えちえち体験談

むかしのはなし。#3

2018/06/24 21:24カテゴリ : ジャンル未設定

 むかしのはなし。#3 
日時: 2007/07/28 00:26 名前: E_jan 

#3立てさせて頂きました。
よろしくお願いいたします。
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 Re: むかしのはなし。#3 ( No.1 ) 
日時: 2007/07/28 13:10名前: E_jan

その36

「ったく、いろいろびっくりさせるよなぁ、江口は……」
「ほんっっっっと。入院だってだけで大騒ぎだったのに……」
一般病室に移ってすぐ、佐川と日高が連れだって見舞いに来てくれた。
ふたりは、ベッドに横たわる俺ではなく、その側にたたずむ瞳ちゃんをマジマジと眺めていた。

俺が入院した日、手術の成功を見届けた後、瞳ちゃんは会社に出向いて辞表を提出した。
その後、佐川、日高、恵利瀬を呼び、3人の前で土下座をした、らしい。
俺の入院は全部自分のせいで、その罪を償うために会社を辞めて、入院中の俺の面倒を見る、と言ったそうだ。

そんな話、今はじめて聞いた。
ちらりと瞳ちゃんを見やると、涼しい顔で手土産の花を花瓶に生けていた。
……何を考えているのかはわからないが、彼女がその場所にいるのを認めさせるには、最高のシチュエーションを作り上げたことだけは間違いない。

辞表を出した上で土下座されて、そんなことを言われたら、誰だって許さざるを得ないだろう。
それに、言わずに置いていることはあるものの、たしかに嘘はついていない。
多少、ニュアンスは変化しているし、どこまでいってもその手法は詐欺師まがいだが、嘘をつかずにあの状況を見事に丸め込んだ、その物言いと演出には、舌を巻く。
この女は、これまでもこんな風に、いろんな状況を丸め込んで生きてきたのだろう。
そして、たぶん、今の俺も丸め込まれたクチなのだろう。

「退院は3週間後ぐらいだって?」
「ああ。2週間ぐらいで抜糸して……そのぐらいだな」
「まあ、安心して寝てろよ。プロジェクトは俺と日高主導で動かしてるから。帰ってきたら、バシバシこき使ってやるから、そのつもりで体力も付けとけよ」
と、佐川が笑う。
「来週から新人ちゃんたちも入ってくるし。えぐっちゃんの居場所、なくなってるかもよ〜」
日高が八重歯きらめかせながら、嫌なことを言う。

「しっかし、瞳ちゃん、ホントに世話女房気取りだね」
着替えを畳んでいた瞳ちゃんに、日高が棘のある言葉を投げつける。
今となっては誰よりも瞳ちゃんを軽蔑している日高らしい台詞だ。
瞳ちゃんが「俺の側にいる」という役割を認めさせたとはいえ、すべてを丸く収めるには、まだまだ時間が必要なのだ。

「まあ、そういうな。……実際のところ、ずいぶんと世話になってるんだ。入院してから」
そういって日高をなだめた。
これも、嘘偽りのない言葉だ。
本当に瞳ちゃんはよく面倒を見てくれている。
それは、今のような台詞を俺に言わせるためかもしれないが、事実は事実だ。
本当に、瞳ちゃんが居てくれるおかげで助かっているのだ。

「やっぱり日高にはそうとう嫌われてるなぁ……」
ふたりが帰ったあと、瞳ちゃんはぼーっと窓の外を眺めながら、ぽつりと言った。
「しょうがないですよ。たとえ本気で悔い改めたとしても、過去は過去だ。誰もが許してくれるわけじゃない。……世間は甘くない、ですよね?」
「ふん、偉そうに。あんたはそうやって寝転がってるだけじゃない。私は自分のケツを拭いてるだけよ。あんたも動けるようになったら、自分の尻ぬぐいは自分でやりなさいよ。……甘くないぞ、世間は」
そう言われて、ぐっと言葉に詰まる。
まさしくそのとおりだ。

瞳ちゃんの舌鋒には、いつもかなわない。
たがだか3歳しか違わないというのに、経験の豊富さでは、数段上を行かれている。
それに、たった3日だが、それなりの時間を共にしてみて強く感じたが、瞳ちゃんは……わかりやすく言えば、極度のツンデレだ。
言葉はキツいが、その裏には、なんらかの導きが隠されている場合が多い。
どんな偏屈な人生を歩んできたら、こんな性格になるのだろう……。

「じゃあ、今日はこれで帰るわ。また明日」
そういって、俺に顔を近づけると、軽く、唇を重ねた。

にこっと笑うと、やはり、とてつもなく可愛い。
その笑みと香水の香りを残したまま、瞳ちゃんは病室を出て行った。

あの女は、男心の掴み方を、熟知していやがる。

  
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.2 ) 
日時: 2007/07/28 01:05名前: 名無しのゴンベエ

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!! 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.3 ) 
日時: 2007/07/28 01:28名前: バラバラ

更新お疲れ様でした。
ツンデレですか、それはこの板にもあいそうなお話で。(笑)
瞳ちゃんの二面性がかなり出てきているようですね。
まじめに今後の展開が読めません。 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.4 ) 
日時: 2007/07/28 02:47名前: ドイツ人

E_janさん、更新お疲れ様です。今回もE_jan節を堪能させてもらいました。

それにしても、瞳ちゃんの印象が、ずいぶんと変わってきました。
別の人を描いている、っていう訳じゃなくて、同じ人なんだけど、
当てる光の角度を変えると、こんな風に見えるんだな、って感じでしょうか。

瞳ちゃん、実在するなら、どんな人なのかとても興味があります。
笑うと、「とてつもなく可愛い」らしいですが、トゲもあって経験も豊富で・・・
(タレントで言うなら、杉本彩?ちょっとベタ過ぎ??それとも、篠原涼子?) 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.5 ) 
日時: 2007/07/28 08:37名前: 名前はまだ無い

