えちえち体験談
幼馴染(以下:幼)「なぁ」
男「ん?どうしたんだ?ここ2年の階だけど」
幼「いいんだよ、お前に用があるんだから」
男「そか、で、一体何?」
幼「ここじゃ話しにくいんだ、今日帰りヒマか?」
男「その予定だけど」
幼「じゃあ、久しぶりに一緒に帰ろうぜ。その時に話すよ」
男「わかった………なんだよ一体……」
男「で、話ってなんだよ」
幼「せっかちだな、そんなに急ぐなって」
男「そりゃお前がいきなり改まって話があるとか言うからだろ」
幼「そりゃあそうなんだけどさ」
男「話にくいことなのか?」
幼「うん、かなり」
男「ふーん……じゃあ無理に急いで話しなくていいんじゃねーの?」
幼「そういうわけにもいかないんだよ。タイムリミットがある」
男「いつ?」
幼「ひと月ってところかな」
男「よくわかんねぇけど、じゃあ話したくなったら言えよな」
幼「うん……」
幼「もし、だぜ?妹ができたら……なんてこと、考えたことあるか?」
男「はぁ?ねぇよそんなの。大体お前だって知ってるだろ、もうお袋いねーの」
幼「だから!仮定の話だよ!」
男「妹、ねぇ……別に欲しいと思ったことねーからな」
幼「そうなのか?」
男「でもまぁ、今から妹ができるってなら可愛い子なんだろうな。赤ん坊の世話とか好きだぜ」
幼「そ、そうじゃなくって、もっとこう、同い年とか、いっこしたとか」
男「はぁ……?(プッ)くっくっく……そんなことあるわけねーだろ」
幼「……何にも聞いてないのか」
男「は?なんだって?」
幼「そんなこと、あるかもしれないぜ?」
男「……どういうこと?」
幼「うちの母親が、お前の親父と再婚するって話」
男「………はぁっ!!!?」
幼「やっぱ聞いてなかったみたいだな」
男「き、聞いてねーよ!?なんだそれ!!初耳だぞ!っていうかふざけんな!!」
幼「ふざけてなんかいねーよ……オレだって聞いたときは冗談じゃねーと思った」
男「ぎゃ、ギャグじゃないのか………?」
幼「ねーよ。帰ってお前の親父に確認してみろ」
男「………マジで?」
幼「うん」
男「お前が…?俺の、妹……?」
幼「……まぁ、そうなることになるな」
男「………」
幼「はじめまして、これからよろしくな、アニキ」
翌日
妹「よう、おはよ」
兄「あ、あぁ……お前か」
妹「お前ってなんだお前って、妹だぞ妹」
兄「その話、マジだったんだな」
妹「あぁ、だから言っただろ?」
兄「あんなのすぐに信じられるわけねぇだろ」
妹「でも今は?」
兄「……信じるしかねぇけどさ」
妹「だろ?」
兄「でも何でタイムリミットが1ヶ月なんだ?」
妹「それまでお互いの家族で相談しようってことなんじゃねぇの?そこまでは知るかよ」
兄「なんだかなぁ……」
妹「まぁ、別にお前がオレのアニキになっても楽しそうだけどな……」
兄「お前みたいな可愛げのねぇ妹なんかいらねぇよ」
妹「な、なんだとっ!!?」
妹「そういやさ、最近全然会話してなかったよな」
兄「そうだなぁ。高校はいってからは結構忙しかったしな」
妹「去年はオレも受験で忙しかったからな。ここ結構偏差値たけーし」
兄「無理して私学の進学校なんかにどうして来たんだ?」
妹「来たかったから」
兄「来たかったのか」
妹「あぁ」
兄「もしかして、俺がいるから来たかったとかか?…なんてな」
妹「(バーカ……//////)んなわけねぇだろ」
兄「まぁ、久しぶりだし、しばらく話さなきゃならないな、いろいろと」
妹「オレと話すのイヤなのかよ」
兄「そういうわけじゃねーけどさ」
妹(ホッ……)
妹「んでさ」
兄「ん?」
妹「今日あたりお前の家行っていいか?久しぶりだし」
兄「いいけど、何も変わってねぇぞ?」
妹「んや、なんかウチの家引き払って、しばらく一緒に住むんだってさ」
兄「はぁっ!!!???だから唐突なんだよ何もかも!!!」
妹「オレだって今朝いきなり聞いたんだよ。オレに文句言うなよな」
兄「なんか……」
妹「ん?」
兄「二人揃って親のやることに振り回されてるよな」
妹「あはは、そうかもな」
兄「楽しそうに言うなよな」
妹「だってこんなこと一生あるかないかだぜ?」
兄「全然楽しくねーよ……」
妹「なぁ……」
兄「ん?」
妹「一つ、お願いがあるんだけど……」
兄「なんだよ改まって。また驚愕の事実が増えるわけじゃねーだろうな」
妹「……『お兄ちゃん』って呼んでいいか……?」
兄「………//////」
妹「ダメ、かな、勿論、人がいるときは言わないからさ」
兄「べ、別にいいけど」
妹「ホントか!!」
