えちえち体験談

サンバパレードの悪夢・・・罠

2011/03/25 02:12カテゴリ : その他

私は地方から上京して東京の大学を卒業後、そのまま都内の企業に就職した。
時は流れ…社内でも評判の秘書課の美人秘書、5歳年下の現在の妻『ゆかり』を見初めた。
背も低く、容姿は確実に不細工の部類に入ると自覚している私だが、身の程知らずと思われるのを覚悟の上
駄目元で挑んだところ幸運にも気に入られ、付き合いが始まった。
 彼女は女優の井川遥によく似た笑顔が可愛い美人で、スレンダーながらメリハリの利いた体型をしている 細やかな心遣いのできる心優しい女性だった。
 何度かデートを重ねるうちに私はすっかり彼女の虜になってしまい、
彼女の笑顔が見られるなら何でもするぐらいの勢いだった。
 私たちは出会って2年で結婚し子宝にも恵まれ、絵に描いたような幸福な結婚生活を送って来た

そして、2年前 私が近い将来 市議会議員を勤める父親の地盤を継ぐ準備の為に退職し、地元へ移り住んだ。

 惚気になるが、私はこの歳になるまで夜の営みでは妻にほぼ負けっぱなしである。
妻の肉壷は信じられないほどの名器だ。
元々早漏ぎみの私だが、情けない事に妻を相手にすると、まるで童貞の中学生のように、あっという間に果ててしまうこともよくある…
これだけの名器であるが故、私を含めこれまでに彼女と関係を持てた、たった3人の男の中には、彼女の性を開発で出来た人間は居ない
当然、妻から求めて来たことなど一度もなく、私との長年に渡る愛の営みの中で、妻が絶頂を経験出来た回数も片手で足りるほど…、それも浅く軽いものに見えた。

それでも妻は、「あなたが満足してくれるのなら、私はそれで満足よ」
と言ってくれる。
私にしっかり寄り添って眠る、妻の幸せそうな寝顔を見るのが、私の何よりの活力剤だ。
正直言うと、私は羞恥攻めとかもしてみたいのだが、天真爛漫で聖女のような妻を見ていると、とても出来ない。
『そんな私達を襲った悪夢』
8月25日
それは一本の電話から始まった。
 電話で話す妻が敬語を使っているので、テレビを見ていた私はその会話が気になっていた。
 妻が受話器を置くや否や、私は「誰?」と訊ねた。
 「う〜ん、あのイベント会社の社長さん。あなた知っているでしょう?!ほら、今年の春〇〇ホールであったITベンチャーショーで私、受付コンパニオンの仕事したじゃない。あの時の社長さんよ」
 私は一度だけ会ったことのあるその人物のことを思い出した。
遠い昔、英語の教科書に登場した『ハンプティダンプティ』を彷彿させるコロコロとした体型のその社長は…
表向きは人当たりのよい柔らかな物腰だが、妻の顔から胸、尻、足首までを舐めるように見る、淫靡な目付きが気になって、好きにはなれなかった。
 「はい、はい、あの社長か…そういやぁ、あの後もしつこく専属コンパニオンにならないかって、ゆかりを口説いていた社長だね」
 「口説くって、いやらしいわね。美人は誰からも好かれるものよ」
 妻は、この社長が美人だ、美人だとしつこく誉めることに悪い気はしていなかった。
というより、むしろ喜んでいたと言ったほうが正しいだろう。
 独身時代ならいざしらず、40の声を聞く主婦が、美人だ…と言われる機会は滅多にない。お世辞でも美人だ!、と言われれば、「私もまだまだ、まんざらでもないわ」と思ってしまうものだ。
 
「それで、また仕事の話?」
 「そう、〇〇県のw村で村祭りのようなイベントがあるんですって。そこでサンバパレードがあって、エントリーする女性を募集していて‥私にどうかって言うの…。
美人コンテストのようなものらしいんだけど…
とんでもない!って断わったけどね」
 断わったという妻の言葉の中に、多少の興味があることを察した私は、「仕事じゃないの?! じゃ、お金は賞金になるのかな」と振ってみた。
 「うん、推薦でエントリーされた場合は、交通費込みで5万円貰えるらしいの。確か1位が10万円とペアで一泊の温泉旅行、2位が5万円、3位が3万円ですって」
 「その推薦って何?」
 「私の場合、祭の主催の、え〜と何だっけ…
あ、村の農商倶楽部の理事長さんの推薦らしいの…」
 妻の顔に、まんざらでもないでしょう! という自信のようなものが見え隠れした。
 「理事長って、何故、そんな人がゆかりのこと知ってるんだい?」
 「あの春の受付の仕事した時に、その理事長さんも来たらしくて、私のこと覚えていたらしいの…。それでイベント会社の社長を通じて話がきたってわけ」
 「ふ〜ん、じゃ悪くても5万円 まして、その理事長の推薦ってことになると、1位は無理だとしも3位くらいはいけそうだな」
 私はなんか出来た話だなぁと疑問を感じたが、それよりも胸算用の方に心が動いていた。
 「エントリーは何人くらい?多いんじゃないか」
 「なんか50人程度らしいわよ」
19歳の時、ミス〇〇に応募したと妻から聞いたことを思い出した…。
1000人近い応募があったそのコンテストで、最終選考の10人にまで残ったという。その経験が自信になっているようで、
今回の50人程度のコンテストなら、入賞するのはわけないわ!  とでも言いたげな口調だった。
 「え、たったの50人!そりゃ、ゆかり‥出ろよ、ほんとに10万円も夢じゃないぞ。〇〇県のw村だろ!?
高速代に、ガソリン代を入れても、交通費は1万円いかないから、手取りで最高14万程度は入ってくることになるなぁ…
ダメでも4万円。一日でこれだ、これはおいしい話だな」
 お金で盛り上がっている私を妻が遮った。
 「ちょっと、馬鹿なこと言わないでよ!。サンバよ、サンバ!。40のおばさんがサンバなんて踊ってたら、見る人も卒倒しちゃうじゃない。
それに先の電話じゃ、レオタード姿って言うし…冗談じゃないわよ! 恥ずかしい…。わたしは出る気ないわよ! それにもう断わったんだし」
 語気を荒げた口調に、ほんとに出る気がないようにも思えた。14万、14万と言う私を妻はきっぱりとつっぱねた。
8月26日
サンバパレード当日の2週間前。
 
