えちえち体験談

メリー「わたし、メリーさんなの?」

2010/11/28 17:10カテゴリ : その他

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 18:31:36.66 ID:Ig2wW4WoO
男「メリーさんってあのメリーさん?」 

メリー「たぶん。わたしはメリーさんだと思うんだけど、何もかも忘れてしまって」 

男「君はメリーさんだろ」 

メリー「どうしてそう言い切れるの?」 

男「台詞の横に堂々と書いてあるじゃないか」 

メリー「ちょっと言ってる意味がよくわからないわ」 

男「で、そのメリーさんが何の用で僕の家なんかに電話を掛けてきたわけ?」 

メリー「あなたの電話番号だけ覚えていたから掛けてみたの」 

男「僕とメリーさんは恐らく愛人関係でもなければ援交関係でもない、言わば何の関係もないはずだけど」 

メリー「だってわたし、全ての記憶を失ってしまった悲劇のヒロインだというのに、あなたの電話番号だけ記憶に残っているもの。これって何かの運命よ、きっとそう」 

男「メンヘラもしくはスイーツ()の可能性が高いと思われる。このまま何も言わず会話を終了させることで、彼女の呪縛は解けるのではないか」 

メリー「誰と話してるの?」 

男「むしろ今まで誰と話していたんだろう、これは夢だってどうして気付かなかったんだ」 

メリー「とにかくわたしはメリーさんかもしれないってこと、それを覚えておいて。これからもちょくちょくあなたの電」 

   ぶつっ 
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 18:36:34.90 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし、メリーさんかもしれないお尻の小さな女の子。あなたの帰りを健気にずっと待っていたわ」 

男「また君かよ。しかも何気なく、たった今仕事から帰ってきたことを知っているなんて」 

メリー「わたしはメリーさんかもしれないんだから、メリーさんっぽくしておかなきゃ」 

男「ただのストーカーですね、わかります」 

メリー「ちーがーうー!わたしはストーカーなんかじゃなくて、メリーさんかもしれないの!」 

男「さっきからかもしれないかもしれないってうるさいな。君の特徴を言ってみろ、君がメリーさんかどうか判別してやる」 

メリー「ほんと?えっと、特徴、特徴は……お尻の小さな女の子」 

男「それ最初に言った。たとえばそうだな、胸の大きさとか言ってみそ」 

メリー「胸は、うーん、普通よりちょっと小さいかも……」 

男「腰回りは?」 

メリー「腰?細い方、かなぁ」 

男「よし、君はどうやら僕好みの身体対象から大きく外れているようだ。電話を切りたまえ」 

メリー「……あっ!?へ、へんたい!セクハラやろー!どうて」 

   ぶつっ 
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 18:41:49.33 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし、本当にメリーさんなのかなって不安になっちゃうお年頃の女の子。おはよう、いい天気ね」 

男「僕の寝起き状態は一般人より格別に悪いと知ってて電話を掛けてきたんだな」 

メリー「そ、そんなこと、知らなくて……もうしないわ」 

男「誠意が足りん、ちゃんと土下座しろ」 

メリー「……見えてるの?」 

男「見えてるから、早く」 

メリー「……ごめんなさい」 

男「ダメだな。謝る気持ちがあるなら、服を脱がないと」 

メリー「脱ぐ、脱ぎます、から、許してぇ……」 

男「ほら、目をうるうるさせて、四つん這いになって」 

メリー「ご、ごめ、ひっく、なさぃ……えぐ」 

男「さて、当然だが僕は既に怒っていないしそちらの情景も見えていない。ここで質問をしよう。君の姿は今、どうなっている?」 

メリー「え?…………ば、ばかぁっ!」 

男「立派な痴女の完成ー」 

   ぶつっ 
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 18:46:41.02 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし、メリーさんだといいなぁってメリーはメリーは呟いてみたり。……あら?もうこんな時間だったの」 

男「僕の方は今まさに寝ようとしていたところなんですがね」 

メリー「でもわたしは眠くないもの」 

男「夜更かしはよくないんじゃないか、君はまだ子供だろ?」 

メリー「こ、子供扱いしないで!出るとこ出てるんだから!」 

男「ほう。では毛が出ていると言うのかね」 

メリー「えっ、いや、まだ生え……!こ、このっ……!」 

男「まあまあ怒るなよ、夜のトークってのは付き物だ」 

メリー「あなたはどの時間帯でも変なことしか言わないじゃない!」 

男「変なことって?」 

メリー「そ、そういうことよ」 

男「はて、意味がわかりませんなー?」 

メリー「う、ううぅ〜……もういい!!」 

男「んじゃ、おやすみ」 

   ぶつっ 
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 18:51:28.11 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし、メリーさん修行中のメリーちゃん。元気してる?」 