兄「あぁ、ただし」
妹「ん?」
兄「『オレ』もついでにやめろよな」
妹「えぇ!?なんだよそれ!!」
兄「どうせ妹なら可愛いほうがいいからな」
妹「………わ、…わかった……//////」
妹「おに、お兄ちゃん」
兄「//////」
妹「何で返事しねーんだよ!」
兄「やっぱ無理!なんか気恥ずかしいからやめようぜそれ!」
妹「でも、オレ…私、ずっとそう呼びたいって思ってた…」
兄「……//////」
妹「やっぱダメ?」
兄「…いいけど、とにかくその乱暴な口調も一緒に直せ」
妹「んなこといったって、すぐにうまくできるわけねー…ないじゃん…」
兄「お前見た目は可愛いのに性格と口調で損してるって言ってんだよ」
妹「……え?何?」
兄「なんでもねぇ!!もう行くぞ!!」
妹「なんだよ、さっきのはっきり言えって!!」
兄「だから口調を直せ!!」
妹「お邪魔しまーす」
兄「これから住むんなら、ただいま、だろ」
妹「だからすぐには無理だって……」
兄「どっちにしたって直したほうがいいぞ、口調もな」
妹「なんでそんなに口調に拘るんだよ。オレはオレのほうが性に合ってるんだって」
兄「ハァ……ったく!もう二度と言わないからよく聞けよ!」
妹「な、なんだよ……」
兄「お前その口調さえ直せば今よりずっと可愛いんだって、だから直せ」
妹「かわっ………!!!!??//////」
兄「分かったか」
妹「……ホントに、そう、思うのか?」
兄「あぁ」
妹「じゃ、じゃあ、お前…お兄ちゃんが、そういうなら、そうする……」
兄「//////」
妹「なぁ、口調口調って言うけどさ」
兄「まずその、『なぁ』とかの時点でおかしい」
妹「ぐっ……(口のへらねぇヤツ…)」
兄「やり直し」
妹「ね、ねぇ、口調口調って、言うけどさ」
兄「うん?」
妹「オ…私だけじゃ、不公平だ…よ、だからその……」
兄「言えてない言えてない」
妹「……えっと、私だけじゃ不公平だよ、…お兄ちゃんも、ちゃんと妹に接するみたいにさ」
兄「みたいに…?」
妹「もうちょっと、昔みたいに優しくしてくれてもいいじゃん……」
兄「っっ!!//////」
妹「な…ねぇ、お願いだから」
兄「わ、分かった分かったっ!!」
妹「ほ、ホント?」
兄「あぁ、じゃあこれからは俺も気をつけるよ」
妹「おっしゃ!!!!」
兄「今の、やりなおし」
妹「あっ……」
兄「い、妹……」
妹「……(あっ、オ、オレか!)うん?な、何?」
兄「なんだか、変なことになったけど……」
妹「けど?」
兄「…えーっと、これから、よろしくな」
妹「……//////」
兄「な、なんとか言えって」
妹「う、うる……さいな、これでも頑張ってるん…だよ、えっと……だからその…」
兄「うん」
妹「は、はじめまして……これからよろしく……」
兄「……」
妹「……」
兄妹「///////」
妹「この部屋?」
兄「あぁ、昔は子供部屋に使ってたんだけどな」
妹「カビくっせぇ……」
兄「やり直し」
妹「うっ……す、すごい匂い……」
兄「まぁな、ちょっと換気しないと(ガラッ)ダメだな」
妹「なんかオ…私だけ、すごく話しづらい…」
兄「もう弱音吐くのか?らしくねぇ」
妹「そ、そんなんじゃね……ないけど……」
兄「………(プッ)」
妹「なっ何?」
兄「いや、なんかちゃんとしてるとちゃんと可愛く見えるなって思ってさ」(ナデナデ)
妹「なっ!?なんだよ!!それ!!」
兄「優しくしろって言ったの妹だろー?」(ナデナデ)
妹「うぐっ……」
兄(なんか面白いなコイツ)
兄「そっちは俺の部屋だぞ、知ってるだろ」
妹「いいじゃん、久しぶりに部屋見せてよ」
兄「まぁいいけどさ」
妹「お邪魔しまーっす!」
兄「どんだけ勢いよく入るんだよ…」
妹「なぁんか、全然変わってねぇなー」
兄「そりゃそうだろ。っていうか今のやり直し」
妹「くっ………な、なんか、あんまり変わってないね」
兄「よろしい。で?もうそろそろ日も暮れちまうぜ?」
妹「あ、そのことなんだけどさ」
兄「うん」
妹「私今日この家に泊まる」
兄「はぁ!!!???」
妹「あ、そうだ食べるものなんかあん……何かあるの?」
兄「…まぁ及第点…あるけど」
妹「じゃ、じゃあ、私夕飯作るよ」
兄「え、お前作れるのかよ」
妹「 や り な お し 」
兄「くっ……妹料理できるのか?」
妹「バカにすんなよな、ちゃんと…あっ……バカにしないでよね、ちゃんといつも作ってるんだから」
兄「へぇ〜、じゃあお手並み拝見だな」
妹「まかせと…いてよ、驚かしてあげるから」