ドイツ人さんの >当てる光の角度を変えると という例え、これはなかなか言いえて妙だと思います。
ドイツ人さんの人生の歩み方にも興味が出てきました。

E_janさん、今後の展開がまったく読めません。
この次も期待! 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.6 ) 
日時: 2007/07/28 13:55名前: E_jan

コメントありがとうございます。

>パラパラさん
度の過ぎたツンデレですがw

>ドイツ人さん
E_jan節、ワロタ。
でも、そう言ってもらえるのはすごく光栄なことだと思っています。
ありがとうございます!
あと、瞳ちゃん、恐ろしいことに実在するんですよ。もちろん作中では多少ならず、誇張してますが。

>名前はまだ無いさん
この先も、もうちょっと、なんだかわけのわからない流れが続きます。
ご期待にそえるといいのですが……。
その37

だいぶ動けるようになってきた。
抜糸はまだ先だが、かなり回復してきているのが実感できる。
そろそろ退院を意識するようになったころ、ふみちゃんが、見舞いにやって来た。
佐川から入院先を聞いたそうだ。

ずいぶんと長くなった髪に、白いフェミニンなノースリーブのワンピースがとてもよく似合っている。
麦わら帽子をかぶせれば、ステレオタイプのカントリー系美少女が完成するだろう。
ただし、清楚なイメージを醸し出すには、ちょっと胸が大きすぎるかもしれない。
前から巨乳だとは思っていたが、こういう格好をすると、それがよりはっきりとわかる。
だが、間近でそれを見ても、以前のような強い欲望を、不思議なぐらい感じなかった。

「江口さん……大丈夫ですか。すごく……痩せちゃって……」
痩せてしまった俺を見て、かなりショックを受けたようだ。
俺は、どちらかといえば肉付きのいい方だったから、体重が15キロちかく落ちて、ずいぶん貧相になっていたのだろう。
「ああ、胃の手術したから、物食えなくてさ。でも、もう大丈夫だよ」
「そうですか、よかった。すごく心配してたんですよ、私……」
「ごめんな、心配掛けて。……それと、コンサート。すまなかった」
俺は、兄が妹に接するような、そんな心地でふみちゃんと話していた。
俺には妹は居ないので、実際の妹にどんな気持ちで接するのはわからないが、とにかく、不思議なぐらいおだやかな気持ちだった。

「いいんですよ。事情が事情だし。それに……コンサートはまた行けますから」
俺の手を握りしめ、目に星が浮かぶような表情で、そう言うふみちゃん。
俺は、態度をはっきりさせなければならないだろう。

「ごめんね、ふみちゃん。俺は、君の気持ちには応えられない。だから、コンサートには一緒に行けないよ」
「……そうですよね」
ふみちゃんは、ふっと視線を逸らした。
「約束の日、佐川さんがいらして、江口さんは病気で来れないって言っているの聞いたとき、『ああ、振られたんだ』と思いました。その前日のやりとりで、もうダメだろうなあ、って思ってましたから……」
俺好みの大きな瞳に涙を溜め、細い肩を振るわせながら、そう言った。

「ごめんね」
それしか言えない。
「いいんです。こちらこそご迷惑お掛けして……」
ふと、言葉が途切れた。
病室の入り口を見ると、そこには瞳ちゃんがいた。

「こんにちわ」
『先制攻撃』は瞳ちゃんからだった。
いや、ただの挨拶なのだが、にっこりと笑顔を作って言い放った、その時の「こんにちわ」は、俺には攻撃のようにしか思えなかった。

戸惑いながら、俺と瞳ちゃんを交互に見る、ふみちゃん。
ふと、表情を引き締めると、瞳ちゃんに向き直り、お邪魔しています、と、頭を下げた。
かつて感じた「危険な臭い」が、ふみちゃんから立ち上っているのを感じる。

瞳ちゃんとふみちゃん。
水と油、というよりも、酸性とアルカリ性だ。
洗浄剤などに書かれている「混ぜるな、危険」という注意書きが俺の脳裏を過ぎった。

 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.7 ) 
日時: 2007/07/28 15:31名前: バラバラ

>度を過ぎたツンデレw
これはには大笑いですね。

ふみちゃん再登場!といいたいところですがこうなってしまってはふみちゃんを振るしかないですよね、残念ですが。
ふみちゃんとはいい感じになりかけたのになぁ…。
しかし、ラストの「酸性とアルカリ性」には笑わせていただきました。
入院中でも修羅場の大予感?(笑) 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.8 ) 
日時: 2007/07/28 19:53名前: 名無しのゴンベエ

「酸性とアルカリ性」を混ぜたら中和しちゃうぞww 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.9 ) 
日時: 2007/07/28 20:49名前: E_jan

>No8名無しさん
わっはは。そのとおりでww
その38

「ええと……。こちらはふみちゃん。よく行くバーで仲良くなった娘で……」
「三浦芙美代です、はじめまして」
俺の紹介を受け、ふみちゃんが自己紹介をする。
その緊張感がこちらにまで伝わってくる。

「ふうん。ふみちゃんはふみくんの彼女さん?」
一方、瞳ちゃんの方は余裕綽々だ。
俺は「ふみあき」なので、ときどき顔を出す姉が「ふみくん」と呼ぶことがあるが、瞳ちゃんがそんな呼び方をしたのは初めてだ。
それに、俺に瞳ちゃん以外に女がいないことなど、充分承知しているだろうし、先ほどの会話を聞いていたはずなのに、なんとも嫌味な言い方をする。

「あ、彼女じゃないです。その、……呑み友達です」
可哀相に、ふみちゃんは目を伏せてしまった。
「そっか、よかった。ふみくん、二股掛けてるのかと思った〜」
必要以上にニコニコしながら、瞳ちゃんが言う。
ふみちゃんは完全に固まってしまっている。
これは、さすがに見ていられない。