帰宅すると背広を架ける間もなく、「あなた、あなた、ちょっと聞いて!」と急ぎながら妻が居間に飛び込んできた。
風呂上がりの姿は、パンティーにTシャツを羽織っただけだった。
 「なんだよ、そんな格好で‥子供達はどうした?」
 「2人とも今日は塾の日よ。あ、9時に終わるから、あなた今日は迎えにいってね」
 「ああ‥」
 Tシャツの下で申し訳なさそうに、ピンクのパンティーのクロッチ部分が覗く。私は目をやりながら生半可に応えた。
こんもりとした恥丘を中心に太股にかけてYの字を描く、ムチムチした股間が扇情的だった。
 「もう!そんな話じゃないの、昨日の話よ」
 私の視線に気付いて、パンティを隠すようにTシャツのすそを引っ張りながら、妻は続けた。
 「昼間、あのw村の理事長さんから直接、電話が掛かってきたのよ」
 「え、どうして?」
 白い太股から視線を上げながら、(そういや、ここ1ヶ月ほど、妻とはご無沙汰だったな)そんなことを考えていた。
 そんな私にお構いなしに、妻はソファに腰掛け足を組んだ。
 
キュッと引き締まった足首が目前に突き出された。
スラリと延びる足首から膝小僧、そこから尻につながるムッちりとした太股は、熟れた女肉ならではの淫らさだ…。
膝小僧から先をブラブラさせながら、困り顔で更に続けた。
 「どうしてもお願いしたいって言うの…。何度もも断ったんだけど…。初めての企画なのでどうしても成功させたい!
 もうウチに、サンバダンスのレッスンビデオを送った!って…どうしても協力して欲しいって言うのよ…。ほんとしつこいの」
 「いいじゃないか‥そこまで言われれば、一等の10万は戴いたようなものじゃないか」
 私は、Tシャツから伸びた白い足をまじまじと見つめた。
妻の脚線を意識して眺めるのはいつぶりだろう。 細っそりとしたふくらはぎ、その先の引き締まった足首へと流れるラインは昔のままだったが、
太股から尻へと流れるムチムチと熟した肉のラインに、年甲斐もなくドキッとした。
足・尻フェチの私にはたまらない、欲情させる脚線だった。
 妻は、ぽってりとした肉厚のある口唇を尖らせた。
 「もう、何言っているの! 昨日話したでしょう。私はサンバなんて絶対イヤなの! きっと若い娘ばかりよ…若い娘の中に入って、こんな身体さらけ出せる訳ないでしょ!」
 身体を揺さぶるその素振りは、まるで子供がイヤイヤするようで、とても40歳の大人の仕草とは思えなかった。
 (相変わらずぶりっ子だな…)
 気の強さからくる高慢さと、臆病な幼さが同居したような妻の性格は、もちろん良く分かっている。
 「じゃ、きっぱり断ればいいじゃないか」
 「何度も断ったって言ったでしょ。
もう!ご主人も招待したい‥なんてことも言い出すし、とにかく私の言うことを聞いてくれないのよ…しつこい人って大嫌い!」
 と言うと、妻は自らを抱くように両手を肩に廻した。
 「おい、おい、オレにサンバを踊れって?」
 「バカ!、そんなことあるはずないじゃない。サンバパレードの後、あなたとわたしを温泉旅館に一泊招待するってことよ」
 妻は、両手を振ってオーバーな仕草で否定した…。瞬間、Tシャツが上捲りし、パンティに包まれた下腹部がヘソのあたりまで露出した。
 結婚当初、まだ少女のような固さを残していた下腹部も年とともに変わっていった…。今、目にする妻のそれは、昔と変わらず弛みはないが固さが溶けて、ふくよかで十分に熟しきっていた。
 
私は猛烈に妻に欲情した…。股間に血液が早鐘を打つように流れ込むのを覚えた。しばらく忘れかけていた感覚だった…。
 妻は私の股間を一瞥し、Tシャツを整え露出したパンティを隠した。
 「ゆかり…」
 発した私の声は上擦っていた…。
 「ちょっと、聞いてるの?! 真剣に聞いてよ! わたし、本当に困ってるんだから」
 太股に伸ばそうとした手を、妻の手がピシャリと払いのけた。
 「わかった、わかった! つまりオレが、その理事長とやらに電話して断ればいいんだろ?!
わかったよ…可愛い妻のピンチだ、仕方ない…助けてやるよ」
 私は、妻が差し出した電話番号が書き留められたメモを受け取った。
 「お願いね!いつも頼りにしてます‥ご主人さま! サービスしちゃうから〜」
 妻はウインクして、まるで勃起を見透かしたかのように私のズボンの股間に手を当て、小悪魔のような魅惑の笑みを向けた。
私の勃起は、大きく脈打っていた… 
 翌日‥約束は約束なので、私は昼休みに例の理事長に電話を入れた。
 話を聞きながら理事長の懇願は理解できたし、なによりも提示された条件は申し分なかった…
いや、破格の条件だった。
 私はあっさりと妻の参加を承諾してしまった… 
理事長の説明はこうだった。 
 一年に一度のその村祭りは村人の唯一の楽しみであり、特にサンバパレードは祭のクライマックスで、村人全員が一番楽しみにしている催しだという事だった。
毎年、大阪の素人サンバチームを招いているが…ここ数年、マンネリになってきたという。
しかし、こんな田舎にまで来てサンバを披露してくれるチームは他にはなく、断わるわけにもいかない。
そこで、サンバチームと共にサンバの華になる、まったくの素人さんを呼ぼうということになり、イベント会社の社長に相談し、妻に白羽の矢が立ったというのだ。
 
 サンバのコンテストでの賞金とは別に…
今回、参加してくれる素人さん全員に御礼として2等賞相当の賞金を渡そう、という話になっており
とびきりの美人で華のある奥様に限って、参加してもらえれば30万円と交通費の5万円、それに今回は夫婦で温泉に一泊してもらいという申し出だった。
また、サンバに参加するいつものサンバチームというのは、40歳代中心の普通のおばちゃまがダイエットを兼ねて作ったような素人チームなので、

