えちえち体験談

私♀の×彼女♀

2010/12/21 21:02カテゴリ : 女同士の体験談

2009/11/06 14:50 私♀の×彼女♀ (ジャンル未設定) より転載。

私と彼女はつきあいはじめてもう10数年になります。
彼女との馴れ初め、小学6年生の頃の話から

私は地方都市の社長さんの愛人の母の子供として生まれました。
もっともコレは後々になって聞いた話しです。
小さい頃は「病気で死んでしまったのよ」と言われていましたが。
それにしても写真一つないので「ああそうなのかな」と
なんとなく勝手に納得してました。

社長さんは、母と会う時はもっぱら母を呼びつけていましたので
出かける母を見送るのみで私は成人するまで
まともに社長さんとお話しする機会はありませんでした。

だから未だに実の父親だと言う気がしません
恩や義理は感じています。
しかし母と社長との関係に肯定的になれないのは事実です。

母は私を育てるには十分すぎるお金をもらっているようで
水泳やバレーなどあらゆる習い事を私に習わせました。
着る物も食べるものも不住しませんでした。
父親が居ないということを除けばとても恵まれていたと思います。
ただ社長の趣味なのかやたらと女の子ちっくな服が送られてきて
それがなんとなく嫌で
反動になったのかもらったお小遣いで男の子が着るような服を選んでは着ていました。
そのうちバレーも辞めてしまうのですがそれは又別の理由です。

当時6年生・・物心ついて有る程度自分の置かれている現状が解ってくると
私に芽生えたのは男へ対する嫌悪感でした。
どこでも同じだと思いますが、当時男の子と言えば
誰彼構わずスカートめくりをするのが流行っていました。
殆どの女子は表向き嫌がっていましたけど好きな男の子にされるのは
あんまり嫌じゃないみたいで、影で「○○くんにめくられた」等と
影で自慢げに言ってる子もいました・・・が

元々スカートと男が嫌いな私は面白い訳がありません
いつも一人で憤慨していました。
水泳とバレーが良かったのか解りませんが、この頃
私の身長は小学校6年生の女子では異例の170センチに迫っていました。
そんなわけでよく男子からは「デカ女!デカ女!」とからかわれました。
デカ女ならまだましです。少なくとも女ですから
中には「花崎って男前だな!」と言われたのが一番ショックで
家に帰って母の前でわんわんないてしまいました。
今思えばその男の子なりにカッコいいと誉めてくれたんだとも思えますが
私は、身長でからかわれたより傷つきました。
「男子なんて大嫌い!!!」がこの頃の口癖でした。

コレがきっかけだったのかは忘れましたが
少しだけ女の子を意識した格好だけはするようになりました。
髪はショートカットを伸ばしスカートも出来るだけはく様になりました。
自分で言うのも本当に難ですが
元々美貌だけで愛人になった母の子なので私の容姿はそれなりだったと思います。
この頃からよく周りの大人から将来綺麗になるよと言われていました。
男性に良く言われたと思いますが
綺麗になるのは嬉しいので素直に喜んでいました。
すでにこの頃から綺麗な自分や綺麗な女の子が大好きでした。
気がつけば友達のグループはクラスでも可愛い女の子ばかりでした。

有る意味女性という性に対しての執着心
徹底的に男性という性を周りから排除したいという
潔癖な素地が出来つつありました。

それに反して男性には良く声をかけれました。
小学校を卒業する頃には170センチをゆうに超え
180センチに届こうとしていました。
われながらもう小学生どころか高校生にしか見えなかったと思います。

だからなのか声をかけてくる男性と言えばナンパや援助交際ばかり
益々男性への嫌悪感が増大していきました。
元々母譲りのバタ臭い顔なので
そんなことをしそうに見えたのかもしれませんね

そんな私の小学校6年生の3学期
サオリは私たちのクラスに転校してきました。
先生に紹介されクラスへおずおずと入ってきた少女に
私は今までどんな女の子にも感じたことが無い震えを感じました。

私のこの頃の女の子好きは性とは切り離されたある種ただの潔癖でした。
男性への嫌悪感の反動、汚いものとしてみている男性を
自分の周りから排除して綺麗な女性だけを身の回りに置きたいという
ただそれだけのものでした。

サオリだけが違って見えました。
白(女)と黒(男)でしかない世界に一人だけ鮮やかな桜色の花弁
そんな風に見えました。
私の世界が大きく変わった瞬間だと断言します。
私よりはるかに小柄で華奢で女の子らしい細い線指先
何もかもが愛おしく感じました。

今思い返しながらこの文章を書いて確信しました。
私はこの時はっきりと思ったんです。
「この子が欲しい」ってね
 

サオリは案の定クラスの人気者になりました。
主に男子にですが・・・

大人しく控えめで誰にでも優しい女の子でした。
しかしソレが良くなかった。

3学期も終わりに近づいた有るとき
女子に人気の男子の一人が突然みんなの前で彼女に告白したのです。
サオリは戸惑っていたようでしたがその場で断りませんでした。
優しい彼女らしくその場で断るのはかわいそうだと思ったのでしょう

しかしソレが周りの女子の反感を買ったのです。
告白した男子は女子に相当な人気があり
たしか私のわずかな記憶を頼りに思い出すと
当時の都大会かなにかの陸上の優勝かなにか?とした子でした。
どうでもいいですけど

案の定サオリは女子から無視されるようになり
状況はエスカレートしていきます。

意外かも知れませんが
この頃私はまだサオリと親しくはありませんでした。
男性を嫌って女子だけの世界に生きてきた指物の私も
初めて好きになったのが女の子であることを自分のなかで整理できていなかったのです。
何かのきっかけで話すことがあってもぶっきらぼうにするしかありませんでした。
凄く嬉しかったのに・・・