「ちょっと、瞳ちゃん」
「なあに?」
棘のある声で返事が返ってきた。
その表情にもダークサイド瞳ちゃんのソレが浮かびつつある。
「飲み物、買ってきてくれ。喉かわいた」
俺はぶっきらぼうに言った。
すでに、ダークサイドな瞳ちゃんも、怖いとは思わない。

「あ、私が買ってきます!」
この場に一番痛くないであろうふみちゃんが、声を挙げた。
「いや、ふみちゃんとはまだ話があるから。瞳、ちょっと席外せよ」
強い口調で言うと、瞳ちゃんは、ふと寂しげな表情をつくり、うん、といって部屋を出て行った。

ざわざわと、病室が騒がしい。
なにしろ6人部屋だ。カーテンで仕切られているとはいえ、今の会話は筒抜けだろう。
退屈な入院生活に、ちょうどいい話題が降ってわいた、と、他の患者さんたちは思っただろう。
「……ちょっと、出よう。」
そう言って、俺はベッドからはい出した。
病室の入り口に一番近いベッドだったため、ふみちゃんを好奇の目に触れさせずに済んだことは、不幸中の幸いだった。

小さな中庭へとふたりで歩いた。
「動いて大丈夫なんですか?」
心配そうな顔のふみちゃん。
「ああ、もうほとんど大丈夫」
まだ、ちょこっと手術跡が気になるものの、もう痛みは感じない。

「今の女の人……江口さんの彼女なんですか?」
意を決したように、ふみちゃんが聞いた。
「……押しかけ女房みたいなもんだけど……彼女といえば、彼女だ」
「かわいいひと、ですね」
見た目だけはね、と言いたいところ我慢し、無言で頷いた。

「そっか。あんなにかわいくて若いコが相手じゃ、私に勝ち目はないですよね」
「瞳ちゃん27歳だけど……」
「うそぉ!」
ふみちゃんは心底驚いていた。
瞳ちゃんの若作りには同性も惑わされるらしい。
それはそれで悩みのひとつだ。
姉にも、同じ病室の人たちからも「高校生はやめておけ」、「犯罪だぞ」などと、言われたことがある。
俺だって初めて逢ったときは、バイトの女子高生かなにかだと思ったものだ。

「それ聞いて、なんか、ますます落ち込んできました」
ふみちゃんは、ため息をつく。
「本当に、ごめん」
それぐらいしか、言う言葉が思いつかなかった。

「あの人が、失恋したっていうひとなんですか?」
「いや、違う」
「え? じゃあ、もしかして、私が告白したあとにあの人と付き合ったって……そういうことですか?」
眼鏡の奥の瞳が震えている。
たとえ、ふみちゃんを傷つけることになっても、嘘やごまかしで答える気は起きなかった。

「……説明は難しいが、そういうことだ」
「そうですか……」
ついに、ふみちゃんは泣き出した。
胃ではなく、胸が痛い。
ふみちゃんと付き合う気がないのであれば、あのとき、ちゃんと断っておくべきだった。
それをほったらかして、瞳ちゃんとデキてしまう自分の愚かさが、恨めしい。
所詮、俺はその程度の馬鹿だ。

ちゃんとしなければならない、と、思った。
もっと、人として、男として、まっとうにならなければいけないと思った。
ふみちゃんには、心から申し訳ないと思っている。
色恋沙汰で女性を泣かすのは、ふみちゃんで最後にしたい。

俺は、俺のため、そして瞳ちゃんのためを思い……気が付けば、ふみちゃんに向かって、土下座していた。
「ごめんなさい」
許してくれ、とは言わない。許されなくて当然だ。
許してくれなくてもいい。
ただ、謝らずにはいられなかった。
なにも持たない、中身が空っぽの若造ができることなど、謝ることしかなかったのだ。

「顔、上げてください……」
そういって、ふみちゃんは、俺の前にしゃがみ込んだ。
こわごわと顔を上げると、ふみちゃんは笑っていた。
「私が、一方的に惚れただけですから」
そういって、頬に軽いキスをしてくれた。

「さようなら」
消えそうな声でそういうと、ふみちゃんは足早に去っていった。
俺は、立ち上がることができないまま、その場に蹲り続けていた。

「ありえねえなあ……」
ふと、気が付くと、俺の脇には田上さんと瞳ちゃんが立っていた。
「ほれ、立て。その体勢、どう考えても腹の傷に悪いぞ」
そういって、田上さんが腕を引いて立ち上がらせてくれた。
「見舞いに来たら修羅場かよ。ホント、お前は大物だなぁ」
愉快そうに笑う田上さん。

「しかし、どう考えても、あの娘を選ぶべきじゃねえの? どこがいいんだ、こんな怖い女」
そういって、瞳ちゃんを見ながら笑う田上さん。
田上さんの言う通りかもしれない。

「私もそう思うわ。今すぐ追いかければ間に合うんじゃない?」
瞳ちゃんは無表情のまま、言った。
俺は、ふみちゃんの去った方をちらりと見てから、瞳ちゃんに向き直る。
「もう、選んじゃったから、さ」

「はっはっは、馬鹿だなあお前」
愉快そうに笑う田上さん。
「ほんと、やっぱり大馬鹿ね」
瞳ちゃんは、懸命に無表情を維持しながら、それでも笑っていた。
そして、
「……ありがとう」
と、小さな声で付け加えた。

そのひと言が、とてつもなく嬉しかった。
泣き出したいくらいに嬉しかった。
それだけに、俺は強がって見せた。
「ただ、自分のケツ、拭いただけですよ」

俺の作った無表情は、ちゃんと無表情だっただろうか?
 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.10 ) 
日時: 2007/07/28 21:27名前: バラバラ