男「お約束のように電話してきてるけど僕らは何の繋がりもない関係だと再認識してほしい」 

メリー「……何よ、休日だっていうのに家に篭もりっきりみたいだったから、わざわざ電話してあげたのに」 

男「そうは言うがな、むしろ僕の境遇がそっくりそのまま君の境遇なんじゃないか」 

メリー「え?」 

男「僕に電話をしたってことは、君も暇なわけだ」 

メリー「……」 

男「図星」 

メリー「うるさい!わたしはメリーさん(仮)だからいいの!」 

男「はーい質問質問。メリーさんも休日は寝っ転がりながらテレビ見つつせんべい食って屁したりするんですかー?」 

メリー「……しません」 

男「じゃあ受話器の奥からメリーさんの声と共に、たまに聞こえてくるテレビ音らしきノイズはなんですかー?」 

メリー「……もっ、もうあなたなんか死んじゃえ!ばーかばーか!」 

男「自分で殺しに来ないところが君らしいよなぁ」 

   ぶつっ 
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 18:57:19.68 ID:Ig2wW4WoO
メリー「えと……わたし、メリーの代行者の、メリーの妹です。代わりに電話してくるよう頼まれました」 

男「ふむ、メリーさんの妹とな」 

メリー「はい。あの、実は姉から伝言を伝えてこいと言われて」 

男「僕に?」 

メリー「そうです。伝言の内容は『先日は死んじゃえなんて言っちゃってごめん』と、あなたに謝りたかったようです。お世話をかけました」 

男「いえいえ。でさ」 

メリー「はい?」 

男「君、メリーさんだろ」 

メリー「…………さ、さあ、何のこと?」 

男「口調戻ってるし、声同じだし、名前もそのままだし。なあ、やってて恥ずかしくなかったか?」 

メリー「……ふ、ふふ」 

男「ん」 

メリー「そうよ、わたしはメリーさんよ!いつだってメリーさんなのよ!あなたがこんな子供騙しに引っかかる人間じゃないってことくらい知ってたわ!あえてやったの!あえて!!覚悟しておきなさい、次はもっと上手くやってみせるんだから!」 

男「うわ、開き直りやがった。あいつ絶対顔真っ赤にしてるぞ」 

   ぶつっ 
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 19:02:41.73 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし、メリーさんだったと思うんだけど、メリーって名前の普通の女の子の様な気がしてきた。あなたはどう思う?」 

男「少なくとも君は普通の女の子では無いと思う」 

メリー「どういう意味よ」 

男「だって君、簡単に身体的特徴を晒すわ僕の言うことを素直に聞いて痴態を曝すわ」 

メリー「あ、あれはっ、あなたが騙したから……」 

男「それでも尚、何度でも僕に電話をかけてくるって、そりゃもう変態以外の何者でもないだろう」 

メリー「そんなことあなたに言われたくないわ」 

男「否定はしない。仮に僕が変態だとすると君はド変態の域を行くことになるが」 

メリー「……言っておくけど、これからは自分のペースに乗せられると思わないで。わたし、本気出すから」 

男「え?僕のペ[自主規制]ス?」 

メリー「っ……だからっ、変なこと言ったって無駄なの!もうやめ」 

男「あれ?そういや君の妹さんとやらはどこにいったんだ?」 

メリー「……」 

男「……あ、今話してる子だっけ。やっほーメリーの妹さん、元気?」 

   ぶつっ 
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 19:07:34.61 ID:Ig2wW4WoO
メリー「……わたし、メリーだけど」 

男「おっ、妹さんか」 

メリー「……」 

男「最近姉のメリーからの電話が来ないな。調子はどう?」 

メリー「……もう、やめてよぉ……」 

男「うん?」 

メリー「ぐしゅっ。いじわる、しないでぇ……」 

男「ははは、何を言ってるんだ妹さんよ」 

メリー「わた、しぃ……メリー、なんだからぁっ……」 

男「……僕のペースに乗らないんじゃなかったのか」 

メリー「ぅ、っく……ばか……」 

男「いや、しかしやりすぎた。でも君は反応が凄く可愛いからな、からかいがいがあるというものよ」 

メリー「かわ…………」 

   ぶつっ 

男「だが誤解されると困るから言っておこう。可愛いってのは初々しいという……切れとる」 
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 19:12:38.11 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし、メリーさんごっこをしてる女の子のふりをした見習いメリーさんって設定で遊んでる名前だけのメリーさん。…………もしかして寝てた?」 

男「……今も半分脳が寝てる」 

メリー「そ、そう」 

男「用件は?」 

メリー「別に、大した用事があって掛けたわけじゃ……」 

男「僕の声が聴きたかったのか」 

メリー「違う!その……おやすみなさいって、言おうとして、」 

男「ああ、律儀にどうも。じゃあな」 

メリー「違っ……だからっ!」 

男「なんだよ」 

メリー「おやすみって言われたら……おやすみって返すでしょ、ふつうは」 

男「はいはい、おやすみ」 

メリー「……う、うん」 

   ぶつっ 

男「意味もなく起こされた僕ってもしかしなくても不憫なのでは」 
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 19:17:58.78 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし、メリーさんっぽいこと全然してないって気付いちゃった。ねえ、どうすればいいの?」 