告白の一件も実は私の居ないところで起こった事件で
その後女子グループが憤慨してるところを聞いて
初めて事態を把握したのです。

元々私がサオリにつめたいのは仲良しグループの間でも周知だったので
私も彼女に反感が有るのだと思ったのか
皆私の前で次々と嫌がらせを話していました。

私としては皆仲のよい女の子達です。
またその一人がその男の子を好きだった事を知っていただけに
私の立場は非常に微妙な状態でした。

最初は無視
そして徐々に彼女が何かを言うと「またぶりっ子?」みたいな
つめたい言葉が投げかけられるようになりました。

微妙な変化に気がつく繊細な男子は女子の気迫に押されて何もいえません
反対に鈍感な男子にいたっては気がついてさえいません

そして事件が起きました。
とうとう我慢できなかったのか私のグループのメンバーが
私の知らないところで彼女を校舎裏に呼び出したのです。
何も知らずに先生の頼まれ物のプリントを運んでいた私のところに
問題のサオリに告白した芋が顔面蒼白で走ってきて教えてくれました。
私はまだ何か言ってる芋にプリントを突き渡して芋を置き去りにして
2階教室へ走りました。居ません・・・
どこにいるのか解らず思わずベランダに飛び出します。
居ました!ベランダ下の影で何か言っています。
「あんたAちゃんが芋君の事好きなの知ってるでしょ?」
「Aちゃんの気持ち知ってて芋君になにやってんの?」
「3学期からきたくせに、Aちゃんは前から好きだったんだよ!」
なんかこんな事をいってたと思います。幼稚ですね
ソレを二階から見ている私いつの間にか周りは野次馬だらけ
芋君もいつの間にか後ろに居ます。流石足だけは速いようです。
(何おろおろしてんのよあんた助けなさいよ!!)と思いました。
そんなこんなしてると感極まったのかとうとう
Aちゃんがサオリに掴みかかろうとしました。
引っ張られるサオリの髪それをみてあざ笑う女の子達

その瞬間私はカーッと頭に血が上ったようになりました
ベランダ手すりによじ登ったかと思うと豪快に飛び降りていました。
ドシーンと自分でビックリするくらい大きな音がしたように思いました。
野次馬の中には私が飛び降り自殺でもしたかのように悲鳴を上げる女子もいました。

女子グループは私が勢い良くサオリの後ろに飛び降りてきたのをみて
あっけにとられていました。
私は直も掴みかかってるA子の間に割って入ります。
Aちゃんのビンタが私のあごあたりに命中しました。
Aちゃんを突き飛ばし
サオリをかばうように抱いていました。無意識でした。
「あんた達最低!!もう絶好だよ!!」
私は過去・現在通じて女の子にも男にもこんな剣幕で怒ったことはありません

Aちぁんはイキナリのことに動転したのかその場で泣き出してしまいました。女子グループも私の剣幕に押されたのかオドオドしていました。
後は騒ぎを聞きつけた先生が駆けつけてお説教でした。

むしろ一番怒られたのは2階から飛び降りた私だったような気がします。
それが良かったのか、虐め自体は軽い注意ですみ
相当怒られることを覚悟していた女子グループも意外にアッサリ許してもらえた安堵感からかサオリに快く謝ることが出来たようで
わだかまりは解消・・むしろ後々になって
あの状況で助けにいけない芋君ってかっこ悪いみたいな流れになり
なんと和解・・・まあ、時間にして2週間程度のイザコザでしたから
女ってこんなものです。

大きく株を落とした芋君・・哀れ芋君・・・ちょっと同情します。
一寸だけだけどね
私はあの事件以来男子からも一目置かれる存在になりました。
「2階から飛び降りた凄い女」という不名誉なものでしたが・・

その日から私とサオリは豆と人参のように一緒に居るようになりました。
女の子グループとは絶好はしませんでしたが、少しずつ疎遠になっていきました。
後にサオリが言いました。「あの時のサキちゃんは世界で一番かっこよかった」と
 

小学校をそんな感じで卒業して中学にあがりました。
この頃身長は180近くいい加減嫌になっていたバレーの習い事をやめて
水泳とピアノだけにしました。
最大の理由は、何よりサオリと遊ぶ時間が欲しかったのです。

私とサオリは急激に親しくなって行きました。
サオリの家は余り裕福ではありません
サオリのお父さんは小学校5年生の頃に亡くなってしまい
身寄りの無い母親のため今はお父さんの実家に身を寄せていました。

お父さんの実家はお豆腐屋さんでおじいちゃんとおばあちゃんが
切り盛りしています。
お母さんは外にパートに出ているので
サオリが家事に関しては体の弱ったおばあちゃんを支える形で手伝いです。
私はそんなサオリが可愛そうで良く遊びに行っては
恐縮するサオリに無理強いで手伝っていました。
だって一緒に居るだけで嬉しいんだもん、仕方ないね!