まぁまぁ、女泣かせですなぁ。
やっぱり私はふみちゃんを選んじゃいますねぇ。(笑)
でもこれで名実ともに瞳ちゃんを恋人にしてしまったということで…。
その後のた〜さんと瞳ちゃんの対処が大人ですねぇ。 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.11 ) 
日時: 2007/07/28 23:19名前: 名無しのゴンベエ

ふみちゃんハァハァ・・・ 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.12 ) 
日時: 2007/07/29 00:08名前: ドイツ人

E_janさん、毎度です。更新お疲れ様です。
「もう、選んじゃったから、さ」

・・・くぅ〜〜〜っ、かっくいいなぁ・・・。

E_jan節、すこぉ〜しキザが入ってると思いますが、
ぜんぜんイヤミじゃないんですよね、不思議と。
それに、読後感がいいので、もっともっと読みたくなるのです。
(ま、キャバ嬢も忘れていないのですが、とりあえずこのお話、大応援です) 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.13 ) 
日時: 2007/07/29 08:18名前: 名無しのゴンベエ

つらいなふみちゃん・・・・
そしてそれを本人に告げるE_janさんもつらいな。
でもすごく男らしい。
私にこんな対応できるだろうか?

絶対無理だ!
ふみちゃんを選んじゃうだろうな。

ますます展開が読めなくなってきた今後に期待! 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.14 ) 
日時: 2007/07/29 08:21名前: 名前はまだ無い

↑あぁぁぁぁ・・・
「名前はまだ無い」が書き込みました。
ふみちゃん、ごめん いや違ったE_janさんごめんだった。
 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.15 ) 
日時: 2007/07/29 18:24名前: プリン

世の中は三日見ぬ間のサクラかな・・・。

数日間、目を離している間に予想外の展開ヽ(*'0'*)ツ

でもスゴイことになってますよね。

でもって今後の展開が読めなくなってます。
ま、始めから読めてなかったってのがほんとのところ(^_^;) 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.16 ) 
日時: 2007/07/30 00:00名前: E_jan

コメントありがとうございます。
土日ぐらいしか余裕がないので、時間のあるときに頑張って更新していきます。

>バラバラさん
>名前はまだ無いさん
ふみちゃんの再登場にご期待下さいw

>ドイツ人さん
ドイツ人さんのコメントにも、ドイツ人節、感じますよw

>プリンさん
若気の至り、というか、主人公の軸がブレまくってる頃の話なので……。

というか、みなさんはどんな展開を予想されている(いた)のかなぁ。気になります。
その39

その看護婦は、とてもいい女だった。
明るく朗らかで、てきぱきしていて、頭もいい。
ショートカットがとてもよく似合う、健康的かつ知的な美人だ。
まだ新人だそうだが、それを感じさせない有能さを身に纏っている。
彼女には、俺よりも瞳ちゃんの方が入れ込んでいた。

「高木さん、いいわ。すっごくいい」
「ふうん……レズの血騒ぎまくり、すか?」
「ええ。抱きたいタイプだわ。あの細い腰、胸もやわらかそう♪」
「たしかにスタイルも抜群すからね、彼女」
「ああいうタイプはきっとよく濡れるわよ。間違いない」
「そんなもんすか?」
「そんなもんよ。頭のいい女はよく濡れるの。言葉責めとか、きっと好きよ」
「あはは、すげえ妄想っすね」
「単なる妄想じゃないわよ。経験から推測してるの!」

土曜の午後、中庭の片隅にある喫煙所のベンチで、瞳ちゃんと交わす中学生レベルの猥談。
その生け贄になっているのは、俺のいる病室を担当していくれている看護婦(当時は看護師なんていう色気のない呼称ではなかった)の高木絵里さんだ。

「……恵利瀬とどっちが好みで?」
アホな質問をしてみると、瞳ちゃんは真剣に困った顔をするから面白い。
「似てるのよね、高山さんと高木さん。どっちもいいけど、選ぶなら高木さんだわね」
「へえ、決め手は?」
「だって、いまさら高山さんは無理でしょ?」
「そういう理由かよ……」

格好いい系の恵利瀬と可愛い系の高木さん。外見的には、あまり共通点はない。
しかし、性格など、人としてのタイプは、たしかに恵利瀬によく似ているように思う。
どちらも仕事のできるいい女だ。
名前も高山恵利瀬と高木絵里と、ちょっと似ているな。

「あなたも好きなタイプじゃないの?」
意地悪そうな顔で、瞳ちゃんが聞く。
「そうですねぇ……確かに好みのタイプすね」
見た目はもちろんのこと、凛とした表情のなかに、優しさを併せ持った高木さんは、たしかに俺の好みに合致する。

「じゃあ、さ。今度ふたりして高木さん襲っちゃわない?」
「……瞳ちゃん、あんたって人は……」
「はっはっは。冗談よ、冗談」
ダークサイドを知っていると、少しも冗談に聞こえないから困る。
というか、絶対本気だ。

「あのね瞳ちゃん、相手が女性でも浮気は浮気ですからね。浮気は許しませんよ」
とりあえず釘を刺しておいたのは、浮気が嫌だからではなく、高木さんに迷惑を掛けないように、と思ってのことだ。
「あらまあ、器のちっさい男だね、まったく」
そういって、ため息を付く瞳ちゃん。
……やっぱり本気じゃねえかよ。

「男は一生あんたひとりでもいいけど、女の子はね、ちょっと我慢するのつらいなあ……」
煙草に火を付けながら、瞳ちゃんがボヤいた。
「一生って……。今、さらりとすごいこと言いませんでした?」
「あ?」
「……なんでもないっす」