男「僕は忙しいのである、後にしてくれたまえ」 

メリー「忙しい?」 

男「僕が今何をしてるか、君ならわかるだろ」 

メリー「いつものは急に感じる第六感って奴で、そんなに都合よくわかるものじゃないの」 

男「なら今から出すヒントを頼りに当ててみるがいい。ヒント1、僕の手は何かを握っています、そしてかいてます」 

メリー「……わからないわ」 

男「ヒント2、その手の動きは速いです、たまに休みます」 

メリー「とりあえず手を使う作業なのね」 

男「まあな。ヒント3、握られた物は棒状です」 

メリー「棒……全然わかんない。ペンを持って、仕事で使う紙や書類とかに、何か書いてたり、する?」 

男「ん?あ、ああ、うむ、当たり」 

メリー「じゃあ本当に忙しいみたいね、ごめんなさい。改めて、また後日に」 

   ぶつっ 

男「確かに正解だけど、納得いかん」 
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 19:23:34.34 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし、メリーさん……って言ってる余裕はないみたい、今日ばかりは……」 

男「いつもより声が掠れてないか」 

メリー「……風邪、引いちゃったかも」 

男「あははははははは!」 

メリー「……」 

男「いや、すまない。メリーさんが病気になるとか初めて聞いたので笑う所かと思った、反省している」 

メリー「ほんとに辛いんだから……」 

男「じゃあ安静にしてなきゃダメだろ。風邪なのにぐだぐだ話してる場合か」 

メリー「わたし、一人だもん……看病してくれる人なんか、いないもん……」 

男「なら……尚更、絶対安静でいた方がいい。長引くともっと辛くなるぞ」 

メリー「……わかった、ちゃんと横になるから…………がんばれって、言って……?」 

男「よし、がんばれ。がんばって治して、また電話してこい。そして僕のモノが元気になった時並みに、元気になれ」 

メリー「うん……ありがと」 

   ぶつっ 

男「……さて、聞いていなかったのか聞こえてなかったのか」 
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 19:28:37.92 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし、」 

男「自分のことメリーさんとか言っちゃってる電波系妄想少女乙」 

メリー「……せめて美少女にしてくれてもよかったんじゃない?」 

男「で、風邪は治ったんかいな」 

メリー「あ、うん。治ったわ、お陰様で」 

男「お陰様って、僕何かしたっけ」 

メリー「んと、夢の中でね、優しい顔つきの男の人が、ずっと側にいてくれたの。はっきりとは覚えてないけど、あれはきっとあなただと思うわ。ありがとう」 

男「どういたしましてと言うべきなのか悩むが。ふむ……不思議だ」 

メリー「え?」 

男「たぶんその頃の僕も夢を見ていた。可愛らしく凛々しい容姿をした少女に会い、その子の可憐な服を破り華奢な体を抱え込み[自主規制]した夢を」 

メリー「こっ……んの……!」 

男「まさかな、君があの少女であるという可能性は限りなく無いに等」 

メリー「このえっちすけべえろえろ下半身大魔神![ピー]がちぎれて[ピー]がはりさけて[ピー]もめちゃくちゃになって[ピーーーーーーーー]!!」 

   ぶちっ 

男「正直勃った」 
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 19:33:59.34 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたしだけど」 

男「久々だな、一週間ぶりくらい……ん?いつも通りに名乗らんのか。ネタ切れ?」 

メリー「この際、わたしがメリーさんなのかそうじゃないのかなんてどうでもいいの。わたしはあなたに怒りをぶつけたい、ただそれだけ」 

男「君の機嫌を損ねさせる様な真似をしたか?この僕が?」 

メリー「わたしの心に傷を付けた時のことを忘れてるなんて信じられない……胸に手を当てて考えてみなさい!」 

男「いや、遠慮しておこう、どうせ凹凸の無い骨組みだろ。そもそもどうやって電話の先にいる君に触れろというのか」 

メリー「だ、誰がわたしの胸に手を当てて考えろって言ったのよ!前回あなたが人の心情を汲み取らないで、ああいう発言をしたから未だに怒りが治まらないの!」 

男「ちゃんと文字は伏せたぞ」 

メリー「伏せたってその言葉がわたしの耳に入っちゃったら意味ないでしょ!あなたは馬鹿なの?死ぬの?」 

男「なあ、罵詈雑言を吐くなら殺しに来ればいいんじゃないか、メリーさん的に考えて」 

メリー「……」 

男「怒り狂うほど僕のことが嫌いなんだろ?」 

メリー「きっ……そういう意味じゃない!べ、別に、あなたのことは嫌いじゃないし、その、いつもいつもわたしにセクハラしてくるから、変態的な所だけ治してくれればマシになるっていうか、す……き、になるかもっていうか、」 