もっと嬉しかったのは、手伝いに行く時はよく髪をまとめて
動きやすい格好で遊びに行ってたので目の悪いちょっとボケ気味のおばあちゃんは私の事をサオリのボーイフレンドだと思ったらしく
いつも「サオリはいいねぇ〜こんなに男前の彼氏がいて」が口癖でした。
男扱いされるのが嫌だった私ですが
サオリのおばあちゃんにそんな風に言われるのはとても嬉しくて
さり気に手伝いに行く時だけは少しでも男っぽい服を意識して着ていくようになっていました。

サオリもボケたおばあちゃんだと思ってるので特別訂正もしないのが
また嬉しかったと思います。

そんなわけで中学です。
中学くらいなるとチラホラとおつきあいというのを始める男女が出てきます。まあ、もっぱら交換日記程度の付き合いですが
周りの女子が楽しげにそんな話をしてる横で、自分がとても惨めに思えました。

私は、男性になりたいと言う願望は全くありません
女性として女性が好きなタイプです。
この頃になるとそういう本をコッソリ見つけては読んだりしていました。
自分がこういう人間だと理解して楽になった一方
その生き方がとても大変であることも漠然とした不安から
現実的な不安に置き換わっていき周りが当たり前に出来ることが
自分にはとても困難であることが恨めしく思えました。

こんな男より私のほうが良いのに!
とそんな風に変なジェラシーを男子に感じていました。
サオリとの関係は未だに親友レベルです。
凄く良好ですがだからこそ悪戯に本心を打ち明けて気まずくなるのは
避けたいと思っていました。

また私自身、男性に声をかけられたり告白されることが増えていきました。
基本的にクラスメイトならはぐらかしていましたが
先輩とかになると面倒で本当に憂鬱でした。

一番嫌なのがサオリと一緒に街を歩いてる時や
登下校の時のナンパです。サオリの前で告白されたり
男性に声をかけられ自分が女であることを思い知らされるのが
歯がゆかった。
サオリの前だけは女でも男でもない自分でありたいという気持ちがありました。
「君綺麗だね!一緒に居るのは妹さん?」こんなこと言われたら2重3重に腹が立ちました。

3年生にあがる頃には私の男性嫌いは周知の事実となり
言い寄ってくる先輩も消えたおかげで少し楽になりました。
その代わり有る噂が立っていたのです。
「3年の花崎先輩ってレズなんじゃないの?」
この頃の私は知りません、でもサオリは知っていたみたいです。
何でってサオリに直接聞いてきた人が居たみたいです。
勿論その頃のサオリはそんなこと微塵も思っていないので
「男の人がきっと苦手なのよ」と返していたそうです。

元々女子には人気がありました。
口が堅く女の陰口が嫌いだった私は
絶対に女子のそういう話にだけは関わりませんでした。
また小6の時のエピソードが今では小学校でもちょっとした伝説になっているらしく(一時期度胸試しに飛び降りるのが流行り、ベランダに飛び降りるな!の張り紙が有るらしい)

後輩の女子からは頼りにされていました。
女の子は嫌いじゃないので懐いてくれる後輩は可愛く
サオリと遊べない時は大勢を連れ立ってカラオケへいったりしていました。

「サオリ先輩と一緒のときは何をしてるんですか?」
有るとき後輩の一人から唐突にこんな事を聞かれてました。
今思えば素朴な質問だったのですが
私は 別 の こ と を聞かれたような気がしてドキッとしました。
そんな妄想ばかりが広がっていた時期でした。
サオリとあんなことやこんな事を・・

その質問をした後輩 アキちゃんが私のファーストキスの相手
 

アキちゃんは天真爛漫 子犬がそのまま人間になったような人懐っこさと
陸上部で鍛えた細い足と良く焼けた肌がキュートでHな小柄な女の子でした。

「私の自慢のコレクションの一つよw」

同好の徒にそんな風に自慢したい女の子
サオリとは又違う元気で素直な感じがとても良く
幸せな家庭で育った眩しいところが私は逆に好きでした。

アキちゃんは何かと私とサオリの後を付いて回りたがりました。
私としてはサオリとの時間は何者にも変えがたく
最初は憤慨もしてたのですがサオリがアキちゃんのことを気に入っており
最後はまあ、可愛い犬くらいの気持ちで我慢していました。
(サオリが楽しそうだしいいか・・)
「アキちゃんクッキー焼いたから持って行きなさい」
サオリは何かと作ってはアキに餌付けしていました。(私はそう思うことにしていたヤキモチです。)
「わぁ〜部活終わったら食べます!」
「こないだのシフォンケーキおいしかったです!部活の先輩達も喜んでいました!」
「ふふw又作ってあげるね」
「やったー」
そんなやり取りの時私は必ず一寸不機嫌
「アキは本当に子供ね」
という嫌味の一つも出るのですが
「へへっw」
とそんな私の言葉すらなにやら嬉しそうに笑っているので毒気が抜けます。

アキちゃんは部活がない時は私のところへ遊びに来ます。
クラスの友達との関係は大丈夫なのか?心配になり一度聞いてみたのですが
「私陸上部で先輩に気に入られてますから!」
運動部は男子も女子もそういうものらしいです。

私は基本的に部活はやっていませんがたまに美術室を使わせて貰って
油絵やアクリルガッシュで絵を描いていました。
美術部はいまや漫画クラブになっており油絵をやるような生徒は
おらず場所も大人数が入れる多目的室に場所をうつしていたので。
殆ど放課後の美術室は私一人でした。

まあ大抵サオリやアキちゃんまたはその両方
もしくは後輩達が遊びにくるのですがサオリすら長居はしません
描いてる時の私は殆どサオリとすら話をしないからです。
大抵の後輩は空気を察して2度ときません

アキちゃんだけは例外でした。
アキちゃんも最初こそ色々と話しかけてきましたが
私が絵を描く時は全く喋らないのがわかると今度は不思議なくらい
何も言わなくなりました。
時々居ないんじゃないかと思って私の方から振り返るくらい存在を消すのです。

何をするわけでもなく私が絵を描くのをズーッと見てるのです。
今更「何が楽しいの?」なんて私の方から聞くのもプライドが許さず
この奇妙な状況は1度2度3度と続いていきました。
いつも五月蝿いくらいなのに、アキちゃんのちょっと違う一面を知って
「静かにも出来る子なのね」とこのとき初めて他の子より少し特別に感じました。