ふと、ベンチから立ち上がって、背を向ける瞳ちゃん。
ちらっと見える耳が真っ赤だ。
自分の失言に気が付いたのだろう。
「あはは、赤くなって。可愛いっすね、瞳ちゃん」
俺は、わざわざ指摘してやった。

「うるさいわね。……ところで、話変わるけど、その変な口調、もうやめない?」
「はあ」
都合が悪くなると、いつもこうだ。話を変えて攻撃に回る。
「ナントカっす、っていうの、全然敬語じゃないから。敬語でいきたいなら、徹底的に正しい敬語で話して。それができないなら、もっと普通にしてて」
「うーん、敬語のつもりないし、これが一番楽な話し方なんすけどね……」
「だめ。イケてなさすぎ。使えない若造丸出し。言葉は重要よ」

まあ、たしかに言うとおりではある。
「了解。んじゃ、もっとフレンドリーにやるわ」
「まあ、話し方ぐらいじゃ、駄目さ加減はあんまり変わらないけど、ね」
瞳ちゃんの物言いの方が、毒が強すぎて問題有りだと思うのだが。

「あなたは私になんか要望ある?」
ふっと、真顔になって、瞳ちゃんが言った。
お、来たな、と思った。

瞳ちゃんは、ときどき、フイに「彼女モード」に入ることがある。
直前まで「上司モード」だったり「ダークサイド・モード」だったりするのが、急に、だ。
先日も、俺の洗濯物を鞄に詰めながら、Tシャツの柄がセンス悪いだの、汗くさすぎるだの、毒舌を吐いていたかと思えば、急に「今日の服、似合ってるかな?」とか、切なそうな眼で乙女ちっくなことを問いかけて来る。

普段、あれだけ俺をいじめるクセに、ときどき「俺に嫌われたくない」オーラを全開にすることがあるのだ。
それはそれで可愛らしくていいのだが、そのスイッチがどのあたりにあるのか、未だにつかめていないため、俺としては戸惑ってしまうことが多い。
今回も、急に言われて、なにも思いつけずにいる。

「要望かぁ……急に言われてもなぁ……」
「あいかわらず優柔不断な男だなぁ……。そのへんしっかり主張できるようになんないと、将来割食う役回りばっかりになるよ」
「はぁ、仰るとおりで……」
「しっかりしてよね、まったく!」
口調は怒っているが、表情はとても穏やかだ。

言うべき事はキッチリと言わないと気が済まない瞳ちゃん。
それでいて、最低限の気配りもできてしまう。
ダークサイド全開でない状態の瞳ちゃんは、たしかに頼もしい。
デキる社員として、一目置かれていたのも頷ける。

「あらあら。噂をすればナントカね」
ふと、瞳ちゃんは俺の背後に視線を投げ、そういった。
振り返ると、恵利瀬がいた。

「ご無沙汰です、先輩」
恵利瀬は俺を無視して、まずは瞳ちゃんに挨拶した。
「どう? 宣伝営業部は慣れた?」
「まだ、右も左もわからない状態ですね」
「そっか、頑張ってね」
ニコリと笑って恵利瀬の肩をぽんぽんと叩く。
「まあ、積もる話もあるでしょうから、おねーさんは退散させていただきますよ」
そういって、煙草をもみ消した。
「どうぞごゆっくり〜♪」
俺たちを残して、飄々と立ち去る瞳ちゃん。
ふみちゃんの時と同じ轍を踏まないところあたり、さすがの処世術だ。

「よくここにいるってわかったね」
「ああ。同室の患者さんたちが教えてくれたわ。『あのふたりはいつも喫煙所にいる』って」
「……なるほどなぁ」
それ以外の面倒くさい噂話も聞かされたに違いない。

「部署移動して忙しかったから。ごめんね、なかなか顔出せなくて」
そういいながら、恵利瀬は煙草を取り出して銜える。
恵利瀬が煙草を吸っているところは、はじめて見た。
そんな視線に気が付いたのか、ちょっと笑って、
「高校んとき以来、やめてたんだけどね」
と言った。

「ずいぶん仲良さそうじゃない、瞳ちゃんと」
「ああ、まあな……」
「田上さんから全部聞いてるわよ」
「そっか……。説明省けて助かるね」
「……すごい展開になったものね。話には聞いていたけど、今さっき、瞳ちゃんと仲むつまじいところ見るまで、信じられなかった」
「だろ? 俺も信じられない」
他人事のような発言に、あきれ顔になる恵利瀬。
ふう、と大きく煙を吐き出した。

「……以前に何度か、『瞳ちゃんに惚れたんじゃないの?』って、聞いたことあったよね?」
「ああ……。あった、あった。そんときは、心から憎んでたなぁ、瞳ちゃんのこと」
「それが、どういう心境の変化なのか、どうにも理解できないのよね」
「俺も、わからん。……恵利瀬に惚れてて、それでも何故か恋人にはなれなくて、少しもその気がなかった瞳ちゃんと、一緒にいる……。なんでだか、さっぱりわかんないんだよ」
「……タイミング、かな?」
そういって、恵利瀬は寂しそうに笑った。

「かもね」
瞳ちゃんの件はさておき、絵里瀬との関係において、俺たちは明らかにタイミングを外していた。
恵利瀬が惚れてくれたタイミングも、初めて抱いたタイミングも、俺の気持ちが恵利瀬に傾いたタイミングも、すべてがあまりにもちぐはぐだった。
ほんの少しでも、どれかのタイミングがずれていれば、俺の介護をしてくれたのは、恵利瀬になっていたかもしれない。
それ以前に、胃穿孔などにはならずにすんだ可能性が高い。

「ひとつだけ、気になってること、聞いていい?」
「ん? ああ、なに?」
「私と瞳ちゃん、どっちが抱き心地、いい?」

ぐっ、と言葉に詰まる質問だ。
だが、俺は躊躇なく、おまえだよ、と断言した。
嘘を吐いたとは思わないが、それが真実か、自信はない。
だが、言い淀むことだけは避けたかった。
『優柔不断な男』。
瞳ちゃんの言葉が脳裏を過ぎったのだ。