男「ああちょっと待ってくれ、もう改行スペースが足りない。一旦保留にしよう」 

   ピー 
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 19:39:21.99 ID:Ig2wW4WoO
男「で、なんだっけ?僕が変態でなければ好きになるんだっけ?」 

メリー「あくまでっ!かもよ、かも!」 

男「つーかそもそも僕は変態じゃない。君と話している時だけ変態になる必要があり、それは例えるならお祓いのようなものなんだ」 

メリー「はぁ?」 

男「恐らく古来から伝わっているであろう、霊を退けるには自分を慰めよという言葉があってな」 

メリー「自分を慰める?」 

男「実際に慰めている訳じゃないが。そういう風な態度を取り続けていればいいのでは、と思って今の変態的な僕に至る」 

メリー「ぜんっぜん、1%も理解できなかったんだけど。特に自分を慰めるって辺りが」 

男「おい、嘘をつくな。君とはいえそこまで清純でもないだろう」 

メリー「わからないものはわからないわ。わたし、古い言葉は元より、遠回しな表現の口説い言葉が嫌いなの」 

男「そういえば前にもこんなネタを振って不発で終わったんだった。なんてこった、メリーが性的会話に反応して電話を切るという、お約束になりつつあるオチが使えなくなってしまった」 

メリー「なにぶつぶつ言ってるのよ。それより元々何の話をしていたか、あなた、覚えてる?」 

男「むしろ今の僕はその記憶が吹っ飛ぶほど、今回の性的ジョークに対する君の反応の薄さに動揺してる訳だが。さて、もう一度保留にしておこうか」 

メリー「今日のあなたはいつも以上に変ね。……何だか、興醒め」 

   ピー 
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 19:44:33.23 ID:Ig2wW4WoO
男「くそ、メリーが僕の下ネタを聞いて恥ずかしがってくれなかったせいでオチが作れない」 

メリー「や、やっぱりそーゆー……下品な所が嫌いだって、何度言えばわかるのよ……」 

男「そう言われても。さっき言ったように、君を離れさせるためにはこの手段を使うしか、」 

メリー「……わたしの電話がイヤなの?わたしに電話してほしくないから、わざと変態的な態度で装って嫌われようとしてるの?」 

男「返答に困るな。決して君の電話はイヤじゃないが、嫌われようとしてるってのはあるっちゃあるかもしれ」 

メリー「じゃあ、わたしのことが嫌いなのね」 

男「なぜにそうなる」 

メリー「そうね、わたしばかり嫌い嫌いって嘆いて……ただ、少しえっちなだけなのに、変に怒って……」 

男「おーい」 

メリー「わかった。わたし、すぐは無理だけど、ちょっとずつ大人になるから。あなたのセクハラを真に受けないで、大人の反応をしてみせるから」 

男「おーい」 

メリー「だからお願い。わたしのこと、嫌いにならないで……?」 

男「まず君は落ち着け。もう何がなんだか、本当に何の話だったのか忘れてしまった。そうだ、保留はしないで電話を切ろう、そして今一度会話を全てリセットしてしまおう。オチ切れとか言うな。では」 

   ぶつっ 

メリー「…………どうすれば、好きになってもらえるのかな……」 
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 19:49:29.80 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わ」 

男「メリーたん」 

メリー「…………は?」 

男「冷静に考えりゃ君はメリーさんなどという高貴な存在ではないのだ」 

メリー「な、なに言ってるのよ。ていうか最初の台詞に割りこ」 

男「そう、君はメリーたん」 

メリー「……その『たん』って何?」 

男「メリーたんはただの噂もとい都市伝説から二次元の萌キャラとして降臨してしまったキモヲタの妄想、言わば理想の具現化、即ちキモヲタに犯されたメリーさんの慣れの果てだ」 

メリー「よくわかんないけど、鳥肌が立つくらいすっごく気持ち悪い名称だっていうのはわかったわ」 

男「実際のところ君がメリーさんらしさを発揮した所なぞ一度も見たことがないし、そちらの方が似合っているのでは」 

メリー「何気に正論なのが悔しい……」 

男「よし、次の電話から冒頭の台詞は『わたし、メリーたん。あなたのおうちに突撃らぶはぁと中なの☆』で頼む」 

メリー「…………ちょっと、トイレ」 

   ぶつっ 

男「嫌悪感を催した様だな、計画通り」 
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 19:54:26.16 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし、メリーs」 

男「カット。前回の言葉を覚えていないとは言わせないぞ。君はメリーさんではなくメリーt」 

メリー「ああもう!イヤ、絶対にイヤ!あんな吐き気のする言葉を使うくらいなら死んだ方がマシよ!」 

男「本当は?」 

メリー「……死ぬって言うのはちょっと、言い過ぎたかも」 

男「ではワンモアだ」 

メリー「それでもイヤ!」 

男「なら仕方ない、これから一切君の電話だけ取らないことにするが」 

メリー「そ……それもイヤ」 

男「じゃあどうする?」 

メリー「……い、一回だけなんだから」 

男「おお」 

メリー「わたし、メリー……たん。あな、あなたの、おうち……に、とっ、突撃、ら、らぶ…………こんなもん言えるわけ無いでしょッ!!」 

   ぶつっ ぴー 

男「ま、録音は済ませたけどな」 
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 19:59:24.53 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし、ふあ……めりぃ……」 