後から知ったことですが彼女なりの対抗心だったようです。
何ってサオリへのです。
 

部活がないときで私が美術室にいるときは
必ずといって良いほどアキちゃんがいるようになりました。
サオリは家の手伝いが有るので出席率はアキちゃんが勝っています。

この奇妙な状況は数ヶ月続き
夏休み中たまに私が美術室に来ても
アキちゃんも部活にきてるので帰りはいつも一緒でした。

部活が終わると汗をタオルで拭きつつ必ず私のところへ来ます。
相変わらず何も言わないで私が描いてる姿を見てるわけです。
ふと彼女を見るとかすかに汗で濡れた髪とシャツが目に付きました。

・・・・・・・何も見なかったように・・・・・・

・・・・・・・絵を描き続ける私・・・・・・

・・・・・・・長い沈黙・・・・・・・・

・・・・・・アキ帰るよ・・・・・

私は今まで一度もこんな風に声をかけたことはありません
私が片付けるのをみて帰るのを悟るだけです。
私はアキのほうを見ないようにしながら徐に道具を片付け
美術室を出ました。

夕暮れの廊下を歩く間 アキはとぼとぼと私の後を付いてきました。
無言です。

良く焼けた肌と汗に濡れた髪をしたこの子犬みたいな少女を見て
私は我慢できなくなったのだと思います。

・・・・壊してしまいたい・・・・

下駄箱までいって靴を履きます。
「グズグズしないであなたも履きなさい置いていくわよ!」
語気が荒くなります。
ドキドキしています
アキがいそいそと靴をはき始めます。
ソレを見下ろしています。(何しようと思ってる?)
(何しようとするの?)
不思議とサオリのことは忘れていました。そもそも色んなものがもう切れそうでした。

アキが立ち上がって私をオドオドと見上げた瞬間
私はアキにキスしていました。
キス・・なんていう代物じゃないですね
アレはもう私が一方的にアキを食べちゃったようなキスでした。
時間にしてドノ位でしょうか・・・1分?30秒?
玄関先を野球部の男子が野太い声で大勢で走っていく掛け声が聞こえます。
後姿は見られたかも知れない・・でも私が死角でアキがいるのは見えないはず・・・・・吹奏楽部の調子外れのトランペットとトロンボーンの音が遠くから聞こえます。
とても長く感じました。 でも終わってみるとあっけない
そして物足りない時間でした。

ぷはっ・・はぁ・・はぁ

口を離したら唾液がツーッと糸を引きます。
アキの口の周りは私とアキの唾液でべとべと小麦色の肌ごしでも解るくらい
上気した頬肩で息をしています。
私も息が荒くなります。さっきよりドキドキしています。

「アキは私のだからね」
私はソレだけを言うとアキを置いて家路につきました。

今日はここまで続きます。
「アキもっと、そばに来なさい」
「はい」

アキとキスをしてから特に大きく変わったことはありません
キスをしたからといってアキの態度は大きく変わりませんでした。
急に馴れ馴れしくされることも心配したのですが
アキは意外と頭が良い子なのかもしれません
今まで以上にサオリと私の間に入ってこようとすることもありません

違うのは美術室で2人っきりの時は
直ぐそばに椅子を持ってきて座らせています。

サオリと一緒の時は相変わらず元気な子犬のようですが
2人っきりになると静かになる
特に私が目線を送ると怯えたように私の目から何かを探ろうとするような
不安げな表情になります。

その表情を見るたびにゾクゾクしてきます。
それが好きで美術室にいるときはたまにアキの方を見るようになりました。

キスはたまにしました。
と言っても最初のような激しいのではなく
又明日ね程度の軽いものですが

アキはそのたびに安心したような顔をして帰っていきます。
殆どキスをされるためだけに顔を出してるような感じですが

アキが美術室にやってくる頻度はどんどん増えていきました。

サオリとの関係は相変わらずです。
アキとそういう関係になったからと言って
サオリへの気持ちがなくなることはありませんでした。
むしろ麻薬患者のようにアキの味を知ってより
サオリへの乾きは強くなりました。

(サオリはどんな感じなのかな)

そんなことをふと考えてしまうことも前より多くなりました。
サオリと間近で話しているとつい唇の動き・・・そしてたまに見える舌
「どうしたの?」
怪訝そうにサオリが言います。

「ううん、なんでもない」
アキにあんなことをしておいて私は浮気者なのでしょうか?
アキには悪いと思うのですが
このときの私にとってはアキは禁煙補助剤のようなものでした。
サオリという大事な存在に手をかけないための大事な大事な抑止力

こういう時私はやはりあの母親の子供だと思うのです。
今にしても私は我がままで実に勝手な人間です。
詳しくは話しませんが、母親も又わがままで我の強い人でした。
よくもまあ、サオリやアキその後も多くの女の子達とそういう関係になりましたが、一体私の何が良かったのかは私には解りません

実際に私みたいな女が自分の近くに居たら絶対に嫌いになっていると思います。

こういう女にありがちですが私は朝が極端に弱く
非常に不機嫌です。いつもどおり目の覚めない頭を抱えるようにサオリと一緒に登校
どのくらい不機嫌かと言うと朝目の覚めないうちにサオリに話しかけられても「五月蝿い」と声が出るくらい不機嫌です。

「花崎さんちょっといい?」
有る日の朝教室に行くと陸上部部長3年の宮田さんが私を待っていました。
「はい?」眠気で思わず目じりと語尾がつりあがります。
サオリの話だと私の体格でこの態度だと非常に怖いらしく
宮田部長はちょっと怖気づいた感じになりましたがそこは部長だけあって
直ぐに持ち直して言いました。
「あなた2年生の秋田さん知ってるわよね」
「だからなに?」語尾が以下略
また一瞬怖気づいた表情を見せますが、もう気にしない要件を言ってしまおうと持ち直したのでしょう
「最近秋田さん部活に身が入ってないみたいなの」
「一応部としても彼女に期待しているから、親 し い 貴方なら何か知ってるんじゃなくて?」
「出来れば先輩としてもう少しあの子のこと考えて貰えないかしら」