兄「…しゃべりづらいな」
妹「…うん…」
兄「まぁ、なんとか慣れるよう頑張るしかないな」
妹「や、やめたりはしないの…?」
兄「予想以上にお前が可愛いからやめない」
妹「///////」
妹「じゃんっ!できたよ」
兄「おぉ……残り物だけでよくこれだけ……」
妹「少しは見直した?」
兄「見直した見直した!うまそうだな〜」
妹「あ、待てよ、オレも食うんだから!」
兄「やり直し」
妹「ま、待ってよ、私も食べるんだから!」
兄「……」
妹「な、何?じっと見て……」
兄「妹って実は、意外といいお嫁さんになれるんじゃないか?」
妹「褒めてるの?」
兄「モチ」
妹「し、知らないよそんなの!//////」
兄(分かりやすい奴…)
妹「どう?」
兄「うん、うまい。見直した」
妹「ホントか、やった♪」
兄「意外と順応早いのな、お前」
妹「おm……お兄ちゃんこそ、『お前』はやめてよね」
兄「だってずっと『お前』だったしなぁ」
妹「だから私だって頑張ってるじゃん……」
兄「わーったわーった、俺も頑張ればいいんだろ頑張れば」
妹「あ、そのエビフライ!オレんだぞ!!!」
兄「やり直し」
妹「あっ………」
兄(モグモグ……ゴクン)
妹「ず、ずるい!!」
妹「一ヶ月かぁ……」
兄「なんだよ、タイムリミットか?」
妹「うん……短そうで、長そうで、微妙だよね」
兄「そうかぁ?一ヶ月なんてきっとあっという間だぜ?」
妹「だと、ちょっと困る」
兄「何が?」
妹「いや、なんでもない、こっちの話」
兄「?変な奴…」
妹「ねぇ、私これから、できるだけここに泊まるようにしていい?」
兄「…いや、そりゃいいけど、どうせ親は了承済みなんだろ?」
妹「うん………」
兄「なんだよ、お前が何か隠してるのはすぐ分かるぞ」
妹「……今、お母さんと、えっと…お兄ちゃんのお父さん、旅行中だから…」
兄「それが?」
妹「一人は、寂しいから、嫌い………」
兄(ニヤニヤ)
妹「な、何だよその笑い方は……」
兄「いや、俺の知ってる以外にも可愛いところあるんだなと思ってさ」
妹「ま、またそれかよ!なんなんだよ、もう!!」
兄「口調戻ってるぞー」
妹「もうめんどくせぇ!明日から始める!!」
兄「じゃあ今は元通りでいいのか?」
妹「勝手にしろよ」
兄「一応断っておくけど、俺前からお前のこと本当に可愛い奴だと思ってたんだぜ」
妹「……えっ……?」
兄「口調は乱暴だけど、ちゃんといろいろ気遣いのできる奴だってことも知ってるし
ずっと勿体無いと思ってたんだぜ、顔も可愛いし」
妹「//////バーカ…いきなり何語ってんだ…」
兄「おっぱいも結構あるしな」
妹「っっ!!!!??し、死ね変態クソアニキ!!!!!!」
妹「もういい、これ以上からかわれたらどうにかなりそーだ」
兄「ん?どうした」
妹「うっせー、風呂借りるぞ。覗くなよ!!覗いたら殺すからな!!」
兄「物騒な妹だこと……」
妹「ふんっ……」(ピシャンッ)
兄「さてと、”アイツの部屋”の片付けでもするかな………」
妹「……今までずっと、話さなかったくせに………
あーーーーー!!もうっ!!クソ!!ちょっとときめいてんじゃねーよオレ!!!
くそっくそっ!!忘れろ忘れろ!!!!!
アイツは、アニキになるんだ、これから……だから……ダメなんだこんなの……」
妹「あああああああああああああああああああ!!!!!」
兄「うぇ!?な、なんだぁ?(ドタドタドタ)
お、おい、妹?どうした?」
妹「ちょっっまっっっ!!!(ガラッ)ひっっっ//////」
兄「あっ………//////」
妹「キャアアアアアアーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
兄「ご、ごご、ごめん!!!」
妹「い、いきなり入ってくる奴があるかよ!?//////」
兄「そ、それはお前が悲鳴なんかあげるからだろ!!」
妹「だからって、だからってお前、お前なぁ!!!!」
兄「わ、悪かったよ…」
妹「わ、待った!!い、行くな!!」
兄「えぇ?なんなんだよだから?」
妹「き、着替え……」
兄「………忘れた、のか」
妹「だ、だって、今朝急に聞かされて…その…」
兄「わ、分かった、とりあえずここにシャツ置いておくから、ちょっと待ってろ」
妹「あ、うん………」
兄(びっくりした……アイツの裸なんてはじめて見た…はじめてだけど、
昔よりずっと……い、いかんいかん、何考えてるんだ俺は!!
アイツはこれから妹になるんだぞ!?欲情なんかしたらまずいだろ……!!)