男「君もいい加減に学習しろ。いくらメリーさんと言えども深夜帯の電話は迷惑でしかないんだ」 

メリー「わかってる……わたしだって寝てたもの」 

男「まさか電話をするためだけにわざわざ起きたなんてことはないだろう。はは、皆まで言ってやるな」 

メリー「……そう、おやすみって言うの忘れてたから……起きて電話したの……」 

男「僕はいつ、君に対して、そんな恋人同士がやるようなことを求めたのかね」 

メリー「あなたの意見なんて聞いてない……」 

男「素直な返答をどうも。その声を聴いてる限りじゃ相当眠たそうなんだろうが、よく起きてまでやろうと思ったものだ、悪い方に感心する」 

メリー「…………すきだから……」 

男「好き?何がだ」 

メリー「ふわぁ……んぅ……」 

男「こりゃ頭回ってないな。しかし相変わらずメリーさんのメの字も働かない娘だ、こんなんでいいのか自称都市伝説」 

メリー「……おやすみぃ……」 

男「つーか人を起こすだけ起こしといて自分は少しはだけた寝間着姿でぬいぐるみを胸に抱きつつ指を銜えて無防備に夢心地かこのメリ公。でも君らしからぬ可愛らしいあくびを聴けたので許す。おやすみ」 

   ぶつっ 
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:04:21.35 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし、メリーさんとして責務を果たしたこと無いかも」 

男「何を今更。つーか殺しに来る気がないだろ」 

メリー「こ、殺しなんてしたくないもの。こうやって、電話をかけて怖がらせれば充分かなぁって」 

男「僕の恐怖度を数値で表すならば、マイナス120度はいってるな」 

メリー「どうすれば怖がってくれるの?」 

男「Who are you?」 

メリー「あ……あいきゃんのっとすぴーくいんぐりっしゅ」 

男「君は一体誰なのか今一度考えてみたまえ、さすれば道は開かれん。という意味です」 

メリー「わたしはメリーさん……って、自信を持って言えないから……わかんない」 

男「結局はただの普通の女の子に過ぎないわけだ、だから怖くも何ともない」 

メリー「言ったわね、もう本気出すわ。今ここで、震え上がらせてやるんだから!」 

男「ほう」 

メリー「…………が、がおー!」 

男「……うっ」 

   ぴゅ ぶつっ 
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:09:28.20 ID:Ig2wW4WoO
メリー「……あの、大丈夫?」 

男「君のせいでここ数日間か寝込んだ、慰謝料を払うべきだ」 

メリー「そ、そんなに怖かったの?別に言うほど怖がらせるつもりじゃなかったのに……」 

男「いや、してやられた。ちょっと僕以外の人に電話してあの言葉を言ってみろ、一発で昇天ルート確定だぞ」 

メリー「言葉っていうか、ライオンの真似だったんだけど。少しでも怖がらせようとと思って」 

男「なるほど、あれはライオンだったのか。そりゃ怖い、聴いた瞬間に出してしまったからな」 

メリー「出す?」 

男「くそ、僕としたことがあんな狙いすぎの媚びた萌えアクションに心を射止められてしまうとは。やるな、メリーさん」 

メリー「……本当に怖かったの?なんか馬鹿にしてない?」 

男「してない。むしろ今日から君を神と崇めてもいいほどだ。むしろ嫁だ。むしろ若奥様だ。結婚してくれ」 

メリー「けっ……なな、ななななに言ってんのよっ!?」 

男「いいじゃないか、君が人間だろうが幽霊だろうが怪物だろうがお構いなしに愛すると決めたぞ、僕は」 

メリー「……今日のあなたはいつもより気持ち悪いし、正直、嬉しくないわ。さよなら」 

男「ああ、ちょっと待ってメリィたん!」 

   ぶつっ 
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:14:35.04 ID:Ig2wW4WoO
メリー「少しは落ち着いた?」 

男「落ち着く?あーそういう意味か、確かに落ち着いた。すまん、前回の僕が迷惑をかけたな」 

メリー「別にいいけど……あ、ひとつだけ聞いてもいい?」 

男「僕のスリーサイズか、いいだろう、聞いて驚け。上から、」 

メリー「き、聞いてないからそんなこと!言わなくていい!」 

男「しょんぼりする僕であった」 

メリー「……前回、け、結婚してくれって言ったじゃない。あれは、本当っていうか、その、本気なの……?」 

男「そりゃ嘘だ。君だってわかってただろ、あの時の僕はおかしかったってことくらい」 

メリー「そう……ね」 

男「そもそも君と僕の間には物理的な壁は疎か、法的な壁もあってだな。言い換えてみれば人間と都市伝説、もとい大人と子供じゃ成立しないんだよ」 

メリー「……子供じゃないもの」 

男「声も胸も性格も幼さを感じさせる君のどこらへんが子供じゃないって?」 

メリー「うるさいっ!」 

   ぶつっ 
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:19:17.04 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし、今とってもレトロな気分なの。どうしてか当ててみて」 