気兼ねする必要はまったくないということだった。
 私も理事長の話を聞きながら、(おばちゃまサンバじゃ、そりゃマンネリもするだろうな)と頷いた。
 
 しかし、妻も今年でもう40歳で、正におばさんの域だ。
あまり変わりないのじゃないのか!?もっと若い娘にしたらどうか!?と理事長に意見したが、「いや、いや、奥様は歳よりも10歳は若く見えますよ!
 それに、なんと言っても美人じゃ…」と、大げさに美人、美人を繰り返した。
10歳若くは大袈裟だが、確かに夫である私から見ても34.5歳には見える妻だが…
本当は、サンバチームのおばさん達とあまりにも歳が離れた若い娘では、おばさん達がヘソを曲げる…ということらしい。
 衣装も厚手のレオタードにサンバに付きものの孔雀のような羽飾りを沢山つけるので、肌の露出は少ない…ということだった。
 確かにおばさんサンバで、肌の露出は見る者につらいものがある。
 「ここは一つ、奥様にボランティアと思って参加するように奨めてくださらんか!?
いや、いや、もちろんお礼は弾みますよ。どうかお願いします…」
 電話の向こうで、まるで頭を下げているのが判るようだった。
 (何故?そうまでして妻を…)と思ったのだが…特別、それについて深く考えることはなかった。
 帰宅して、妻に今日の理事長との一部始終を話した。
妻の拒否する理由は、若い娘と一緒はイヤ!肌の露出はイヤ!の2点だったようだ…。
 自分よりも年上の女性の方が多いという事、当然、衣装も露出が少ないことを聞いて、妻の気持ちが変化し始めたのが分かった。
ただ、胸に引っかかる物があるようだった…。
 「おかしいわね、最初の社長の話でも、理事長さんの電話でもそんな説明なかったわよ」
 妻は記憶をたどりながら、合点がいかない様子だった。
 「それりゃ、おまえはイヤです、の一点張りだったんだろ? 先方がそこまで説明する所までもいかなかったんじゃないか?!」
 「う〜ん、でも、二人ともしつこい電話だった…。なかなか電話を切ってくれなかったわ!どうして、わたしなんかにそんなに熱心に…」
 妻は、首を傾げながら、顔を不安げに曇らせた。 
 「まぁ、俺がちゃんと説明を受けたんだから、間違いないよ! それよりも旅行気分で行ってみようか!? 30万円も確実だし、あっ、35万か…引きずってでも連れて行くよ!」
 笑いながら、妻の腕を掴み、引っ張る格好を見せた。
 柔らかい腕だった…。妻の肉体を今更ながら意識する自分が変だった。
 「そうね…本当のこと言うと今の話を聞いて、実は私も30万円は魅力だったの…。ボランティアねぇ‥ほんと、こんなおばちゃんですがボランティアでやってみますか!
 まぁ、ダンスも昔取ったなんたらで、多少の自信はあるしね」
 妻も笑いながら応えた。
 「よし、決まり! 決まったところで、今晩は、サービスの方、頼むよ!?」
 妻の腕を強く握った。
 「ちょっと‥ダメよ♪出場する以上は、万全の身体にしなくちゃ。
あと2週間! さぁ、頑張って練習するわよ!
身体に磨きをかけなくちゃ…。エステも通わないといけないわね…。
だから、あなたも協力してね! 綺麗な奥さんがサンバを踊るのを見るの、あなたも嬉しいでしょ! だから、サンバが終わるまではイヤよ!」
 妻は私の手を払いのけてソファから立ち上がると、サンバを踊るように腰を振りながら、一回転した。
 フレアのスカートが捲れ上がり、あのムチムチした太腿が露出した。
 
 私は、サンバの話が舞い込んで来て以来、妻の肉体に異常に欲情するようになっていた。
 確かに恋人時代から結婚当初は、妻の身体に溺れた。会えば、たとえ短い時間でも、押さえきれないほど勃起した肉棒を妻に突き刺し、
そして、私の肉棒を包み込み蕩けるような快感を与えてくれる、妻の肉壷に負けあっという間に果ててしまう。
何度突き刺しても、肉棒は勃起する…それほど妻の肉体に溺れた。
しかし、結婚し子供も一人、二人と生まれ、妻との関係は夫婦から父と母の関係になっていき。
妻に欲情しても、子供中心の生活にお互いタイミングのズレが出てきて、いつの間にか回数も減り、我慢が出来るようになっていった。
 ところが、どうだ…。
このサンバの話が舞い込んでからは‥私は妻の顔を見るだけで股間がムクムクするようになっていた。
 風呂上りや着替え中の妻を目にした時には、勃起は最高潮に達していた…結婚して以来、こんな感情は初めてだった。
私は、このサンバパレード迄の2週間、妻に欲情する勃起をひとりで慰めていた…。

そして、ようやくサンバパレードの当日を迎えた…。

まだまだ残暑厳しい9月9日PM3:00 

強烈な陽射しが照り付ける中…
いよいよ妻の出番だ。
私は緊張しながらも、電柱に据え付けられたスピーカーから流れる司会者のアナウンスに、思わず吹きだしていた。
 「さぁ、おまちかね、祭りのクライマックス、サンバパレードの始まりですよ!
今年は選りすぐりのべっぴんさんがエントリー。みなさんの投票によって見事、グランプリに選ばれた方には賞金10万円!
副賞として、われらが地元○○温泉一泊宿泊券をペアでご招待。
グランプリを目指して47人のべっぴんさんが、サンバのリズムに合わせてご自慢のセクシィボディを披露します。
さあ!じっくりと熱気あふれるサンバをご堪能ください。レッツゴー!」
 アナウンスが終わるや否や、凄まじいサンバのリズムが鳴り響いた。
音割れする大音量にスピーカーは、これが限界だといわんばかりにブルブルふるえ悲鳴をあげた。同時に、沿道に集まった観客からやんやの喝采が沸き起こった。
 4,50メートルほど先のパレードのスタート地点に、女性達の姿が浮かび上がった。
全員が背中の大きく開いた、白いレオタード姿だった…。その白さは遠目に一瞬、全裸と見間違えるほどだった。
私は思わずドキっとした…47人の女性の身体のラインは遠目でもはっきりと判った。
 最初、恥ずかしさから立っているのもたどたどしかたレオタードの群れは‥
2歩、3歩と進むに連れて、サンバのリズムに合わせて腰を振ったり、胸を揺さぶったり、思い思いの振り付けでそれなりに様になってきた。
 一群の中に‥俯き加減で遠慮気味に腰をくねらす妻の『ゆかり』を見つけた。
 私はカメラのズームを300ミリにして、ファインダーの中に妻を納めた瞬間! カメラを持つ手が震えた…
ファインダーの中の妻の姿を見て、私は改めてその顕な姿に仰天した。
(おいおい冗談じゃない! なんて格好してるんだ、それはやりすぎだろう!)
同時に‥あの手この手で、しつこく妻の参加を持ち掛ける、あの‥社長と理事長の事が思い出された。
(畜生!アイツら…)
私の心臓が激しく鼓動した。
 妻が身に付けている白のレオタードには、胸にも股間にも裏地らしき物は付いていなかった。
 もちろん、背中が大きく開いている為、ブラジャーも着けられなかったのだろう…
そして、当然『露出の少ない衣装』をブラジャーをして着るつもりでいた妻は、ニプレスの類など用意しているわけもない!
その胸元はDカップの乳房の形がハッキリと判るほどクッキリ浮き上がり、その隆起の頂きには乳首が突き出ているではないか。
しかも、レオタードの白さに透けて、黒ずんだ色の乳輪がはっきりと判るほどだ…!
股間は、Tバックのサポーターがハッキリと…その色まで確認出来るほど透けている。クルリと身を翻した時に、お尻が見えた…。
熟した尻肉を隠すには、レオタードの布はあまりにも小さすぎた‥お尻は丸見えだった!!
 (チクショウ!!裸同然じゃないか!!!)
 私はカメラを周りの女性に向けてみた。
遠目では皆同じ様に映っていたが、アップでよく見ると他の女性のそれは妻のとは何か違って見えた。
(何が違うんだ?)と、よく見ると‥着ているレオタード自体は同じようだが、生地の伸び具合が明らかに違っていた
妻のレオタードは、見るからに妻の身体にサイズが合っていない…明らかに小さい! 
そのため、生地が伸びて透け方が激しくなり‥
谷間が露出するほど胸元が大きく開き‥お尻の食い込み、尻たぶの露出も激しくなっている。
他の女達よりも生肌を露出する面積が大きいのは一目瞭然だ。