「へえ。ちょっとはいい男になったじゃない」
恵利瀬は、くすっと笑った。
俺は、二度と抱くことはないであろうその身体の感触を、細部まで思い出していた。

「私の抱き心地、一生忘れないでね」
そんな邪な想いを見透かしたように、恵利瀬は微笑んでいた。

 
 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.17 ) 
日時: 2007/07/30 00:13名前: 名無しのゴンベエ

看護婦さんの絵里さんってもしかして・・・ 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.18 ) 
日時: 2007/07/30 00:19名前: 名無しのゴンベエ

恵利瀬さん、完全には吹っ切れていない気がします。
高木さんとのエピソードも出てくるのでしょうか。 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.19 ) 
日時: 2007/07/30 01:13名前: バラバラ

え?ふみちゃん再登場するんですか?
それはそれで楽しみですねぇ。

さて、新キャラの登場に恵利瀬さん久々の登場。
恵利瀬さんにいたっては長々とした会話。
何だかこのままいい関係になって欲しかったというのは私の我侭なんでしょうか?(笑)
 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.20 ) 
日時: 2007/07/30 01:48名前: 名無しのゴンベエ

ふみちゃんが最初の奥さんだと思ってたんですが・・・
もしかしたらまた出番があるのかな? 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.21 ) 
日時: 2007/07/30 01:59名前: 17

20の名無しさん
僕もそうなのかなって思ってたんですが、奥さんの名前は絵里さんでしたよね・・・ 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.22 ) 
日時: 2007/07/30 11:43名前: 名無しのゴンベエ

確かに奥さんの名前→絵里さんでしたね。

ここからどういう展開になるのかすごい楽しみですね。
期待してます。 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.23 ) 
日時: 2007/07/30 11:46名前: 名前はまだ無い

ええっ!また新しい登場人物だよ。
一体どうなるんだろう・・・・
次の展開に興味津々。 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.24 ) 
日時: 2007/07/31 21:14名前: 名無しのゴンベエ

奥さんキターーーーー!!!
キャバ嬢にどうつながっていくのか?楽しみです 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.25 ) 
日時: 2007/08/01 15:32名前: オールドルーキーm

ふみちゃん、キターー!
と思ったら、恵利瀬さんもキターー!!
と、このあとどうなって行くんだろーー?! 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.26 ) 
日時: 2007/08/01 15:47名前: 名無しのゴンベエ

看護婦の高木絵里さん・・・
が後の奥さんになるのかな?www 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.27 ) 
日時: 2007/08/04 14:35名前: E_jan

コメントありがとうございます。
ああ。みなさん気が付いたんですね。
元嫁、登場です。といっても、この物語では出番少ないと思いますが。
その40

なんだかんだ言って、6人部屋の病室では、気が休まらなかった。
同室のオジサンたちは、長期入院で暇をもてあましているから、俺みたいなのは、格好のネタだったようで、ふみちゃんと瞳ちゃんの揉め事を見られて以来、執拗に俺をからかった。
それに腹を立てるわけでも嫌で嫌でしょうがなかったわけでもないが、やはり面倒くさかったのは事実だ。

だから動けるようになると、瞳ちゃんが来るたびに、すぐに喫煙所に行くようになってしまった。そこでダラダラと、どうでもいい話をしながら過ごす。
瞳ちゃんはほぼ毎日来てくれたから、ありきたりな話題はすぐに尽き、やがてお互いのプライベートな部分に踏み込んだ会話がメインになっていった。
学生時代の話や、親しい友人のこと。もちろん恋愛関係の話もずいぶんと話した。

退院を翌日に控えたその日、ふとしたことから常務の話題になった。
俺と瞳ちゃんがちゃんと付き合っていくためには、いつかは話さなければならなかった、「避けては通れぬ話題」だろう。

「安倍川常務って、俺ほとんど見たこと無いんだよね」
役員たちのフロアは俺たちのいるフロアの2階上にあって、エレベータも別だ。
だから、めったに会うことはない。
「……あの人は渉外の要だから、あんまり社内にいないし、『ご降臨』もほとんどないからね」
お偉いさんたちが企画部や編集部のフロアに降りてくることを社内隠語で「ご降臨」と呼んでいた。
まあ、俺らど新人にとって「ご降臨」は滅多に見られない珍獣を目撃するチャンスとして、イベント的な盛り上がりを見せるのだが、部長以下、現場を仕切る人間たちはやっかいごとの前兆として、忌み嫌われていた。

「私が出世のために安倍川を色仕掛けで籠絡したって噂あるでしょ。……それ、信じてる?」
「……うーん。悪いけど、信じてる。ていうか事実でしょ?」
「そうね、半分は本当。でも半分はデタラメ」
「ふーん。どの辺が本当で、どの辺がデタラメ?」
「まず、出世のために安倍川を墜とした、っていうのが根本的に間違いなのよ」
瞳ちゃんは煙草をくわえた。
すかさず、俺が火を付ける。

「へえ。純粋な恋愛感情だった、と?」
「そうは言ってないでしょ。違うのは、口説いたのは向こうからで、それも私が学生時代の話だったって部分」
「え?」
「大学3年の時にね、偶然、バーで出会った安倍川に口説かれたの。相手が妻子持ちだっていうのはすぐ解ったけど、けっこう格好いい じゃない安倍川さんって。半年ぐらいかな……本気で付き合ったわ」
煙を見上げる瞳ちゃんの目は、楽しかった過去を追う視線のようにも見えた。