妹「お、おい……服は……?」
兄「うわぁ!!!!シャ、シャツ一枚でうろつくなっ!!」
妹「だ、だってお前がいつまでたっても服持ってこねぇんじゃねぇか!!」
兄「そ、それはそうだけどっ!!!頼むからちょっと待ってくれ!!」
妹「その前に服だって!!っておい、どうしたんだよ!」
兄「いや、ちょっと、下がってくれ…今はその……」
妹「よく聞こえねぇぞ?おいってば!…あっ………//////」
兄「っ……//////」
妹「ご、ごめん……」
妹「ぷっ……はは、ははははは」
兄「わ、笑うなよな!!笑うトコじゃねーぞ!!」
妹「ごめ、でも、あははははは」
兄「くっそ………」
妹「悪い悪い、そりゃ、そうだよなぁ、………ふぅっ」
兄「いきなり昨日の今日で、”妹です”なんて言われたってだな……」
妹「……そうだな、オレもそう思う」
兄「だからこれは、生理現象というか、仕方ないことというか……」
妹「………ぷっ」
兄「だから笑うなってのに!!」
妹「だぁってさ!」
兄「くそ、あんまりからかうとホントに怒るぞ!?」
妹「え………あっ!!」(ドサッ)
妹「…ちょ、ま、おま、ちょっと落ち着けって!」
兄「……(ゴクッ)」
妹「……ほ、本気、なの、か?」
兄「俺はな、いきなり近くでハダカ見せられて、冷静でいられるようなできた人間じゃねぇんだ」
妹「ちょい、タンマ、ストップストップ!笑ったのは、謝るから!お、おいって!!」
兄「………(ちゅっ)」
妹「んんっ!?」
兄「冗談じゃねぇよ……」
妹「……顔、マジだぜ?」
兄「マジだもん」
妹「そっか……ちょっと安心した……」
兄「安心……?」
妹「ホント言うとさ、少し心配だったんだぜ」
兄「何が?」
妹「お前、いつもオレのことガキ扱いするんだもん…
女として、異性として見てくれてないんじゃないかって心配だった」
兄「そ、そうだっけ…」
妹「そうだよっ!ずっと前から!」
兄「そ、そんなことねぇよ……」
妹「うそつけ!オレがチョコ渡した時だって、中学ん時一緒にプール行ったときだって!」
兄「あ、あれは…その…」
妹「なんだよ」
兄「て、照れくさかったんだよ……今更、お前のこと意識してるなんて……」
妹「…え?……」
兄「ほんっと、冗談じゃねぇよな……いきなり親の都合で兄妹なんてよ……」
妹「おい、ちょっ、さっきなんてった?もう一回!」
兄「いやだね」
妹「んだよ!卑怯だぞお前!!」
兄「卑怯で結構」
妹「っっ!!今の!!!!」
兄「あ?」
妹「今の……ファーストキスだったんだぞ!!!!責任とれよ!!!」
兄「せ、責任ってお前……」
妹「責任もってちゃんと言えよ!わっかんねぇだろ!!」
兄「………(スッ)……服、着ろよ。そのままじゃ風邪引くぞ」
妹「ズル!インチキ!卑怯者!!」
兄「なんと言われようと結構だ」
妹「ずるいよそんなの…………いっつもいっつも…(ぐすっ)」
兄「お、おい……?」
妹「ずるいよ、オレはずっと、お前のこと好きだったのに、
い、今更になって、言うのおせぇよ………ぐすっ……なんで、もっと早く…言ってくれなかったんだよ
ずっと、ずっとずっと待ってたんだぞ!!」
兄「お前………」
妹「好きなんだよ!!お前のことが!!」
兄「……お、俺だって………」
妹「…ぐすっ」
兄「も、もう泣くなって……」
妹「……つづき、しろよ」
兄「は?」
妹「さっきのキスの、つづきしろよ」
兄「続きって、何言って…」
妹「まだ!!!」
兄「っっ!!」
妹「まだオレはお前の妹じゃねぇし、お前はオレのアニキじゃねぇだろ!!
だったら!つづき、しろよ……オレ決めてたんだ、最初なら、お前だって……」
兄「そ、そんなこと…」
妹「このぐらいのワガママ、認めてよ……自分はずっと、ズルしてたくせに……
このままお前の妹になるなんて、ヤダよ、お願いだから……」
兄「………(ドキドキ)………」
兄「バーカ」
妹「は?」
兄「なぁに必死になってんだよ。このままなんて、するわけねーだろ」
妹「そ、そんなのっ!!」
兄「焦る必要なんかないだろ、タイムリミットは1ヶ月、お前がそういったんじゃねーか
だったら今日、今ここでじゃなくたって、チャンスは幾らでもあるだろ」
妹「ぇ………え………?」
兄「だからな、服着ろよ。今日はもう、そんな気分にはなれないんだ」
妹「………ぐすっ…」
兄「俺は、このまま勢いに任せてお前を抱きたくない。ちゃんと段階を踏んで、だな……」
妹「じゃ、じゃあっ!!」
兄「ん?」
妹「一ヶ月でいい!!オレと、恋人として付き合ってくれ!!!」
兄「あぁ、いいよ。俺も、お前のこと好きだから…」
妹「………うん//////」
妹「なぁ」
兄「なんだ?まだ何かあるのか?」
妹「オレ、あきらめねーからな」
兄「あぁ?だから今日は…」
妹「今日じゃなくてもいい!!ずっとお前のこと好きだったのに、このままなんてイヤなんだ
一度だけでもいい。それで納得して見せるから」
兄「まぁ、このまま兄妹だなんて、俺も冗談じゃねぇけどな」
妹「だろ!」
兄「でもさー」
妹「ん?なんだよ」
兄「あのさ、口調はホント直して欲しい。そのほうが、俺もっとお前のこと可愛く思うから」
妹「う、うん!!うん!!!約束する!!すぐじゃなくても、必ず直す!!」
兄「風邪引かないようにしろよ、ただでさえさっきまでシャツ一枚だったんだから」
妹「分かってるよ。だからいつまでもガキ扱いすんなよな!」
兄「っと、そうだったな……じゃ、おやすみ」
妹「兄」
兄「ん?」
妹「ごめん、さっきオレ、わけが分からなくなって、ものすごいかっとなっちゃって…」
兄「気にしてねぇよ。お前が怒鳴ってるのはいつものことじゃん」
妹「そ、そうだっけ//////」
兄「もう、今日は寝ろ。明日も明後日も、会えるんだから」
妹「うん………」
兄「あんまりしおらしいとお前らしくなくて気持ち悪いしな」
妹「な、なんだよそれぇ!?」
兄「ハハ、じゃ、おやすみ」
妹「お、おやすみ……」
兄「おはよう」
妹「お、おはよう…」
兄「よく寝れたか?」
妹「………」
兄「?」
妹「枕が違うと眠れない…」
兄「ははは、それですごいくまになってるのか」
妹「わ、笑うなっ!」
兄「あれ?口調は?」
妹「お、お前だって…」
兄「優しくしてるだろ?口調は、な」
妹「会話の中身がいじわるじゃんか//////」
妹「なんか変なの」
兄「何が?」
妹「人の家からガッコー行くの…今までそんなことなかったからさ
まぁ、いずれはここがオレん家になるっちゃそうなんだけど……」
兄「朝メシどうする?」
妹「任せ…てよ、ちゃんと作るからさ」
兄「じゃあ期待してる」
妹「うん、任せろ!」
兄(扱いやすい奴…)
兄「まだかよー」
妹「ちょ、ちょっと待てよっ!すぐだからっ!!」
兄「あれ、リボンどうしたんだ?」
妹「あ、あれ?制服と一緒にしといたんだけどな」
兄「なんだ、今日はポニーテールは拝めないのか」
妹「んなこといったって、今から探してたら遅刻しちゃうぜ?」
兄「………」
妹「な、なんだよ……じろじろと……//////」
兄「いや、髪おろしてるのも、これはこれでアリだな」
妹「そ、そうやってすぐからかう!!その悪い癖なんとかしろよ!?」
兄「本当に思ってんのに…」
妹「っ……//////」
妹「あぁ〜、憂鬱」
兄「随分浮かない顔してんな」
妹「だって1限から英語なんだもん……」
兄「中学の時からお前英語苦手だよなぁ、テストの点数も……」
妹「うるせぇっ!苦手なものは苦手なんだからしょうがねぇだろ!!