しかし、他の女達も微かに乳首が浮かび上がり、尻たぶもそれなりにはみ出していた。
 沿道の観客達が狂喜するのも当然だった…

 パレードの女体の群れに合わせて、沿道の人波も一緒に動き出した。
人波が押し寄せぐいぐい押され、カメラを構えるのも容易でなかった。
 私は近付いて来た妻を肉眼で確認すると、改めてその姿に心臓が破裂しそうだった。
 着ていたのはレオタードではなかった!
胸パットのない薄っぺらい白の水着だった。
それも、背中の大きく開いたハイレグのワンピース
そして腰には、番号ではなく「高野ゆかり」と記されたネームシートが貼られていた。
 (裸同然の身体を晒して、しかも名前まで!)
 妻がこのサンバパレードへの参加を頑なに拒む理由の一人だった『露出』
それなのに、裸同然の水着を着せられて腰をくねらせている妻を見て、あの二人に対しての怒りが更に込み上げると同時に
‥2週間前、妻が「どうして、わたしなんかにそんなに熱心に…」と言っていた言葉が思い出された…

そんな妻の様子を近くで見ていると…
最初は緊張と恥ずかしさからか、顔を赤らめ強張った笑顔で遠慮気味に踊っていた妻だったが‥
次第に、ノリノリで踊る周りのおばちゃんダンサー達に影響を受けるかのように、笑顔でおばちゃんダンサー達とアイコンタクトをするようになり
 緊張も解れてきたのか、観客の声援に目線を送れる余裕も生まれてきた…
 そして、一歩一歩進むにつれ 腰をくねらせる動きも大胆になり…
30℃を越える暑さと、大勢の観客に見られる興奮にうっすら汗ばんだ顔を火照らせ…
 耳をつんざくサンバのリズムに身を委ねながら、妻は観客の視線に酔っているように見えた。

笑顔で、時に手を振る仕草は男達を誘惑しているようにさえ見えた。
 
 『どう、私のような綺麗な女見たこと無いでしょう? 精練された都会の、それもとびきり上等の女よ…。
こんな田舎じゃお目にかかることすらないでしょう? 
したいの? 私としたいんでしょう? 
この乳房を口で犯したいの? それとも勃起をこの深い胸の谷間に挟みたいの? 
だ・め・よ!お尻をそんなに見つめても…
四つん這いになってお尻を突き出した私を想像してるのね?
いいのよ…。たっぷり想像しなさいね! 貴方たちには決して手の届かない女なのよ…見・る・だ・け…、そう!見るだけよ。
 貴方たちは一生、見るだけなのよ!』とでも言っているかのように…
  妻の瞳の奥には、男を弄ぼうとする淫らな光が宿っていた。
 それは、我慢できなくなった私が、妻の股の間に割って入ろうとする時に向ける‥あの目だ! 男の肉欲を知り尽くした目だった…。
 この2週間が、また私の脳裏に蘇ってきた。

 私は身体がカァッと熱くなるのを感じた。
大勢の男達の好色な目が‥妻に注がれていた。
 ぽか〜んとあいた口から涎を垂らしながら、「綺麗じゃ、この世のものとは思えん!おお、女神じゃ、女神様じゃ、この高まりは何十年ぶりじゃ、おお何十年ぶりじゃ、おお」
と呟く老人もいた。
沿道に詰め掛けているのは、当然男ばかりだった。 働き盛りの男はもちろん、顔中にシワを溜め込んだ老人
地元の人間以上に他からこれを見に来る人間が多いと聞いた。
 その男達の全てが股間を膨らませていた。
 
 嫌がる妻を強引にサンバパレードに誘ったのは私だった…。
勃起させながら妻に声援を送る沿道の男達を見ながら、私は2週間前のことを後悔し始めていた。

(もう止めてくれ!他にも女は沢山居るだろ…私の妻を見るのは止めてくれ!)
 