「あの会社もね、安倍川のツテで入ったのよ。その頃は今より全然景気が良かったから、もっといい会社も山ほどあったんだけど、その頃はまだ可愛くてね。『安倍川さんと一緒の会社で頑張るっ!』とかいっちゃってさ……」
「ふーん。なんか想像できないなぁ。そんな純な瞳ちゃん」
「ああ。もちろん腹黒いところもあったわよ。安倍川が常務だって知ってたから、『この会社入れば将来は安泰だわな』とか、打算的なことも考えてたし。だから、出世のために、っていうのは半分本当」
半分程度までしか吸ってない煙草をもみ消し、新たにもう1本取り出してくわえる。
きっと、間が持たなかったのだと思う。
俺は、当然のようにライターを差し出し、火を付ける。

「愛情からスタートしたけど、そのうち相手を利用し始めた、と」
「大学4年になる頃には恋愛感情も冷めて、身体だけの関係になってたわね。所詮、相手は妻子持ちだし、相手の家庭まで巻き込むのも面倒くさそうだから、愛人ってポジションに収まっちゃったわけ。……もう内定出てたし、それ以外の就職活動は真面目にやってなかったから、会社はそのまま行こうと思った。奥さんにしてくれない変わりに、社内ではきっちりフォローしろよ、って安倍川脅してね」
「あはは。瞳ちゃんらしい話になってきたな」
「……これでも、安倍川とのこと、けっこう真剣に悩んだ時期もあったのよ」
そういって、瞳ちゃんは寂しげに笑う。

「同じ会社で頑張って出世して、安倍川を見返してやろう、ぐらいのことは考えたわ。でも、安倍川の力を利用した方が、なにごとも上手くいくし……そのうち仕事がすごく面白くなってね。仕事のために安倍川を活用できるなら、いくらでも使ってやろう、って思うようになってた。仕事と安倍川の主従が逆転してたのね」
「ふうん……」
「やがて、安倍川を利用するのが普通になってさ。今回のコンペんときみたいに仕事とは呼べない部分でも安倍川に甘えるようになってたのよね……。まあ、遅かれ早かれ、安倍川には捨てられたでしょうし、そうなったら会社には居られない。……こうなることは覚悟してたの」
「そっか……」
なんとなく黄昏れてしまう。

「さて。そろそろ帰るね。今日はちょっと早めにバイト行かないといけないからさ」
「ああ、そうなんだ……って、瞳ちゃんバイトしてるの?」
「それなりに蓄えはあるけど、とりあえず働いとかないとね」
「いや、ていうかなにやってんのさ、仕事」
「ん? キャバ」
「はあ?」
「会社辞めてすぐバイトはじめたのよ。言ってなかったっけ?」
「……初耳」
あはは、と、瞳ちゃんは笑った。

「昼、あんたの面倒見れるし、お金もイイし、けっこう理想的なのよキャバ嬢」
「……向いてないような気がするんですけど」
「あら、これでも人気者よ。世の中、意外とM男が多いみたいでね」
女王様キャラでフロアに君臨する瞳ちゃん。なるほど想像の範疇内だ。
「それに、おじさま受けするぶりっこも得意だしね」
一見、まったく向いてないように思えるが、冷静に判断すれば、瞳ちゃんはキャバ向きなのかもしれない。
それにしても、意外な転身である。

「あのさ……店だと何歳で通してるの?」
「ん? ハ・タ・チ♪ 疑う人、いないよ」
ああ、やっぱり。
その店にだけは行くまいと、俺は誓った。

 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.28 ) 
日時: 2007/08/04 15:28名前: 名無しのゴンベエ

最後の会話最高です。 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.29 ) 
日時: 2007/08/04 16:03名前: 名前はまだ無い

瞳ちゃんのキャバ嬢って結構いいかも。

その店だけはぜひとも行ってみたい! 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.30 ) 
日時: 2007/08/04 16:36名前: バラバラ

なるほど、瞳ちゃんにはそんな過去があったんですか。
途中考え方が逆転したのもわかるような気がします。
しかしこんなところでキャバが関係していたとは…。(笑) 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.31 ) 
日時: 2007/08/05 10:10名前: 名無しのゴンベエ

E_janさんのまわりの女性はみんな魅力的ですね。
うらやましい。

キャバには、不思議なご縁があるようで。
偶然というか、寧ろ必然
 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.32 ) 
日時: 2007/08/05 23:04名前: 名無しのゴンベエ

E_janさんなかなか読み応えあります!
これって粗方構成作って書かれていますか?
文才が羨ましい・・・モテルわけですなぁ。

私は恵利瀬ファンですがw 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.33 ) 
日時: 2007/08/06 00:31名前: E_jan

コメントありがとうございます。

>名前はまだ無いさん
>パラパラさん
>31ゴンベエさん
キャバはいろいろ絡みますね、本当に。

>32ゴンベエさん
あまり構成とかは考えてないんですよ。
その41

ようやく退院できたものの、すぐに会社に復帰する、というわけにはいかない。
部分的とはいえ、胃を切除したこともあり、とにかくモノが食えない。
食えないから体力がない。なにもしていないのに疲労感が抜けないのだ。
こんな状態では、通勤電車だけで全体力を消耗してしまうに違いない。

「そんな調子じゃ会社に行っても迷惑を掛けるだけよ」
退院直後に会社へ行こうとして、瞳ちゃんに止められた。
「わかってるけどさ……。なんかこう、じっとしてられないんだよ」
寝ているところが、病院のベッドから、より身に馴染む自分のベッドに移っただけで、結局のところ、俺はゴロゴロ、ぐだくだとしていることに変わりはない。

とにかく、仕事に復帰したかった。
自らが企画し、社内の賞賛を得た企画が、自分抜きで進行中なのだ。
これは、悔しい。
いや、悔しいというよりも、置いてけぼりにされるような。得も言われぬ疎外感が胸を締め付けるのだ。