男「偶然、いや必然だろうな。かくいう僕もレトロチックでね」 

メリー「え、もしかして同じことしてたりする?」 

男「この電話を受信する前の僕は暇つぶしにロック○ンをやっていたが」 

メリー「あっ、奇遇!わたしも○ックマンやってるの!」 

男「マジか、しかも現在進行形とな。てかメリーさんがゲームを持ってたという衝撃に僕は震えた」 

メリー「○ン・○ホーテでぷれすて?っていう機械が安価で置いてあったから、その近くにあったロ○クマンと一緒に買っちゃった」 

男「プレステだと?……ちなみにそのロックマ○のナンバーはいくつだ?」 

メリー「ナンバー?ロッ○マン8 めたるひーろーず……?」 

男「……君には一生理解できないものだろう。久しぶりに引っ張り出したファミコンの重量感に懐かしみ、端子の縁が黄ばんでしまったカセット(○ッ○マン2 Dr.○イリーの謎)にどこか物悲しさを感じるその心を」 

メリー「えっ……?」 

男「ゲームだけに限らず、レトロとはそういうものだ。出直してきたまえ」 

メリー「だ、だって、ぷれすてって結構昔の物じゃ……」 

男「もうよい、そなたとは話にならぬ」 

   ぶつっ 
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:24:39.25 ID:Ig2wW4WoO
メリー「あ、あの……もしもし」 

男「む、そなたか」 

メリー「ふぁ、ふぁみこんっていうの、買ってきたわ。これがあればレトr」 

男「だから貴様は阿呆なのだッ!!」 

メリー「ひっ」 

男「よいかメリー、レトロの心は人が作りし古き物を見て、ただひたすらにこれは良い物だと感じる心ではない」 

メリー「……は、はぁ」 

男「古き物が時代を生き、尚風化すれど我此処に在りきとでも言いたげな様に胸が熱くなる、その心の有り様こそレトロなのだ」 

メリー「ねえ……キャラが変わっ」 

男「メリーよ!数多の蠅の音にも揺るがぬ無の心で聞けい!」 

メリー「はいっ!?」 

男「ゆとり乙」 

メリー「……は?」 

男「以上」 

   ぶつっ 
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:29:40.72 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし、め、メリー、さん」 

男「そんなびくびくして、何に怯えてるんだ」 

メリー「あ……戻ったのね。それで例の○ックマ○、難しかったけどクリアしたわ、凄いでしょ?」 

男「……自分で言ってて悲しくならないか」 

メリー「……どうして?」 

男「僕が仕事をしている時、君は家でのうのうとポテチでも食いながらゲームをしていた訳だ」 

メリー「あ、あなただってちょっと前まではやってたじゃない!」 

男「僕のあれは暇つぶし、君のそれはニートという。しかも僕の場合は君のようにちんたらしてる訳でもなく、さくっとクリア出来るからな」 

メリー「な……なによ、なによ!別にいいじゃない!はじめてやって、はじめてクリアしたんだもん!す、少しくらい…………褒めてくれたって」 

男「何だ、褒めてほしかったのか」 

メリー「……もういいわ、今更褒められても遅いんだから」 

男「……よくクリア出来たな、偉いぞ。今度、僕の膝の上にでも乗って一緒にやってみるか?」 

メリー「っ……ぅー……」 

男「いや、子供扱いしちゃいけないんだっけか。すまn」 

   ぶつっ 
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:34:27.41 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし、メリー、くちゅんっ」 

男「どうした、風邪か」 

メリー「たぶん、ただのくしゃみよ。お風呂から出たばかりだから」 

男「そうか。ところで僕も風呂に入ってたんだが」 

メリー「え、今?」 

男「電話を取る前にな。今はバスタオル一枚でいる」 

メリー「あ、そ、そうなの、ごめんなさい。じゃあ切r」 

男「待て、確か風呂から出たばかりだと言ったな」 

メリー「……うん」 

男「そして開口一番くしゃみをした。つまり、君は、」 

メリー「……残念だけど、服は着てるわ」 

男「くそっ、お互いにタオル一枚だったらとてつもないロマンを感じるのに……寒いので切ります」 

   ぶつっ 

メリー「……っていうのは嘘で、実はあなたと同じだったり……」 
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:39:40.77 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし、もぐもぐ、メリーさん」 