大体日本人なんだから日本語ができりゃいいんだよ!」
兄「…じゃあ、今日から少し勉強見てやろうか。お前他にも苦手な教科あったろ」
妹「……え?マジで?」
兄「ま、俺成績いいからな、お前と違って」
妹「感じ悪っ!!優しくねぇよそれ、やり直せ!!」
兄「妹の分からないこと、全部教えてやるよ…俺成績いいから」
妹「喋り方だけ優しくしてどうすんだよ!?」
兄「じゃ、また後でな」
妹「あ、おい」
兄「ん?なんだよ」
妹「……コレ」(ずいっ)
兄「…何?プラスチック爆弾か何か?」
妹「弁当だよ、べ・ん・と・う。どこをどう見りゃ爆弾に見えるんだ?」
兄「作ってくれたのか?」
妹「わ、悪いかよ…//////一応妹だし、彼女なんだからな…コレくらいはしたってバチはあたらねーだろ」
兄「……ぷっ……ありがとな、い・も・う・と」(ナデナデ)
妹「っ………//////」
兄「あれ、怒らないの?子供扱いしたのに」
妹「うるっせぇ!!あ、頭、なでるな!!恥ずかしんだよ!!//////」
兄「喜んでるように見えるけどなぁ」
妹「ったく…なんでアイツはいつも…」(ぶつぶつ)
友「妹、おはよー。昔みたいに兄君と仲良くなったんだ?」
妹「み、見てたのっ!?」
友「そりゃぁだってあんた駅からずっとイチャついてたじゃん。邪魔するのも悪いと思って」
妹「あ、いや、それは、えっと、邪魔というかなんというか」
友「あんたいつも分かりやすいよねぇ」
妹「友まで私をからかうっ!!」
友「は?」
妹「へ?」
友「あんた今なんて言った?」
妹「友まで私をからかう…」
友「…あんたが自分のこと『私』って…熱でもあんの……?」
妹「どういう意味だぁっ!!!!!」
妹「なぁ、友」
友「ん?」
妹「どうしたら女らしい喋り方になんのかな」
友「あんたやっぱり熱あるんでしょ?保健室行く?」
妹「だぁーから違うってのにぃ」
友「とはいえ、マジレスするとあんたが自分を『オレ』って言わなくなった時点で
ものすごい進歩だと思うわけよ」
妹「マジレスってなんだよ」
友「真面目に答えるとってことよ」
妹「それだけじゃなんかさぁ〜……」
友「……そんなこと悩まなくても十分だと思うけどなぁ」
妹「そうかぁ?」
友「女らしくなくたって兄君はあんたのこと好きだと思うよ」
妹「そっ!!!?そんなこと誰も言ってない!!!!!」
友「あんたはわかりやすすぎるんだって」
友「じゃあ妹が女らしい口調を自然にできるようになるまで協力してあげるよ」
妹「ホントか!助かるよ」
友「減点1」
妹「へ?」
友「だから、今のは減点」
妹「ちょっ」
友「『ホントか!』はやめて『ホント?』とかにしなさい」
妹(アイツより厳しい教師を選んでしまったような気がする…)
友「黙ってると習得する気がないと判断してさらに減点1」
妹「ちょっ!!減ってく一方なんだけど!!」
友「プラス100点になるまで続くからね」
妹「なんだそれぇ!?」
友「減点1」
兄「あれ、妹、なんでそんな凹んでるんだ?」
妹「な、なんでもない…」
兄「(凹んでるというよりはげっそり、か)なんかあったんか?悩み事?」
妹「なんでもねーってば、ほっとけ」
友「減点1」
妹「うわぁ!?いたぁっ!!!」
友「さらに減点1」
妹「もう助けてーーーー!!!!」(ダッ)
友「ふっふっふっふっふっふっふ逃がさないわよ〜」(タッタッタッタ)
兄「……なんだあの遊び……」
妹「い、今何点…?」
友「マイナス61点」
妹「そんなに〜?もう喋りづらいよ……」
友「しっかりしなさい、自分のためよ」
妹「でもさぁ、ホントに私に女らしい口調なんて、似合うかなぁ…?」
友「それはうん、あんた見た目は綺麗だしちんまり可愛いもの、大丈夫だと思うよ」
妹「だと良いんだけど……道のりは険しい……」
友「こういうのはまず、減点されないような喋り方を考えるといいのよ」
妹「そんなこと言ったって…普段喋りなれた話し方ができないのは辛いよ」
友「当たり前でしょ今日始めたんだから。そんなにすぐにできるようにはならないわよ」
妹「で、でも、1ヶ月以内にマスターしたいの!」
友「大体なんでそんなに急に必死なのよ?」
妹「そ、それは…言いたくない……」
友「ははぁん?」(ニヤニヤ)
妹「その笑い方やめてよね//////」
友「妹、しょげてないでお昼だよ」
妹「そんなの言われなくても分かってるけど…それがどうしたの?」
友「あんたバカねぇ」
妹「バ、バカってなんだよ!?」
友「もうめんどくさいから点数だけ言うね、−85点」
妹「ぐっっ………」
友「『ぐっ…』も減点ね、-86点」
妹「もういいから、それでお昼がなんなの?」