眠く重い頭がかーっと覚醒していくのがわかります。
(親 し い?)妙に引っかかる言い回しです。

「秋 田 さ ん の部活のことは私には何の関係もないわ!!」
「何か問題が有るのなら本人に言って!!」
「ちょちょっとサキちゃん・・・」
私が思わず大声を上げたのに驚いたクラス中の視線があつまり
それを心配したサオリが私と宮田部長の間に割るように入ります。
心配そうなサオリの顔を見てハッとします。

「とにかく私としても部活としても秋田さんがこのままだと心配だから」
「とにかくそれだけ言って置きたかったの、じゃあよろしく」
宮田部長はまだ何か言いたげな表情をしつつ自分のクラスに帰っていきました。

なおもクラスの視線は私に向いたままヒソヒソと話すクラスメイトを尻目に
何も無かったように席に着きます。
カバンから教科書ノートを無言で机に詰め込みながら
私はおなかの中でドス黒いものが渦巻くのを感じずには居られませんでした。

(私と親しいからアキがだめになった?)
(私が恋愛すると迷惑みたいじゃない!!)

別にはっきり指摘されたわけではありません
でも、あの言い方は間違いなくそいう風にとれました。

その日の昼休みいつもの様に屋上で
サオリとのんびりしてるとアキが私のところへやってきました。
部長本人からか誰からか聞いたのでしょう
珍しくサオリの前でも不安げに私に何か言いたそうにしていました。
「なに?!」つい不機嫌になります。
「あ、あの・・」
ちらちらと不安げな視線が私とサオリの間を行ったりきたりします。

「私先に行くね」
サオリは何かを感じたのか私とアキを置いて教室に戻りました。
「・・・アキ部活ちゃんとしてないの?」
急に肩から力が抜けて自分でも優しい声になるのがわかります。
正直この日はこの瞬間までずっと戦闘態勢だったのだとわかりました。

「ごめんなさい・・」
ばつが悪そうにアキが謝ります。
こういうときのアキは本当にしかられた子犬のようです。
垂れ下がった耳と尻尾が見えるようです。
「私に謝っても仕方が無いでしょ」
「私はアキに何も強制してないわよね?」
(嘘・・アキが居ないと困るくせに・・)
「アキが嫌なら別に無理しなくていいのよ?」
(嘘・・アキが嫌じゃないの知ってるくせに・・)
「・・・・・・」

アキは黙ってうつむいてしまいました。
「何も話がないなら私いくよ!」
「部活やる気があるなら確りしなさい!」
「朝みたいなこと私のところにこられても迷惑なんだから!」
アキを置いて去ろうとしました。
「先輩!」もう殆どタックルの勢いでアキが私に後ろから抱き付いてきました。
「ちょっとなによ!」
ぐるっと見回しますが幸い昼休み終わり際で人は居ません
「見捨てないで!!そばに置いてください!!」

今思えば山門芝居のドラマのような台詞です。
アキなりの必死さがそういわせたのかもしれません
子犬のようなアキの震えが私の体に回された細い手から伝わります。
私はゾクゾクするものが体中に広がるのを感じました。
急に下腹に熱いものを感じます。
(・・・濡れてる・・)

「先輩がそばに居てくれるなら何でもします!!」
「部活だってやめます!もう先輩に不愉快な思いはさせません!」
「だからずっと一緒に居てください!!愛してます先輩!!」

正直(そこまでしてくれなくていいのに)
と言う気持ちと(これからはずっとアキをそばにおける)という
黒い気持ちが渦巻いていました。
(私のこの歪んだ感情が・・性がこの子の運命を捻じ曲げているだ・・)

私はアキが愛おしくてそして
いっそ壊してしまいたい位不安げで儚いものにみえました。
泣きはらしたようなアキ・・・2回目の深いキス
細いアキの体が軋むくらいに強く抱き私の下腹部は更に熱く・・・
自分でもソレが太ももを伝っているのが解りました。
始業のベルが鳴ります。もう行かないと言い訳が面倒です。
何より朝の一件もあります。無駄な注目をこれ以上浴びたくありません
私は無駄に目立つのも本来は嫌なたちなのです。
ただでさえこの身長で目立つのですから
荒い息をするアキを見つめてハンカチで涙とよだれを拭い
自分も唇を拭います。

「やめるか続けるかは貴方自身が選びなさい」
「でも・・・」
「いいわね」
「はい・・」
(辞めなさいとも続けろとも言わない・・いえない・・卑怯な人間)

「さあ、もう行きなさい」
「でも・・」
「一緒の所を見られると何を言われるか解らないでしょ私は後から行くから」
「はい・・」

アキを見送り私は自分の処理をして教室へ戻りました。
その後半日非常に不快な気分を我慢しつつさっさと家路につきました。
 

アキは部活はやめませんでした。
その代わりにレギュラーから外れ受験勉強を理由に部活への出席を減らしたようです。

親には先輩(私)に勉強を見てもらうと言ったようで
後日アキにそっくりのこれまた人のよさそうなお母さんと2人で
我が家に挨拶にやってきました。
「うちの子が受験勉強するなんて・・・本当に感謝しています。」
「なんでも花崎さんは学年でも上位だとか、そんな先輩が見てくださるなら主人も安心だと申しておりました。」
「しかし、花崎さんも受験を控えてるのによろしいのですか?」

「はい、私のほうの勉強はもう十分ですから」
(実際コレは事実しかも私が行く進学校は社長の息がかかっている、殆ど合格したようなものなのです。勿論それに頼って勉強しないわけはないですが)
「こちらこそご期待にこたえられる様に厳しくさせていただきます。」
「せんぱ〜い;」アキがおどけて不安の声を上げる