 勃起する男達に向けて裸同然の我が身をくねらせる妻の姿を、呆然と立ち尽くしまま見ていると…隣の男がぶつかってきた拍子に、
カメラのストラップが肩から抜けた。私は、あやうくカメラを落とすところだった。
妻がちょうど私の前を通過して行こうとしている。 妻を近くで見ようと押し寄せる人波の中で、私の身体は右に左に弾かれた。
 男達は誰も歩む方向を見ていなかった。すべての男達が首だけをパレードの方に向けて、一定の間隔で顎を上下に動かしていた。
 
男達の一連の動きはこうだ。
 まず、品定めするかのように妻の顔をマジマジと眺めると、次に水着の上からクッキリと大きく突き出た乳房と、その頂きにある黒ずんだ色がハッキリ透けた乳首へ…
そして最後に、微かに陰毛の黒い影が浮き出た股間や、水着からはみ出た丸々とした尻たぶには、幾度も視線を這わせていた。
 男達のギラギラした目は、まるで性交の時のそれだった…。妻を犯そうとする肉欲の目だった。
 
 品のない大きな声がサンバのリズムの中から、ふいに聞えた。
 「ゆかりちゃん〜 高野ゆかりちゃん、最高!」
 「お尻、もっとクネクネさせて、ほれほれ!そうそうそう!いいよ〜」
 「ぅッヒョ〜、最高! いいよいいよ、ゆかりチャン〜、もっとオッパイ揺らして〜!」
 「ゆかりチャ〜ンお尻こっちに向けて〜ッ! ぅッヒョ〜!、ヒョ〜たまんねぇ〜」
 沿道の最前列を占領し、妻の歩みに合わせるように一緒に移動する10数人の肉体労働者風の中年男達だ。
きっと、この先の山奥にあるダム建設現場の簡易宿泊所から来たのだろう。
何ヶ月も女っ気のない所で生活している‥と思われるその男達の、妻を見る目はゾッとするほどギラついていて…
その悍ましさに、私は後退りしていた…。
 パレードの中心で、妻は、他の女達に囲まれるにようにして踊っていた… それはまるで、待女を引き連れた女王様のようにも見えた。
サンバのリズムに合わせて腰を淫らに振る姿も様になっている。 周りの女達と共に、沿道の男達に笑顔を振りまきながら、
誘惑するかのように女体をくねらせていた。
 
私は他の女に目をやった。パレードに参加した女達は、理事長の説明していた通り、40代中心の、正におばちゃんサンバだった。

 164センチの妻はパレードの中では長身な方で、プロポーションもさることながら、女体が発する気品が上質と言う点と…
何よりも、見た目の若さが明らかに他の女達と違っていた。

そして時折見せる、淫らな商売を彷彿させる妖艶な淫らさがあった。
男の肉欲を何度も受け入れてきたプロの女、そう表現するのがぴったりだった。
 淫ら汁で股間をベトベトにし、まさに、肉棒を受け入れる寸前の膣口を…まるで男達に差し出すかのようにして、妻は腰をくねらせていた。
 

「高野ゆかりさ〜ん!こっち向いて〜!イイね〜!そのオッパイ、イイ〜!」
「ゆかりのお尻!最高〜!」
「ゆかりちゃ〜ん!オレ、も〜ヤバイよ!エロ過ぎる〜!」
 既に立ち去った、最前列に居たあの男達に影響されて、卑猥な声援を送り始める、興奮した観客達の声が飛び交う。
 パレードがスタートした当初は、緊張と羞恥で顔を上げることも出来なかった妻だったが…
時間の経過と共に、観客に微笑みかけられるようになり‥健康的な笑顔が見られるようになってきた頃から‥徐々に、緊張も羞恥も取り払われいき…

 照り付ける太陽の下で踊る開放感と、大音量のサンバのリズムで情熱に火がつき!
サンバの魅力に取り憑かれたように、裸同然の体を艶かしくクネらせながら、頻繁に観客の方へ視線を送るようになり。
 やがて、『男達の欲情の視線』という淫毒を体中に打ち込まれていくうちに…男達を挑発‥誘惑するような目つきに変化していった。
 そして今、私の瞳に映る妻は…長年この瞳に映し出されてきた『ゆかり』ではない!
 淫毒が全身に廻り、トランスに陥ってしまっている!
きっと妻は、これからパレードが終わる迄の事は、あまり覚えていないだろう…

 淫毒を打ち放ち続ける男達に、吸い寄せられるように近付き
ぽってりとした唇を半開きにさせて、今まで私が見た事のない‥男を欲しがるような、うっとりとした目つきで‥淫らに腰をくねらせている

手の届きそうな距離で、顕な女体をくねらす妻を見つめる男達の興奮が、最高潮になった!
男達の顔から笑みが完全に消えた…。
そして、妻にもっと近付こうと、列の後ろからズボンの前を膨らませた男達が殺到し、騒然としてきた。
妻の目の前に立つ男が「ゆかり〜!こうやってぇ」と自らポーズをとって見せると、妻は両腕を頭上に上げ… 
手首を縛られて、天から吊り下げられている事を聯想させるようなポーズで、肢体をくねらせステップを踏みながら回転している。
それはまるで、欲情した男達に『皆さんで、わたしを犯して下さい』と、我が身を差し出しているように見えた…

「ぅっお〜!イイよ〜ゆかり〜」
「すげぇ!ゆかりちゃんすげぇよ!」
後方の男達から一段と大きな歓声が上がる
 しかし、最前列では‥いい年をした男達が、だらし無く口を開けたまま、妻の身体に視線を這わせている
 中には、人目も憚らず地べたに這い蹲るようにして、妻の股間を凝視している者まで…
(もう、目茶苦茶だ…やりたい放題じゃないか!)
私は、あの社長や理事長 そして、妻を目で犯し勃起させている沿道の男達に対して、更に怒りがこみ上げてきた。 

(お前らの目の前を通り過ぎて行く踊り子は、私の妻だ!
あの乳房を揉み、乳首を吸えるのは私だ。そして、勃起を何度もヌルヌルした膣穴にぶち込めるのも私だ!)。
 
しかし、今…私の視線の先で、腰をくねらせている『ゆかり』は、私の妻ではなかった…

私の手の届かない…沿道の男達の女になっていた…。
 
(何やってるんだ、ゆかり! バカ野郎!!)
 カァッと頭に血が上った…。
私はパレードに踊り出て、すぐにでも妻の手を引き、この場から連れ出したい衝動に駆られた…
遠ざかっていくパレードの一団…。
視界の中で、妻が小さくなっていく…。