友「お昼ご飯は好きな人と一緒に食事するチャンスなのですよ、おバカな妹君」
妹「……………あっ!!そ、それだ!!」
友「本当に気づいてないとかよっぽどの天然かバカじゃないの?」
妹「ご、ごめんね友、私ちょっと行ってくる!!」
友「乙女らしいのでプラス1点」
妹「ハァ、ハァ、まだ、教室にいるかな……」
兄「もういないんじゃねぇの?」
妹「ひぁっ!?い、いきなり背後に現れないでよ!!」
兄「…………」
妹「な、何?」
兄「なんで今日半日でやたら口調が矯正されてるんだ……?」
妹「え?そ、そう?」
兄「う、うん……妹随分頑張ってるんだな…?」
妹「そ、それはもう、スパルタ教師がつきましたから…」
兄「??」
妹「と、とにかく、まだお昼食べてないんなら、あの、一緒にどうですかっ!」
兄「何故に敬語」
妹「敬語だと減点されにくいから」
兄「?????」
兄「へぇー減点方式ねぇ。そりゃあ随分精神的に堪えたろ?」
妹「堪えた、なんてレベルじゃないよ、もう拷問だね拷問」
兄「でもまぁ、その友達には感謝したほうがいいんじゃないか?だって結果でてるし」
妹「そう思う?今の口調のほうがいいかな?」
兄「うん」
妹(素直に頷かれるとそれはそれで恥ずかしいんだけどな//////)
兄「それよりメシ食べないのか?うまいぞ、妹の弁当」
妹「…………」
兄「な、なんだよじろじろ見て…自分で作った弁当だろ」
妹「なんか…(キョロキョロ)…お兄ちゃんといるほうが話すの随分楽」
兄「ここは誰も来ないぞ、俺一人で食べるからな、いつもここで」
妹「そうなの?じゃあ今度から私も来ていい?」
兄「//////」
妹「ちょっと?」
兄「あ、あぁ、モチロン全然構わないよ」
妹「♪」
妹「お昼の後っていつも何してるの?」
兄「そうだなぁ、大抵の場合は友達と体育館でバスケとか、使えない日は教室だな」
妹「ふーん……」
兄「そういう妹はどうしてるんだよ」
妹「うん、いつもは委員会の皆と一緒に食べるから、その後もそのまま委員会の部屋にいるかな」
兄「どうりで見かけないわけだ」
妹「あ、実は私のこと探したりとかしてたんだ?」
兄「してねーよ」
妹「なぁんだ…ちょっと期待したのにな」
兄「お前さ」
妹「ん?」
兄「短期間で随分可愛くなったな?」(ナデナデ)
妹「あ、頭なでんなっての!!!//////」
兄「素になると元に戻るのな」
妹「じゃあ、私も教室戻るね」
兄「おう、弁当美味しかった、ありがとな」
妹「………//////」
兄「頭もっとなでてやろうか?」
妹「は、恥ずかしいからいい…」
兄「そうか、じゃあな」
妹「あ、うん………」
友「ダメダメー、今のはもっと押してかなきゃ」
妹「うわっ!!い、いたの!?」
友「-88点」
妹「い、一点余計に減ってない………?」
友「さっき『頭なでんなっての』で減点」
妹「盗み聞きしないでよ!!!!??」
妹「うー……もうどうしたいのか自分でもよく分からなくなってきた…」
友「なんで?結構好評だったみたいじゃん、あんたの弁当も口調も」
妹「それはそうなんだけど……」
友「点数のこと?確かに既に-91点は結構なペースだけど」
妹「それは忘れさせてください……」
友「じゃあ何が不満なのよ?」
妹「優しくなってくれたのはさ、そりゃ、嬉しいんだけどね」
友「……つまりその程度では満足できないと」
妹「わざわざ口に出して言わないでよ恥ずかしいなもう……」
友「だってそうなんでしょ?」
妹「うん……昔みたいに優しい、じゃぁ、昔に戻っただけじゃん……そうじゃなくって……」
友「だからもっと押してけって言ったのにぃ、帰り一緒に帰ろうって誘ってみれば?」
妹「………そ、それだ!!」
友「…あんたってホント面白いよね」
妹「あ、兄」
兄「ん?…なんだよこんなところで待ってたのか?」
妹「あー、うん、いや!?」
兄「どっちだよ」
妹「こ、こんなところで会うなんて偶然だね!?」
兄「2年のゲタ箱じゃん」
妹「ちょうどいいし一緒に帰らない?」
兄「変な奴」
妹「………友のウソツキ…」
兄「待ってるならメールでもすりゃいいのに、そしたらこんなに余計に待たなくて済んだんだぜ」
妹「あっ…えっ?………//////」
兄「おい、何ぼーっと突っ立てるんだ?帰るのか帰らないのか、はっきりしろよ」
妹「か、かえるっ!!」
兄「早くしないと置いてくぞ〜」
妹「ば、バカちょっと待てよ!!今行くってば!!」
兄「昔はよくこうやって頭撫でてたよな、そういえば」(なでなで)
妹「うん」
兄「今は撫でても怒らないのか?」
妹「恥ずかしいだけで、撫でられるのは嫌いじゃない//////」