「ずいぶん、欲求不満が溜まってるようだね。病院じゃ人目気にしてイチャイチャもできなかったし、大部屋だからオナニーも我慢してたんでしょ?」
ニヤニヤしながら、話をはぐらかそうとする瞳ちゃん。
「……そっちの欲求不満じゃねえよ」
「あれ、そうなの? 私はそっち方面の欲求不満よ」
そういって、ベッドに腰掛けていた俺の背後へと回り込んだ。

「ふたりっきりって、久しぶりじゃない」
後ろから抱きついて、耳元で囁く。
久しぶりに感じる「女」に、身体は素直に反応する。

たしかに、病院では禁欲的な生活を強いられていた。
瞳ちゃんと喫煙所でふたりになることはあっても、誰が来るかも解らない屋外だ。
ただでさえ噂の的になっている状態だったので、瞳ちゃんとの距離感には、必要以上に気を配っていた。
毎日、瞳ちゃんが帰る前、カーテンの内側で、軽いキスをしてくれるのが、ふたりにとって唯一といっていい接触だった。

パジャマの襟元から、手が忍び込んできた。
瞳ちゃんの、温かい手が、俺の胸を撫でる。
「……こんなに痩せちゃってさ」
切なそうな声が、耳をくすぐる。
「体重、何キロ落ちた?」
「15キロぐらい……かなあ」
「そのぶん、体力も落ちてるのよ。無理は禁物」
「わかってるよ」
「江口はさ、ちょっと休んだくらいで帰る場所がなくなるほどの小物じゃないんだよ、もう」
諭すように、優しい瞳ちゃんの声。

「期待されてるの。無理して戻って半端な仕事になっちゃうなんて許されないのよ。……だから、もうちょっとだけ休んで、力の出せる状態で、職場復帰しないと、ね?」
そういいながら、瞳ちゃんのもう片方の手が、俺の股間へと伸び、パジャマの上から、硬くなったモノを掴んだ。

「食べて、抱いて、寝て。今は三大欲求を満たしながら、活力を溜めましょう」
「……あいかわらず、瞳ちゃんはうまいこと人をそそのかすよね?」
体勢を入れ替え、俺は瞳ちゃんを押し倒す。
「そそのかす? 導いてるだけよ」
ふふっと笑う瞳ちゃんの、唇を塞ぐ。
舌を絡め合う、濃厚なキス。久しぶりだ。

考えてみれば、はじめて瞳ちゃんを抱いた夜、彼女に対して抱いていたのは、共犯者意識から芽生えた連帯感と、「未知の生物」に対する好奇心だけだった。
その直後に入院し、そのなかで、時間を掛けて瞳ちゃんを理解していった。
今、俺は迷うことなく、瞳ちゃんを愛していると断言できる。

彼女のへらず口にも、尊大な態度にも、理路整然とした嫌味にも、その裏にある「気持ち」を感じられるようになっていた。
ひねくれていて、かわいげが無くて、意地悪。そんな瞳ちゃんが好きだった。

いまだに、瞳ちゃんがなぜ俺に気持ちを寄せてくれたのかはよくわからない。
ただ、その気持ちが本物だっていうことだけは、わかる。
それさえわかれば、なぜか、なんて関係はない。

「……なに見つめてんのよ」
「ん? 綺麗だなあ、って思ってさ」
「見え透いたお世辞言う暇があったら……早く抱いてよ!」
照れたように、視線を逸らす瞳ちゃん。
「あ、でも無理しないでよ、体力落ちてるんだからね」
あわてたように付け足した。

どっ、と、愛情が心の底からわき出してくるのを、感じていた。
「俺さ」
「ん?」
「瞳ちゃんにベタ惚れしちゃったみたい……」
たぶん、耳まで真っ赤にしながらの、告白だったっと思う。
瞳ちゃんは、一瞬、天使のような優しい笑みを浮かべたあと、
「言ったでしょ? 絶対あなたは私に惚れる、って」
そういって、ニヤリと下品に笑った。
どちらも、瞳ちゃんの顔だ。

「入院でのブランク、絶対にあなたにとっていい経験になるわよ。保証する」
「瞳ちゃんが保証するなら、焦ることはないか……」
なんとなく、素直にそう思えた。
この、とんでもない魔女の魔法に絡め取られてしまったのだろうか。
全身から、力みが抜けていくのを感じる。

やんわりと瞳ちゃんを抱きしめたまま、俺は心地よい眠りに落ちていった。

 

 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.34 ) 
日時: 2007/08/06 06:57名前: バラバラ

退院できてもまだまともに動けない状態ですか。
しかしそんなときでも瞳ちゃんは口が悪くてもフォローにまわるようになっちゃいましたね。
押しかけ女房的ですが、江口さんもすっかりそのペースにハマっちゃいましたね。
病み上がりゆえにエッチはなかなか期待できないかな?
認められた仕事のへの復帰も期待したいところです。 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.35 ) 
日時: 2007/08/08 10:25名前: 名無しのゴンベエ

つづきが気になる 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.36 ) 
日時: 2007/08/10 12:14名前: 期待age

楽しみにしてます!! 
 Re: むかしのはなし。#3 ( No.37 ) 
日時: 2007/08/12 22:44名前: E_jan

 
その42

朝方、酔っぱらった瞳ちゃんがやってきた。
キャバの仕事明けに顔を出すなんて、珍しい、というか初めてのことだ。
「お客さんに呑まされちゃったよ」
真っ赤な顔でニコニコ笑いながら、服を脱ぎ散らかしていく。

「キャバ嬢っつーのも大変だね。ちょっと舐めてたよ、この仕事」
寝ぼけ眼の俺を無視して、ひとりでぶつぶつ言っている
相当、酔っているようだ。
酔っぱらっている瞳ちゃんを見るのは初めてだが、酒には強くないらしい。

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