男「なんか咀嚼してる音が聴こえるんだが」 

メリー「ごめんなさい。ごくっごくっ、ぷはぁ」 

男「……おい、飯を食いつつ電話か」 

メリー「うん、今まではご飯を食べ終えてから電話してたけど、面倒くさくなっちゃって」 

男「メリーさんがそこまで落ちぶれた奴だとは思わなかった」 

メリー「そんなに酷いことなの?」 

男「完璧なモラルの低下、これはもう手に負えん。絶対に今回の行動で君のアンチが増えたな、断言する」 

メリー「で、でも……」 

男「でもも糞も無い、君のした行いは圧倒的なイメージダウンに繋がる行為だ。覆しようがあるだろうか」 

メリー「ひとりでご飯食べるの、寂しくて……」 

男「よし、一秒後に覆された。今の発言でアンチは大きいお友達に戻ったぞ。そのまま僕とお話しようか」 

メリー「……ううん、悪いことならやめるわ。だけど、食べ終わったら電話してもいい……?」 

男「ああ、いつでも待ってる。なんていい話風にまとめてみたが、いまいちパッとしないのは僕の気のせいか」 

   ぶつっ 
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:45:33.07 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたしはメリーさん!……かどうかは知らないけど、とにかくメリーさんのわたしだから速く出てよ!」 

男「新手の詐欺だな、その名もメリーさん詐欺……なんだ、僕が最初からやられてたことじゃないか」 

メリー「いい!?電話切らないでよ!?いいわね!?」 

男「ずいぶん慌ててる様子の彼女だが、ここは一つ空気を読んで切ってみようか」 

   しーん 

男「放置するならせめて理由を言えよ。全く、メリーさんにあるまじき行為だ。もう切、」 

メリー「きゃあああああああ!!」 

男「WRYYYYYYYY!!」 

メリー「はっ、はあぁ……怖かったぁ」 

男「何やってんだこの野郎、危うく僕の鼓膜がオシャカだぞ」 

メリー「だ、だって、お化けが怖くて」 

男「……お化け?」 

メリー「今テレビでやってる心霊特集、一人じゃ見れなかったから……あなたに電話しておけば少しは気も紛れるかなって思っt」 

男「電話料金の無駄遣いなのでよい子は真似するな」 

   ぶつっ 
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:50:35.02 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし……はぁ、だるぅ」 

男「遂に名乗らなくなったメリーさん、これから彼女は名無しの少女として生きるのだろうか」 

メリー「面倒になっちゃったっていうか……うん、アレよ、今日は休日だし、休日病に掛かっちゃったの、絶対にそう」 

男「毎日がホリデイだろうに」 

メリー「……言い返すのも飽きてきちゃった。なんか面白い話でも聞かせて」 

男「家の掃除をしていたんだが、そちらの方を終えてからじゃダメですか」 

メリー「んー、うん、いいけど、掃除なんてしてたの?」 

男「『なんて』とか言うな。僕が何をしてるかくらい感知出来るって設定だっただろ」 

メリー「だから聞いたんじゃない。電話をする前は、雑誌っぽいものを見てる様子だったから……」 

男「……掃除してて大分昔に買った雑誌とか週刊誌を見つけたらそりゃあ読むだろ、と言い訳してみる」 

メリー「ああ、なんとなくわかるかも。……で、結局掃除はしてないのね」 

男「まあ、掃除というよりかは、その雑誌を見つつ抜いていた、って言やよかったか」 

メリー「ぬく?……あー、言葉の意味はわかんないけど、なんだかオチが読めたわ。説明しなくていいから、じゃあ」 

   ぶつっ 

男「エロ本で、っておい!久しぶりの下ネタだったのにオチで急に冷めるな!」 
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 20:55:39.63 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし、メリーしゃっ……さん」 

男「メリーしゃん?」 

メリー「……」 

男「メリーしゃん」 

メリー「メリー、さん!」 

男「メリーしゃん」 

メリー「……そ、そうやって揚げ足取る人って嫌い」 

男「でも僕は大事な冒頭のセリフで噛んじゃう君が好きだぞ」 

メリー「すっ、ぅ、ああそう。かっ、勝手に言ってればいいじゃない」 

男「メリーしゃんが好きだ」 

メリー「っ……」 

男「メリーしゃん」 

メリー「うう、うるさい!揚げ足取りのあなたになんて好かれたくないわ!大っ嫌いなんだから!」 

   ぶつっ 

男「普通にからかった方が面白いな」 
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 21:00:19.67 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし、そろそろ本気出すから。メリーさんらしく、やってみせるわ!」 