兄「なるほどね」
妹「だから、二人のときは平気」
兄「それじゃあ逆におもしろくねぇな」
妹「面白がって撫でてるのかよ!?」
兄「だって妹撫でるとすぐ照れて赤くなるだろ、見てて面白いんだよ」
妹「お前な、人をおもちゃみたいに扱うなよな!」
兄「はは、友人の採点から開放されたら途端に口調戻ったな?」
妹「あ………」
兄「そのほうがいつもの妹らしいけどな」
妹「ヤダ、ちゃんと気をつける」
兄「そんなにムキになんなくてもいいだろ?」
妹「だって、………その方が頭撫でる回数多かったもん……」
妹「そうだ、兄…一度私の家に行って着替えとか荷物とりに行かないと」
兄「あぁ、そうだな、また”あの格好”されても目のやり場に困るからな」
妹「ついでに夕飯も考えておかないとなぁ…」
兄「なんか忙しいな」
妹「親の都合でね」
兄「…まぁでも、なんだろうな…」
妹「…?なんだよ」
兄「うん」(きゅっ)
妹「っ//////」
兄「妹とこんな風に手を繋いで歩けるようになったのは、少し感謝かな」
妹「……まぁ、ね」
兄「お前の部屋随分女らしく…は、なった、かな?うん…」
妹「勝手に部屋まで入ってくるなよな!?大体なんだよその曖昧な反応は!!」
兄「いやぁ、だって、女の子の部屋って言うとなんかこう目の前の景色とは違う気がして」
妹「悪かったな女らしくなくて!!」
兄「口調口調」
妹「っっ!!」
兄「あ、このぬいぐるみ、懐かしいな」
妹「あ?あぁ、もらったのもう5年も前だっけ」
兄「昔の俺じゃこんなものくらいしか、手に入らなかったしな」
妹「あんまり触るなよな…大事なオレの宝物なんだから……」
兄「………」
妹「………なんだよ」
兄「また可愛いところ見つけたと思って」
妹「もう出てけ!!今日はもうからかいすぎ!!」
兄「荷物多いな…大丈夫か?持つぜ?」
妹「そうしてくれると大分助かる…さすがに重い」
兄「一旦帰って原チャ持ってきたほうがよかったかもな…よいしょっ」
妹「原チャなんか乗ってるの?」
兄「あぁ、高1ん時に免許とって…バイトの時とか足があると楽だからな」
妹「そういえばバイトしてるんだっけ」
兄「まぁそんなにいっぱい入ってるわけじゃないけど、自分の自由にできる金が欲しくてな」
妹「なんだかさ」
兄「ん?」
妹「知ってるようで、結構知らないことのほうが多いんだね…幼馴染って…」
兄「そりゃあ、家族しか知らないことだって、本人しか知らないことだっていろいろあんだろ」
妹「うん…………ちょっと思い知ったかも……」
兄「………これから知ってけばいいじゃん、そんなの」
妹「だな」
妹「ただいま」
兄「ただいまー、お、重かった……」
妹「ごめんね、きつかった?」
兄「この程度なんともない!!」
妹「いや、今間違いなく『重かった』って言ってたけど…」
兄「あぁ重かった!!何が入ってるんだ!!」
妹「へ、変なもんなんか入ってねーぞ!服と身の回りのものと勉強道具しか入れてねーもん!」
兄「勉強道具とか入れるなよクソ重たいだろうが!!」
妹「入れるだろ普通!?」
兄「とにかくくたびれた…汗が気持ちわりぃ…」
妹「もう私一人で運べるし、シャワーでも浴びれば?」
兄「そうする……」
妹「あ、そうだ、夕飯はどうする?何か食べたいものとか」
兄「あー……妹の作るものだったらなんでも美味しく食べれる自信があるぞ。何せ空腹疲労はピークだ」
妹「それ、美味しくないって遠まわしに言ってるよね…」
兄「で、今日の夕飯は?」
妹(ムスッ…)
兄「なんで機嫌損ねてるんだよ?」
妹「別に」
兄「お、今日はまた随分家庭的だな、肉じゃがまで作れるのか」
妹「肉じゃがなんて普通に作れるよ……」
兄「………」
妹「………」
兄(もぐもぐ)「うん、うまい」
妹「………」
兄「気のせいか少し表情が和らいだな?」
妹「ひ、人の顔をじっくり観察するなっ!!//////」
兄「………美味しい夕飯作ってくれてありがとうな?」(なでなで)
妹「うっ……ひ、卑怯だ……」
兄(可愛い奴)
兄「夕飯終わったら勉強見てやるよ」
妹「ほ、ホント?」
兄「朝言っただろ」
妹「うんっ!あ………で、でも、その前にお風呂はいりたい」
兄「じゃあ俺は少しくつろいでるかな」
妹「今度は着替えもあるから悲鳴なんてあげないよ」
兄「毎日あげられても困る」
妹「そりゃそうだ」
兄「………」
妹「………?」
兄「しかし俺が覗かないとも言い切れない」
妹「覗いたら殺す」
兄「物騒な妹だこと…」
妹「お待たせ」
兄「おう…先にちょっと見てたけど」
妹「勉強教えてもらうなんていつ以来だろ…?」