 妻を追いかけようとしたその時、後ろの会話が耳に入ってきた。
 「あの女達もたいへんだ。良く頑張ってくれてるよ…。夜ならいざ知らず、真昼間からあんな格好させられて」
 「何の娯楽もないこんなところじゃ…。 村の男は、年に一度のこの祭りだけが楽しみでな、こうしてわしらを楽しませくれているのだから、感謝せんとな」
 「そうじゃ、ほんと感謝せな」
 2人の老人の会話が、私の足を踏み止めた。
 どうも、トラブルがあったらしい。イベント会社がサンバの衣装を取り違えたらしいのだ。
衣装をめぐって、『こんな衣装は着れない』と断固拒否する女性達と主催者の理事長達とで、パレードの直前まで相当もめたようだ。
すったもんだの末、理事長達が土下座してまで頼み込んで、ようやくパレードがスタートしたらしい。
 事の経緯を耳にして、私の怒りは多少治まり始めた。 
 (なるほどそうゆう理由があったのか!?ゆかりも大変だったんだな…。)
 確かに、パレードの最中に私が出て行き、パレードから妻を連れ出すことは、村の人たちが楽しみにしている祭に水を差すことになるし‥
何よりも嫉妬心から生じた怒りは、大人気なかった…。
妻達にしてもそうだ。
ここまで来て、衣装が違うからサンバは踊れない…ということを頑と貫き通すことは、サンバが祭のメインイベントであることからも、なかなか難しかったのだろう。
村の人達が楽しみにしている祭を、一時の感情で台無しにすることは出来なかったのだろう…。

鈍い重さを胸に感じながらも、ようやく私は冷静にパレードを見れるようになっていた。
 沿道の観衆を引き連れて遠ざかって行くパレードの一団をカメラで追いながら…もう一度、ファインダーの中に妻の姿を納めた。
 スラリと延びた足首から膝上のライン…
 それとは正反対な‥膝上から尻へと繋がるむっちりとした太腿
 肉を突き出すように盛り上った、丸々とした尻たぶ…
 細く括れたウエスト…
 シミ一つない背中に細い腕…

夫の私が言うのもなんだが、惚れ惚れする見事な身体のラインだった。
背後から見るプロポーションは、20歳代の女と言っても十分通用する。その姿は確実に10歳以上は若かった。
いや、20歳代でも、これほど見事な身体の女は、そうはいない…。
 
ファインダーの中で、益々小さくなっていく白い水着の妻…
私は、妻の瞬間、瞬間を手に入れようとするかのように無我夢中でシャッターを切った!
 やがて、人の群れに飲み込まれ300ミリの望遠から妻の姿が見えなくなり、パレードの一団も沿道の人達も遥か彼方だった。
パレードの終着地に辿り着こうとしていた…
 (ゆかり!…ゆかり!)
気が付くと私は駆け出していた。心の中で、何度も何度も妻の名前を叫びながら…
(妻がどこか手の届かない所に行ってしまう!)
この、僅か一時間程の間に様々な感情が駆け巡り、『心』が疲れ果てていた私は…
そんな錯覚に陥っていた。
だから、無性に妻の顔が見たくなった…。
 まるで、胸の中に埋め込まれた鉛が溶けるかのように、今までにない程 強烈に妻への愛しさが湧き出てきた。
 
 終着点に着くと、既にパレードは終わっていた。
理事長はじめ主催者の役員達だろう…妻を始め、パレードに参加した女性達の労をねぎらうように出迎えていた。
私は理事長と握手しながら、何やら話しをしている妻を見つけ、足早に近付いていった。
 「高野さん、ご苦労さんじゃった。すごい人気じゃったな!おかげさんで、祭りも大いに盛り上がった‥ほんと高野さんの御蔭じゃ!
 それにしても、高野ゆかりちゃん人気は凄いもんじゃったの〜」
 エラの張った顔でキツネ目、白髪混じりの毛髪、大柄で恰幅のいい60歳前後の理事長
 一癖も二癖もありそうなこの男は、感謝の言葉をかけながらも‥その淫靡な視線を裸同然の妻の身体に這わせていた。
 「どこ見てるんですか!? いやらしい!」
 言葉は多少強かったが、妻の顔は笑っていた。その顔には、大きな仕事をやり終えた充実感が漂っていた。
 「いやぁ、すまん、すまん。こうして真近で見ると、ほんと綺麗じゃ…年甲斐もなく、高野さんの美貌とそのスタイルの良さに見とれてしもうたわ。
許してくれんか… しかし、男達が騒ぐのもこりゃ、無理ないわい‥いや〜、すまん、すまん」
 「もう、聞き飽きましたわ、その言葉…。あらっ、あなた!」
妻が近付いた私に気付き、理事長もこちらを向いた。
 「おお、ご主人。奥様には、ほんとご協力いただいて感謝しています。
とんだハプニングがあって、こんな衣装になってしまい‥ご主人には申し訳ないと思っとります」
 理事長が私に向かって、深々と頭を下げた…
が、、気のせいかその時の目が『しめしめ…上手くいったわい』とでも言っているように見えて仕方なかった。
 「いやいや、そんな…頭を上げて下さい。聞きましたよ!仕方ないですよ。私も最初見た時はビックリしましたが、
皆さん喜んでいたみたいですし…こんな妻でもお役に立てて良かったですよ」
 「そう言ってもらえると少し報われます。それで‥奥さんにも説明しておいたのですが‥衣装の件ではイベント会社の方で、
お詫び代を用意するようにしておりますので、それで勘弁してやってくだされ」
 (なるほど、お詫び代で手を打ったんだな。となると、35万に、交通費の5万、お詫び代が2、3万といった線として、しめて45万近くになるな)
 理事長の話を聞きながら、私は早速そろばんを弾いていた。
 「あの‥着替えたいんですけど…」
 辺りをチラチラと見回しながら、胸元を両手で隠すようにしていた妻が、話に割って入った。
 「おお、そうじゃった!いつまでもその格好では気の毒じゃったな。
着替えて来て下さい。
この後、表彰式を行いますんでな…。それじゃ、私もちょっと失礼します」
 理事長は私達2人にお辞儀をすると、本部テントの方に向かって行った。
 
 私は、改めてマジマジと妻を見た。
 胸元は、手で隠しても豊かな乳房が押さえた手から零れそうだった…
引き締まったウエストから、むっちりとした腰周りへ そして、太腿へと目を這わせた…
うっすらと汗ばんだ肌が眩しい太陽に照らされ、キラキラと光る妻の水着姿は、夫の私にさえ扇情的に映った。
いや、私にとってはこの2週間、待たされ続けた極上の肉体だった訳だから…。
鉛のような鈍い重さを胸に感じながら、私の股間は勃起していた。
 「ちょっと、何見てるのよ!バカじゃない!?
 そんなに自分の妻の身体をマジマジと見るダンナなんていないわよ!
じゃ着替えてくるわね」
 妻は身を翻すと、更衣用のテントの方に駆けていった…剥き出しの左右の尻たぶがプルプル揺れていた。
私の股間がカァッと熱くなり、急いでカメラを構えて妻の尻をファインダーに納めた。
 「ちょっと、撮らないでよ! ほんとバカじゃないの! バカなことはやめてちょうだい!!」
 振り返った妻の目は、語気の強さを物語っていた。 
 「冗談、冗談だよ」
 私は、カメラを降ろした。妻は足早に更衣用のテントに消えていった…