男「喩えるなら、売れないラーメン屋が意味もなく『冷やし中華始めました』とグダるパターンだな、間違いない」 

メリー「はいはい、そうやってバカにしてられるのも今の内ですよーだ」 

男「バカにするも何も今までがそうだっt」 

メリー「とにかく!……まず、あなたの住所を教えて」 

男「断る以外に選択肢があるだろうか、いや、無い」 

メリー「なっ、なんでよ!」 

男「今こそ僕を感知出来る設定を使うべきだろ」 

メリー「それは、たまにビビって来るもので……大体、その設定はあなたがどんな状態かわかるってだけで、場所までは、ちょっと」 

男「つかメリーさんならそんくらい知っとけ」 

メリー「いいから教えなさい!訪れるだけで殺しはしないから!」 

男「教えたくないでござる」 

メリー「……そういう態度を取るなら、上等よ」 

   ぶつっ 

男「……ん?」 
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 21:06:03.21 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたし、本気出したメリーさん。今回は公衆電話から掛けてるの」 

男「外から?意味はわからんが、大変だな」 

メリー「あなたが住所を教えてくれないから仕方なく決断したのよ、旅をするって!」 

男「旅」 

メリー「あなたの家を探す旅!見つけるまで帰らないっていうルール付きで!」 

男「ルール付き」 

メリー「お金はたくさんあるし、外での生活は困らないはずよ」 

男「……ダメだ、馬鹿馬鹿しすぎてツッコメない」 

メリー「わたしだってもう子供じゃないもの、やる時はやるんだからね」 

男「『はじめてのおつかい』に出てるお母さん方の気持ちがわかってしまった今日この頃」 

メリー「……子供じゃないって、」 

男「わかってる。せいぜいがんばりたまえよ、僕は止めないぞ」 

メリー「ぅ……あっ、待って、十円が足りないって、十円入れなくちゃ。お財布、あれ、お財布どこに、」 

   ぶつっ 

男「本当に大丈夫かよ」 
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 21:11:13.97 ID:Ig2wW4WoO
メリー「……」 

男「ん、君か?そういや旅の最中だっけ。とりあえずおはよう」 

メリー「……昨日、公園で寝たの」 

男「まぁ、旅をするなら寝床の確保は必要だな」 

メリー「……うとうとしてる時に変なおじさんが通りかかって『元の所に帰りなさい』って言われてアメくれたの」 

男「……」 

メリー「……梅干し味だったの」 

男「一つ言っていいか」 

メリー「……ん」 

男「僕、これから仕事なんだ」 

メリー「もっと心配しなさいよ!ていうか、こんな幼気な少女があなたのために旅に出てるんだから、悲しさのあまり堪えきれなくなって住所を教えてくれてもいいでしょ!」 

男「なんだ、元気じゃないか。よかったよかった」 

メリー「よくない!わたしがどれだけ辛くて寂しくて恥ずかしい思いを」 

男「そんじゃ、行ってくる」 

   ぶつっ 
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 21:16:19.30 ID:Ig2wW4WoO
メリー「おかえりなさい」 

男「おお、丁度いいな、たった今帰ってきたところなんだ。感知でもしたのか」 

メリー「それより聞いて。わたしね、今日一日ずっと、ずぅっと悩んでたの」 

男「ああ」 

メリー「樹海って所に行こうかなって」 

男「おいシャレにならん、マジでやめろ。まだ三日も経ってないのにどうしたんだ」 

メリー「……家に戻ったところでお母さんもお父さんもいないし、そもそも記憶がないし……お金はいっぱいあるけど」 

男「……」 

メリー「それに、もうここがどこだかわからないし、まともな食事もしてないし……」 

男「近くの電柱でも見てそこの住所言え」 

メリー「え……ここ、○○市、○○丁目……」 

男「電話切るけど、そっから動くんじゃないぞ」 

メリー「……?」 

   ぶつっ 
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 21:21:58.35 ID:Ig2wW4WoO
メリー「……もしもし」 

男「さて、質問しよう。君は今、どこにいる?」 

メリー「あなたの……実家」 

男「どうしてそんなところにいる?」 

メリー「さっきの電話が切れて、ずっと待ってたら、車が来て、女の人に連れられて、ここに入れてくれた」 

男「その女の人は誰なんだ?」 

メリー「……あなたのお母さん、って言ってた」 

男「ああ、僕のお袋だ。なんでお袋が君を連れてったかは、既にそっちで話されてるだろ」 

メリー「…………ぐすっ」 

男「そう、僕が至急お袋に電話して、公衆電話の前に立ってる訳あり家出少女を家に入れてやってくれとお願いした訳だ。偶然近くで良かったな」 

メリー「な……っで、あなた、が……っく、来ない……のよ……」 

男「そりゃあアレだ、僕が行ったら……児ポ法とかアグネスとかが厳しいから、無理なんだよ」 

メリー「ばかぁ……っ」 

男「ありがとうくらい素直に言えんのか。ま、今日はゆっくり休んでまた明日話せばいい。じゃ、おやすみ」 

   ぶつっ 
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/12(木) 21:27:17.50 ID:Ig2wW4WoO
メリー「わたしよ、わたし。おはよう」 

男「昨日はいい夢見れたか?」 

メリー「あなたのお母さんに頭を撫でられて……気持ち良く眠れ
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