表向きはおどけるアキ
そして出来る限り愛想笑いで た だ の先輩を装う私
成績が上位なのはたしかだが別に教えるのが得意なわけではない
アキはアキで元々スポーツ特待生を狙ってたのを
私と同じ進学校へ行くことを念頭に勉強をすることにしたわけで
アキの両親はどちらかと言えばそちらの方が嬉しかったらしく
私とアキで考えたこの半分嘘の話は順調に進んでいった。

大事な娘がとんでもない女に惑わされてるとも知らず
丁寧に挨拶するとアキとアキのお母さんは帰っていきました。

一緒に勉強をすることになった事は勿論秘密です。
アキには美術室には来ないように言いました。
勿論私もいい加減受験生で美術室にいると教師も五月蝿いので
さっさと家に帰ることが増えました。

サオリは私と同じ高校へ行くことになっています。
サオリの成績は私よりいい位それでもサオリの家では資金的に難しく
最悪私の父親に頼んででも・・
等と思っていたけどサオリに「それだけはしないで!」と怒られました。
しかしそんな私とサオリの事を知ったサオリのお母さんが
「貴方が勉強するのにお金を惜しむことはしませんよ!」
「貴方には色々不住をさせてきたけど勉強することだけは遠慮しないで頂戴・・おじいちゃんもおばあちゃんも、お父さんもそう思ってるわよ」
と言う感じで晴れて私と同じ高校へ行くことになってほっとしました。

アキと私は学校が終わると別々に下校し
アキが私の家に来る形で勉強するようになりました。
時々はサオリも参加して3人で真面目に勉強します。
2人きりの時は始めこそ勉強の形をとって準備するものの
やっぱり2人きりになると歯止めが中々ききません

「先輩・う・・ん・・ふっ・・」
もうこうやって勉強会を始めてから何度もキスを繰り返しています。
アキは小柄で髪型はショートにしています。
肌も良く焼けてるので部活の時など遠くで走ってる姿を見ると
なんだか男の子にも見えるのですが
くりくりの目と長い睫毛で女の子らしい可愛さもある中性的な女の子です。

サオリは身長は出会った頃と余り代わらないのですが
最近は出るところが出て随分女性らしい体型に変わって来ました。
ふっくらしていかにも女の子と言う感じです。
何もかもアキとは正反対

「先輩・・先輩・・」
アキは興奮すると直ぐに私の懐にもぐりこむようにぐりぐりと
必死に抱きついてきます。
ソレがとても可愛くてつい乱暴にしてみたくなってしまいます。
両手ですっぽりを覆う事が出来るくらい華奢なアキを抱きしめつつ
彼女の敏感な部分に手を運びます。
耳の中に舌を入れるととても可愛い声を出すのでソレがお互いのお気に入りでした。
アキの胸は小さく殆どまな板に小さいぽっちが有るような感じ
とっても敏感で触りがいがありました。
セーターを捲くりスポーツブラを剥ぐと腕や足と比べて日焼けしてない
コントラストがまたHでした。
「はぁあ・・・うっう・・」
小さい手が私の服を力いっぱい掴みます。
「アキ気持ちがいい?」
「は・ぃ・・・き・ちがいい・・」
切なそうにしながらも聞かれると素直に答えるアキ
この子の表情やしぐさは一々私をゾクゾクさせてくれるから大好きでした。
「舌をだしなさい」
言われるとおずおずと口をあけて舌を出すアキ
なんだか餌をもらおうと必死なヒナみたい
アキは興奮すると唾液が良く出るようで
ぽたぽたと口の端から唾液が伝います。
「よだれまでたらして」
アキの舌を引っこ抜けるくらい強く吸い上げる
じゅるっ・・じゅるじゅるるる・・・アキの味がします。

吸われるたびにアキの体がぴくっぴくっと震える
「アキ・・イク所みせて」
そう耳元でいうのが合図ぶるっと震えるアキ
これからされる事を理解していっそう強く抱きついてくる
私は密着した状態から腕を動かし彼女の下腹部に手を回していきます。
彼女の太ももをなぞるようにしながらスカートの中に
アキは普段陸上部なのでブルマをはいてることが多かったのですが
私はスカートの下に何か履いてるのが嫌いなのでアキにはやめさせました。

アキと一緒にショップにいってアキに似合う可愛いやつを選んで
私の家に来る時は必ずはいてくるように言いつけています。
手触りで言いつけを守っていることを確認しつつ
下着の中に手を滑り込ませます。

「あぁ・・っ・・・」
アキはまだ余りアンダーが生えていません
産毛のようなものが少し有るくらい
でもそこはソレと解るくらいに十分すぎる熱を帯びてトロトロになっています。
「アキ大変・・」そう言いながら私がとがめる様に意地悪な目線を送る
「ご・・め・んなさぃ・・」ばつが悪そうにトロンとした目で答えるアキ
アキの中心を探り当てると優しく摘んでコリコリっとしてあげる
最初は痛がったが今は私が触れる前に確りとかたくなって顔を出している
「あああああううっうういく・・いくうぅう」アキがつぶやく様に繰り返し始める
「アキいきなさい私に可愛くいくところ見せなさい!」
「あううっうう」抱きしめてる私の片腕を振り切るくらいに直ガクガクっと
震えるアキの細い足はぎゅっと伸びきり太ももは私の手を挟む
しばらくはピクピクと小さく痙攣して目線はどこを見てるのかわからない
しかし口元は満足げに笑ってるようにすら見える
いつも素直で天真爛漫な女の子のなんだか壊れた姿が
なんだかとっても悪いことをしている気分で私を満足させるのだった。