兄「さぁな。中学校のとき何度かあったと思うけど」
妹「よろしくね、お兄ちゃん」
兄「//////何にもでねーぞ」
妹「鼻血が出てるよ」
兄「だからここは、Thatで切るんじゃなくてここから…ここまでが一つの文ってこと」
妹「うん//////」
兄「つまりここの文の意味は、こうじゃなくって」
妹「うん//////」
兄「おい」
妹「な、なに?」
兄「嬉しい気持ちは十分すぎるほど伝わったから勉強に集中しろよ、教えてる意味ねぇだろ」
妹「だって嬉しいんだもん…」
兄「隣に座られると集中できないのか!じゃあこうか!?」
妹「うぁっ!!ちょっ!?」
兄「それともこうか!?」
妹「ど、どれでも、いいよ?//////」
兄「興奮しすぎだろ!!!??」
妹「解けた」
兄「見せてみろ…」
妹「どれぐらい?」
兄「12問中5問正解」
妹「………」
兄「凹みすぎだろ…」
妹「もー英語なんて嫌いだ……」
兄「単語の意味はちゃんとできてたじゃん、あとは文法とか読み方さえ分かれば大丈夫だろ」
妹「長文読解なんて滅んでしまえばいい……」
兄「意味がわからんぞ意味が」
妹「だって文の意味とか解釈の仕方でいっぱいあるじゃん!数式なんかよりよっぽど分かりづらいよ」
兄「じゃあこの文の意味は?」
妹「わ、私は、兄のことが好きです」
兄「不正解」
兄「お前典型的な瞬発力型なんだな」
妹「瞬発力型?なにそれ」
兄「集中力が持続しないってことだよ」
妹「そんなことないもん、自分の興味あることならちゃんと集中できるよ」
兄「興味あることって例えば何だよ…」
妹「お兄ちゃんのこととか…」
兄「勉強の話だ勉強の」
妹「……ほ、ほけんたいいく?」
兄「恥ずかしがるくらいならそういういらんボケはやめなさい」
妹「いてっ」
妹「………」(きゅっ)
兄「…手なんか握っても問題は解けないぞ。自分で解けるまで答え教えないからな」
妹「………」(ぎゅーー)
兄「おい……」
妹「もうむり」
兄「それ以上傾けると、(ドサッ)転ぶわけだが」
妹「………兄………」(のしっ)
兄「…昨日の続き、か?」
妹「うん……」
兄「まだ全然勉強進んでないじゃんかよ」
妹「兄のせいだもん……胸がドキドキして止まらなくて、勉強なんて、してられない」
兄「…ったく……そういう殺し文句だけはどこからか学んで来るのな」
妹「正直に言っただけ」
兄「まさかお前に襲われるとはな…」
妹「自分からこんなことするなんて自分でも思ってなかったよ」
兄「そのワリには手際がいいけどな」
妹「またそうやってズルする」
兄「ズル?なんのこと?」
妹「分かっててずっと知らんぷりしてたくせに…」
兄「さぁ、どうだろうな」
妹「兄みたいなのを、確信犯って言うんだよね…」
兄「そうかもね」
妹「まだ逃げるの?」
兄「逃げる?」
妹「私の気持ちを受け止めきれる自信がないから?だから逃げるの?
それとも失敗しても後で逃げ道を用意しておくため?」
兄「……さぁてね」
妹「こんだけ迫っても、顔色一つ変えないんだね…ホントにずるいよ……」
兄「いくつか勘違いしてるみたいだな?」
妹「何が」
兄「別に俺だって、いつまでも、よっ」
妹「ふわっ!?」(ドサッ)
兄「逃げてるわけじゃないんだ」
妹「うそつき。私の気持ちから逃げたくせに!」
兄「それからもう一つ、俺は感情が表に出ないだけで…」
妹「っっ!!!!」
兄「今はこれ以上ないくらいに、興奮してるんだよ」
妹「……おにぃちゃっ……」
兄「あと最後に一つ」
妹「………//////」
兄「俺はどちらかというと襲われるより襲うほうが、好きなんだ。特にお前の場合はな」
妹「……ホントにずるい……」(ちゅっ)
兄「さて、どうしてやろうかな」
妹「え……な、なに?何が?」
兄「自分からお兄ちゃんを襲っちゃうようないけない子には、お仕置きが必要だろ?」
妹「……お仕置きって……」
兄「少し恥ずかしい思いさせようか?」
妹「はずか……?……っっっ!!!//////」
兄「どうした?」
妹「や、だ、そんなに、見ないで……//////」
兄「見ないで?さっき自分から襲い掛かってきた奴のセリフか?」
妹「だって、それは、兄が、」
兄「じゃあやめておくか?怖くなったろ?」
妹「………ハァ………っ………」
兄「…………」
妹「怖くなんか、ない、もん……」
兄「やれやれ……」
妹「兄は、こんな妹、けいべつする…?」
兄「いいや、軽蔑だとか、キライだとか、そんなチャチなもんじゃないよ」
妹「………?………」
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