 この時初めて気付いたのだが、私達の周りに人垣が出来ていた。
誰もが妻を至近で一目見ようと集まって来ていたのだ。
そして、ほとんどの男がカメラを手にしていた…。
 (畜生!撮られてしまったのか…夫の私でさえ望遠でしか撮ってないのに、どこの誰かわからん男が妻の裸同然の姿を至近でカメラに収めていやがる。
妻の写真を見て何するつもりなんだ!?)
 私の雰囲気を察したのだろう、人垣は足早に散っていった。
 
 「高野さんのご主人さんですね。向こうの本部テントでお酒を用意してますので、一杯やってください。表彰会場は山の中腹になりますので、
順番にマイクロバスでピストン送迎しますので…待っている間、一杯やってください」
 役員の一人が声を掛けてくれた。
 「ありがとうございます。じゃ、お言葉に甘えさせていただきます」
 私も本部テントに足を向けた。 途中、ベニヤ板で覆っただけの特設の簡易トイレがあった。
 (表彰会場に行くまではまだ時間があるな…トイレに行っておいた方が無難だな)
 私はトイレに入った…。
用を足し終える頃‥隣の個室に誰かが入る音が聞こえた。
そして、カチャカチャ!ジー!と慌ただしくズボンを下ろす音が聞こえてきた。
(そんなに慌てて‥漏れそうなのかな…)とニヤついていると‥
 ベニヤ板の壁越しに、男の荒い息遣いが聞こえて来た。それは‥勃起を摩る時の、男の息遣いのよう聞こえた…。
次の瞬間!衝撃が走った… 息遣いの合間に、「おぉっ…ゆかり…、高野…ゆかり」と妻の名を繰り返す微かな声が聞こえた。
 (妻の名前を…)私の鼓動は一気に高まり、ガクガクと膝が震えた。 
そして、無意識のうちに壁に耳を押し付け聞き耳を立てていた…
 しわがれた声の主は、どう聞いても50前後の男の声に聞こえた
見ず知らずのいい年をした男が、妻の名を繰り返している。
 
 ズボンを下ろし、剥き出しの勃起を摩っているのだろう…。
 その先端から、抑え切れない欲情の汁が溢れ出しているのか‥
肉擦れの音の中に『クチュッ、クチュッ…』という粘着音が混じっていた。
 パレードで見た妻の肉体を思い出しているのか…
まさか!?……数分前に見た人垣の中に居た男が、至近距離から撮った裸同然の妻を見ながら、勃起を激しく摩り上げているのか!?
肉擦れの音が世話しなくなり、息遣いが激しくなってきた。
瞬間が近付いているようだった。
「おっ‥おおぅ、ゆかり‥気持ちいいよ、ハァッ‥ハァッ‥おぉっ、気持ちいいよ、高野ゆかり、いいっ、いいっ、高野ゆかり‥ハァッ‥ハァッ いいっ」
 沿道に流れる音楽や雑踏の声に掻き消されるとでも思っているのか…
それとも、興奮状態で我を失っているのか…

男は一段と高く大きな声で、妻の名を呼びながら、呻き声を上げた。 
「おおっ、高野ゆかり‥たまらん! 高野‥ゆかり! おっ、おおっ! ゆかり!! たまらん! 
出すぞ!‥ゆかり!!出すぞ!おおっ 出るっ!出るっ!ゆかり!ゆかり!ゆかり!うぅっ!」
  ベチャ…ベチャ…
 男の体液がベニヤの壁に飛び散る粘っぽい音が数回、聞えた。 
 「ハァッ、ハァッ、ハァッ…、気持ち‥いいっ、ハァッ、ハァッ、高野ゆかり…気持ちいい、高野ゆかり、ハァッ、ハァッ、ゆかり、ハァッ、ハァッ」
 息を荒げながらも妻の名を呟き続けている。
男にとって、妻の中に体液を放出した瞬間だったのだろう…。
肉擦れの音が激しい。男は、なおも射精の快感に浸るように勃起を擦り上げていた…。
それはまるで、体液のすべてを妻の中に放出するかのように思えた。
(この野郎!!高野ゆかりは私の妻だ!ふざけるな!!) 
壁の向こうの声だけの男に対し、込み上げて来る怒りを感じながらも…
私の肉棒は、見る見る間に勃起した。ベニヤを隔てた隣の男の射精の興奮が伝わってきそうだった…。
私の勃起の鈴口からは、透明の液が少し湧き出ていた。

 鈴口から滲む前液をブリーフで拭くと‥私は、いきり立った勃起をズボンの中に納めた。
依然、ハァッ、ハァッと荒い息遣いが聞える。
 勃起をブリーフに仕舞い込む時‥裏筋に快感が走り、射精感が沸き起こった。
私は年甲斐もなく、もう少しで射精してしまうところだった…。
静かにドアを開けてトイレの外に出ると、私は大きく息を吐き出し、深く呼吸した。
 陽射しが目を差し、クラクラした。
トイレの前には少しの間に、多くの男達が並んでいた。
 