しばらくして息が落ち着くと今度はアキが私にしてくれる番
アキは息が整うと何も言わずに私の服を捲くり胸を露出させる
私は自宅ではノーブラなのだ
アキはまるで飢えた赤ん坊のように必死に私の乳首を吸い上げる
快感よりはむしろこの子を支配しているという気持ちの方が強い
優しくアキの髪をなでるとても幸せな気分がする
私がやめさせるまでアキはちゅっちゅっと赤ん坊のように吸い続け

アキが疲れてるとそのままアキが寝てしまうことも有る
アキとのHで私がいった事は無い
でもアキがイクのをみてこうして吸わせてると満足してしまうのだ
もう直ぐ3年生も終わる・・・アキとも一時的にお別れだ
「もう直ぐお姉ちゃんいなくなる・・」
アキには2人だけのときは私を姉だと思うように言いました。
「なに言ってるのどうせこうやって家では会えるでしょう・・」
「でも寂しいです・・・それに・・」
アキがうつむく
「どうしたの?」
「お姉ちゃん私以外の人を妹にしないでね!」
「サオリさんと仲良くするのはいいの・・でも他の人は絶対にやめて!」
「アキ・・」
私は涙をためて訴えるアキの背中を優しくあやすように
ぽんぽんと叩きながら頬にキスしました。

アキは知っていたのです。
本人から聞いたのですが、最初は単純に憧れだったのだそうです。
自分よりずっと高い身長や長い指先、颯爽と堂々と歩く姿
(バレーをやってたせいで姿勢がやたらよいだけなんですが・・)
「あんな先輩と知り合いになりたい」と思ったのだそうです。
私の事を好きだったからソレこそ一生懸命私を見ていたのだそうです。
そしたら解ったのだそうです。私がどれだけサオリを大事にしているか
サオリへの態度サオリへの愛情がどんなものか
自分や周りのほかの子達がどんなに相手にされてないか

気がつくと私に気に入られることばかり考えていたそうです。
そして美術室に私がいる事を聞きつけ
そこではサオリすら私が余り相手にしない事を知り
「サオリさんに何とかして勝ちたい」と思ったのだそうです。
だから必死で私に会いにきたそうです。

だんだんと部活への身が入らなくなり
記録は伸び悩み周囲の期待が重くなってきた頃
私とのあのキス・・・

アキは最初ただの憧れだと思っていたし
美術室に通いつめてる間も好きだとか付き合いたいとか
そういう風には発想していなかったようです。
ただ、サオリさんより大事な友達になりたい
そんな感じだったそうです。

だから私にあのキスをされたとき
自分が私を好きなことを始めて気がついたのだそうです。
そして私が女性を好きな人だということ
サオリを好きなんだと全てが理解できたそうです。

「私とアキはいつまでも姉妹よ寂しい思いはさせないよ」
しかし私の予想しないアキとの辛い別れが迫っていました。
「サキ来年からロンドンへ行くわよ」
「は?」
夕食中に突然 母が言い出した。
「貴方のお父様が来年からロンドンで新事業を開始されるの」
「それに付き添って私と貴方もロンドンへ行くわよ」
「ちょっとなによそれ!私はS高校へ行くって言ってたじゃない!」
「お母さんだけでいきなさいよ、私はロンドンなんか行かないわよ!!」
「サキ!誰のおかげで今の生活が有ると思ってるの?」
「お父様があちらに行かれる以上何かとパーティに同席したりしないといけないの」
「そんなの本妻の仕事じゃない!なんでお母さんが行く必要があるのよ!!」
「あの人の奥様はロンドン行きは嫌だそうよ」
「・・・だからってお母さんが本妻のふりしてロンドンいくことないじゃない」
「サキ・・・コレは私たちにとってもチャンスなのよ」
「貴方だってその年で海外を知るのは良いことだし」
「私とお父さんの関係が更に良いものになればもっと良い生活だって・・」
「ソレってつまり本妻と別れてお母さんと正式に結婚してくれるって事?」
「さぁ、ソレは解らないけれど・・・私だってこのままは嫌なのよ」
「お願いよサキ・・・」

と、こんなやり取りを1週間ほど続けたのですが
私の立場では母親に従うしかなく

私は結局最初の1年間だけ、ソレも社長と一緒に住むのは母親だけ
私はロンドンの寮つきの学校ですごす事その後は日本に帰り
S高校を2年から編入するという条件でロンドンへ行くことになった。

最初に打ち明けたのは勿論サオリ
「そう・・・私としてはサキちゃんと一緒の方が色々安心だったのだけど」
「でも仕方ないよね・・・それに留学って羨ましいな」
「2年になったら戻ってくるんでしょう?私沢山手紙書くからね!」

そして問題はアキ
「え・・」
事が済んだ後ベットで私が1年間ロンドンへ行くといったら
声も出さずにボロボロ泣き出し裸のまま必死にしがみついて
なだめるのに小一時間かかった。
「私にもどうしようもないのよ」
「がっ・・がっ・・ヒックこうぇあへ・・なくなるだけれも辛ぃのに・・グスッ」
「休みには一度戻ってくるわよ」
「本当ですか?」
「貴方に嘘ついても仕方がないでしょう?」
「グスッ・・」
アキの頭をなでながらいつもよりずっと優しく言う
「手紙いっぱい書きます・・・サオリさんより沢山書きます・・・」
「私も楽しみにしてるわアキ」

その日はアキを家に泊めて朝まで抱き合って眠りました。

その後の年末年始から卒業の日までは出来る限りアキに構ってあげました。
この頃になると私自身もアキへの情が一層深くなり
本当に恋人のようにデートを繰り返していました。

