:59:53.91 ID:0bTRCMGX0

〜地獄門〜 

祝福された勇者「……あれ……?」 

武道家「どーした、勇者。ここまできてビビってんのか?」 

祝福された勇者「……違う……どうなって……」 

賢者「勇者様、どうなさったのですか」 

祝福された勇者「――扉の向こうから漂う力の『波』が、違う」 

賢者「……何が起きたのでしょうか」 

祝福された勇者「わ、わからないよ。とにかく進むしか無いみたいだ」 

ギギ、ギ… 
祝福された勇者「!」 
オオオオオオオ… 

魔王「……」 

武道家「出たな、諸悪の根源!」 

賢者「恐ろしい邪悪……勇者様……!」 
祝福された勇者「……違う」 
祝福された勇者「旅の先々で感じた魔王の気配……それが地獄門で、途絶えた」 

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