 私はうつむき加減で、男達の間をすり抜け、沿道に出た。途中、数人の男達とすれ違った。
 あの最前列で品のない大きな声を上げていた、あの肉体労働者風の男達だ。
ゾロゾロとトイレの列の最後尾に向かって歩いていく。
私は思わず立ち止まり振り返った…
 近くで角刈りの男がパレードの興奮さめやらぬといった調子で早口で喋っていた。    
「あの高野ゆかりって女、たまらんなぁ。あの顔と、あの身体、見たかよ。すっげぇ形のいいオッパイと尻してたよな、穴があくほど見てやったぞ!見ろよ、携帯でもバッチリ撮れてるぜ」
 男達は携帯の確認するかのように覗き込んでいた。
 「いや、オレなんて顔見ているだけでイキそうだったぞ!特に、あの目‥目が濡れているというのか、なんて言うのか、なんかゾクゾクする目だったよな」
 小肥りで薄禿げの男が身を震わすように言った。
 「幾つ位かな?」
 「20代後半じゃないか?俺は28歳とみた!どうだ?」
 「アホ、あの黒ずんだエロい乳首見たかよ!
あの濃さは20代じゃないぞ…男に相当吸われて、ガキ2.3人は産んでねえとあの濃さにはならんだろ…案外あれで、35歳近くいってると思うぞ!」
 バーコード状に禿げ上がった太鼓腹の男が、妻の乳首を話題にした。
 「いや、あれはの〜、中出しじゃよ。女はの、何度もなんども中出しされれば、ホルモンの影響で乳首が黒くなるのじゃ。
 形の良い乳と腰の括れ具合から見ても、あの女は確かに若い、いっとってもせいぜい30歳じゃな、が‥相当中出しされておるのぉ。
男を知ってから、中出しばかりされてきたのじゃろうなぁ…」
 最後尾に並んでいた老人が知ったか顔で、話に割って入った。
「その通りじゃな、それにな‥乳首の黒い女は名器というじゃろが、ミミズ千匹じゃ。 理に適っておるのう 名器が故に男は我慢出来ずに中で果ててしまうのじゃ。」
 更に連れの老人も口を出す。
 私はこの老人達の迷信のような話に…過去を振り返り、妙に信憑性を感じてしまった。
 それは…結婚当初や二人目の子を妻が欲しがった時期には、毎日のように中出しをしていたが… それでもなかなか妊娠せず、何ヶ月も続けていた記憶がある
 そして、歳を重ねるにつれ、妻の乳輪の色が濃くなってきた事が思い出された。

二人共、深いシワから70歳前後だと思われたが、好色な顔が妙な若さを醸し出していた。
パレードの妻を見て、女神じゃ、女神様じゃ、と呟いていたあの老人だ。
 
「おい、おい、じいさん、いい加減なこと言うなよ。ガッハハハハ」
 早口の男が、下品な笑い声を上げた。
 「それじゃ、あの高野ゆかりって女、あんなにベッピンなのに誰とでもヤッテいるのかよ」
 小肥り薄禿げ男が、信じられないという顔をした。
 「お前もアホじゃな。ダンナがいるじゃろうが。ダンナと毎晩、ヒィーヒィーやっとんのじゃよ。あの尻の振り具合見たじゃろうが。ダンナに跨がってグイグイ、尻ふってるのじゃ」
 老人は、オーバーな仕草で腰を前後に振った。まだ現役であることを思わせる腰使いだった。

 「そうか…当然、結婚してるんだろうな…。
ところでオレもヤラせてもらえるかな? ヤリたくてオレ、た〜まんねぇよ! あんな女にハメた日にゃ、オレ、気持ち良すぎて死んじまうぜ!ウッヒョッ、た〜まんねぇ〜」
 「まぁ、おまえじゃ無理だろうな。休み貰って、かぁちゃんと一発やっ
てこいよ! それとも、パレードの他の女で我慢しとけ…あの女以外だったら、ヤラセてくれそうだぞ! 去年、打ち上げの宴会に出た所長が、酔っ払ったサンバの女とヤッたって言ってたからな」
 「いや、もちろん、他の女も見たんだけどよぉ…。あの女と比べるとよぉ、月とスッポンじゃねえか」
 「それじゃ、高野ゆかりが着けていた水着でセンズリしとけよ」
 「おお、それがイイ、それ最高! 股の部分、思いっきり匂いを嗅いで、匂いを鼻に溜めておいて、
それから、チンポに巻きつけて、高野ゆかりのアソコが当たっていた部分にドビュ〜ってやったら‥最高だな! やりてぇ〜!あの水着、貰えんかな」
 醜く肥えた男が、まるで妻の水着を手にしているかのように、鼻に手を持っていき匂いを嗅ぐ格好をした。
 「おまえ、ほんとにあの女にイカレちまったようだな」
 「おまえだって、ヤリたいだろう…あの顔にあのカラダで人妻だぞ! ほんと、たまらんわ」
 「あたりまえだろうが!オレなら、あの美人を‥鼻に掛けたような高慢な女を四つんばいにさせて、尻から突きまくってやるわぁ。 
おまえらも見ただろ‥あの後ろにグッと上向きに突き出た丸々とした見事な尻を!。あの尻をオレの前に差し出させて、『入れてぇ、入れてぇ〜、突いてぇ、突いてぇ〜』とあの女に言わせるんだよ。
オレはなぁ、こうやって尻を鷲掴みにして、『どうだ、どうだ! 気持ちいいだろ!、ダンナよりイイだろ! ほら、どうだ!』って、こうやるんだよ」
 180センチ以上はあるだろう。男達の中で一番背の高くガッシリした体の男が、両手で尻を抱えるようなポーズを取りながら、激しく腰を前後した。老人の腰の動きを凌駕する荒々しい突きだった。
 「おい、おい、興奮するじゃねえか。オレ、出そうになってきたわぁ」
 醜く肥えた男が泣き出しそうな声を出した。
 「それにしても、まだかよ!トイレ入っている奴、長いなぁ…ゆかりで何発抜いてんだよ」
 「オレ達も一発抜かにゃ、こりゃもたんぜ」
 「ハハ、そりゃ、そうだ〜 ガッハハハハハ」 男達の卑猥な笑いが響きわたった。心底、不愉快にさせる下品な男達だ。
 聞き耳を立てていた私は、居たたまれなくなってその場を立ち去った。妻が汚されてしまったような憤りを覚えた…。
 
(妻が20代?、何言ってんだ。もう40だよ!
 ダンナと毎晩ヒィーヒィーやってる? もう1ヶ月以上もやってないよ。好き勝手言いやがって!
やりたいのは、夫のオレのほうだよ! 特にここ2週間は最悪だ!)
 静まり掛けていた怒りが沸々と蘇ってきた。
 (サンバなんかに参加するんじゃなかった…。妻は、単なる観客の慰み者じゃないか…)
 同時に、私は自分自身が参加を決めたことを今更ながら後悔しはじめていた。
 
 フラフラしながら、本部テントにたどり着くと、コップに注いでもらった酒を、一気に飲み干した。
頭がグルグル回り、強烈な怒りが頭を擡げた…。

「も〜!捜したんだから〜」私が三杯目の酒を飲み干した時、妻が着替えを済ませやって来た。
「悪い悪い、役員の人に勧められちゃって」
「はいはい、分かりました。」
Tシャツにジーンズ姿で、荷物を抱えた妻が呆れ顔で応える
気が付くと、また妻の周りに人垣が。
もう、服を着ているのに妻のことを…
こんな田舎では滅多に見られない、都会育ちの洗練された女とでも見ているのか、まるで芸能人でも見るような雰囲気で集まっている。

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