サオリは合格自体は確実ではありましたが
優秀者奨学金制度を目指して受験勉強に忙しく
私はなるべく邪魔をしないようにアキとばかり遊んでいました。

アキは私が行くところならどんなところへでも黙ってついてきました。
あえなくなる寂しさを忘れるように私たちは色んなところでキスしたり
抱き合ったりしていました。
人目は出来る限り考えてしていたつもりだったのですが事件は起きてしまいました。
「3年の花崎さんと2年の秋田さんってレズらしいよ」
「なんか2年の子が水族館ですっごい親密に見つめ合ってるの見たんだって」
卒業秒読みの時でした。

学校では私たちの噂が飛び交い
人づてに聞けばとんでもない尾ひれはひれが付いて広まっていました。
「前途あるアキを無理やり陸上部から奪い取った」とか
「アキ以外にも何人か手に掛かった」とか
どれも勝手なものばかりでした。

挙句私とアキは別々に指導室に呼ばれ先生方お歴々の集まる中
色々と聞かれることになりました。
私はもう正直ウンザリでした。
好奇心いっぱいで聞いてくる男子や女子クラスメイトの面々に
好奇の目で見られいい加減頭にきていました。
「何もかもぶちまけてしまいたい」と
そんな黒い炎が渦巻いてくるのを感じていました。
しかし、そんな私の理性をつなぎとめたのは他ならないアキでした。
不安げに私を見るアキの顔を見て
(この子に可愛そうな思いはさせたくない)
そう思い踏みとどまりました。

私もアキも噂になってるような関係はない事
ご両親の公認で勉強を私が見ている事
親しそうに見えたのも
純粋に先輩と後輩としての関係であると言い張りました。

先生方はそれで十分納得してくれ
これ以上教師側でも騒いだり火消しに回れば
余計に不要な噂が広まるだけだと考え
この事は今後無視するようにいわれました。

噂はそのうち収まるだろう
ソレでなくても私はそのうちいなくなるのです。
しかしアキにはその後1年があるのです。
アキは私がいない間も猛勉強して必ずS高校へ行くと言っています。
私のいない1年間余計な事で辛い思いはさせたくありませんでした。

私は以後何を言われても無視で通しました。
卒業に向けての準備もサオリが何かと防波堤になってくれ
私は他の生徒達と余り関わらずに済みました。
アキは出来る限り私のそばに居たいだろうに学校では
私の言いつけを守り、私のそばにこようとしませんでした。

   そして 卒業式当日

私は音楽室に朝早く一人で来ていました・・・
見飽きたはずの教室と廊下 
気持ち一つでこんなに見違えて見える物なのでしょうか

「やっぱりここに居た」
「サオリ・・・」
ピアノの前に座ったところでサオリが入ってきました。
胸には卒業生がつける花をつけています。

「小学校の卒業の朝もサキちゃん音楽室でピアノ弾いてたから」
「はいこれサキちゃんのお花」
「2年生の子達張り切っててもう来てたよサキちゃんの分ももらってきた」
「つけてあげるね」
サオリは私の隣に来ると私の胸元に花をつけてくれました。
「サオリ御免ね・・最後に色々迷惑かけて・・」
「ん、そんなことないよ」
サオリは静かに首を左右に振る
「でも・・嫌でしょう?私みたいな(レズ)のが親友で・・・」
「私は気にしないよ・・それに私・・知ってたもん・・・」
「えっ?」私は思わず驚いて振り返る
「あっwサキちゃんがそんな顔するの始めてみたw」
「サキちゃんでも驚いた顔するんだねw」
サオリが無邪気にでも静かに優しく笑う
「私だって驚くことはあるわよ」少し憤慨する
「ふふふ・・うん・・そうだねごめん・・いつも私の前ではクールだから」
「ちょっとだけ嬉しくてw」

「・・・・・」
「・・・・」

しばらく見つめあう
「それにね私嬉しかったよ」サオリが言う
「何が?」
「うん、サキちゃん私・・あの時の恩返しが出来たかな?」
「あの時?」
「そう・・6年生の時の事」
「ああ・・別に良いのにそんなこと」
「ううん・・良くないよ私ずっと感謝してた。」
「あの時のことだけじゃないよサキちゃんが友達になってくれて」
「お父さんが居なくなっちゃってからずっと寂しかったから・・」
「家に遊びに来てくれるようになって、おばあちゃんもおじいちゃんも凄い元気になった。」

「本当サキちゃんと親友になってよかった。」
「ありがとうサキちゃん・・・」
急に胸を強いものが締め付けてきた。
「ん・・」
(わたしこそ・・)
(ごめんね・・こんな我がままで勝手な女で・・)
言いたいこと感謝したいことが沢山あったけどいえなかった。
こういう時、素直なサオリやアキが羨ましかった。

「私行くね・・他にもサキちゃんとお話したい子がいるみたいだから」
サオリが何もいえない私を察して立ち上がるという
「えっ?」顔を上げると扉の前にアキが立っていた。

「アキ・・・」
「ごめんなさい・・先輩の靴があったから・・・・・」
「アキちゃんサキちゃんをヨロシクネ」
サオリがアキの前に行き優しく抱きしめて言う
「えっ・・」驚くアキ
「サキちゃんの大事な人だもの私にとっても大事な子」
アキの頭を優しくなぜると
サオリは私のほうを見ないで音楽室を出て行きました。

「・・・・・」
ばつが悪そうに私をみるアキ
「そんなところに立ってないでコッチいらっしゃい」
「は、はい!」
たぱたぱと小走りで私のそばに来る
「学校じゃそばにきちゃダメって言ったでしょう?」
「ごめんなさい・・でも今日で最後だから・・・」
言葉をさえぎるようにアキの頬に手を置く

「そんなんで1年間やっていけるの?」
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「S学校に行くんでしょう?」
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