えちえち体験談
姉「部屋を片付けなさいって」
男「そりゃ確かに散らかってるけど・・・何の脈絡もなしにいきなり言われても訳分からないんだけど」
姉「明日、アンタの部屋が綺麗になってないとあたしが恥ずかしいのよ!」
男「まったく以って訳分からん…」
姉「…あたしの友達に女っているでしょ?その女があんたに興味あるんだってさ」
男「女さん…って、姉貴の友達とは思えない程おとなしそうな?」
姉「ちょっとアンタ…それどういう意味よ!!」ジロッ
男「何でも……いやいやいや!ありえないっしょ!!」
姉「ん?なにが??」
男「…だって俺中3だし…姉貴の友達なら姉貴と同じ二十歳でしょ?」
姉「歳のことは言うなー!」ベシッ
男「痛っ!…それに俺、顔もたいしたことないし、この性格だよ?どこに好きになる要素があr」
姉「はいそこー! 誰も好きだなんて言ってないよ〜だ」ニヤニヤ
男「!……」
姉「『興味がある』って言ってただけもんね〜」ニヤニヤ
男「………性格悪」ボソッ
姉「なんか言った?」ギュー
男「いたいいたいいたいいたい!脇つねるな!!」
姉「それにね、アンタの顔、言うほど悪くないよ?」
男「そんなことないだろ?姉貴、身内補正入ってない?」
姉「んー、それはあるかもね。でもあたしの弟だもん。そこそこいいとこいってるよ?」
男「いやいやいや、そりゃないって」
姉「だってアンタさぁ、近所の女の子に声かけられるでしょ?モテないオトコに声かける女の子なんていないからさぁ。それなりにそれなりなんじゃない?」
男「…意味がわからん」
※ちなみに始まりは1980年の11月15日(土)の設定。
だからケータイは無い。電話は親子電話。学校も会社も週休1日制。
一部の言葉は分かりやすくするために今風に置き換えてます。
男「で、それがどう展開すると俺の部屋を片付けることになるんだ?」
姉「んふふ〜、明日、家であたしと女と姉友1と姉友2の4人でクッキー焼くんだけどさ〜」
姉「女とお話してやってほしいのよ」
男「はぁ?なんで??」
姉「だーかーらー!女がアンタに興味を持ってるって言ってるでしょ!?」
男「は、はぁ」
姉「で、あたしの部屋だとギャラリーがいるから話しづらいかな〜って」
男「ちょいまち!俺は仮にも男だし?ひとつの部屋に閉じ込めたりしたら襲うとか考えないの?」
姉「隣の部屋にはあたしらがいるし、第一アンタに女を押し倒す勇気なんて無いじゃん。ヘタレだし」
男「うぅ…反論できないのが悔しい…」
姉「……それだけにね、アンタなら大丈夫かなって」ボソッ
男「ん?なんか言った?」
姉「なんでもなーい」
男(しっかり聞こえてたんですが…)
〜11月16日(日)・男の家〜
姉彼「おはようございます」ガチャ
男「あ、姉彼さん。おはようございます。今呼んできますね」
姉彼「ん、ありがと」
男「おーい姉貴ー。姉彼さん来たよー」
姉「分かったー、今行くー」
男「じゃ、掃除機掛けてくるわ」
姉「はいよー、じゃあたしらも行ってくるわ」
男「姉彼さんも大変ですね。姉貴の友達を迎えに行くとか…」
姉「なんだってぇ〜」ジロッ
姉彼「それぐらいたいした事じゃないさ。掃除より車の運転のほうがマシだろ?」
男「確かに…」
姉彼「じゃ、行ってきます」
男「いってらっしゃーい」
男「さて、掃除機掃除機…と」
〜男の部屋〜
男「んー、昼前か…掃除機も掛け終わったし、疲れたし、一休みするかな?」
男「ちょっとベッドで横になって…ふぅ…」
男「………zzz」
・
・
・
男(…ん?……なんか…いい匂いが…)
男(…ああ…姉貴達がクッキー焼いてんのか…)
男(…でも…クッキー以外の…匂いもする…)
男(…なんだろ…なんか…いい匂いだなぁ…)
男(…そろそろ…起きないと…)
男「…」パチクリ
女「!?」
男「……あー…えー…っとぉ?」
女「…あ、あの!…え、えっとぉ…おはよう…ございます…」ペコリ
男「あ、お、おはようございます」ペコリ
女「……や、その、えっと…」アタフタ
男(なんかパニクってるなぁ…おかげで落ち着くけど…)
男「どうしました、女さん?」
女「!?…な、なんでもないです!」
男(赤くなってる!…って視線の先は…)アサダチーン
女「………」ボンッ
男「…」\(^o^)/オワタ
男(…気を取り直して…)「お、女さん、想像は付くけどなんでここに?」
女「や、あの、姉さんに…クッキーを持っていくように言われたから…」
男(やっぱり…)ハァ
女「そ、そしたら…男さん寝てて…起こしたら悪いかなって…」モジモジ
男「…ありがとうございます」ペコリ
女「え?いえ、そんな…なんで?」キョトン
男「いや、気を使ってくれたんでしょ?起こさないように」
男「だからありがとうございます」ニコッ
女「……い、いえ」
男「で、クッキーはどこですか?」
女「あ、はい。机の上に」
男「ああ、これですね。で、女さんが作ったのはどれですか?」
女「あ、これです…」
男「綺麗な形してますね」
女「いえ、そんなことないです」
男「しかもうまい」
女「でも、味のほうは同じ生地を使って、一緒にオーブンで焼いたからどれも変わらないですよ?」
男「いやいや、見た目も味のうちってね。例えばこっちの歪な奴なんて見るからに味が悪そうでしょ?」
男「一目で誰が作ったかすぐに分かりますよ。姉友2さんですね、これは」
壁の向う『アトデシバク』
男「…やっぱり聞き耳立ててたか」
女「…」クスッ
男「あ、クッキーありがとうございます。」
女「あ、いえ、こちらこそ…そろそろ隣の部屋に行きますね」
男「え?」
女「さっき寝てたでしょう?まだ眠いんじゃないですか?」ニコッ
男「ええ、まぁ」
女「じゃ、おやすみなさい」ペコッ
〜夜・居間〜
姉「ほれほれ〜♪女の電話番号だぞ〜♪」ノシ フリフリ
男「……」
姉「掛けちゃうぞ〜掛けちゃうぞ〜♪」ノシ フリフリ
男「……俺は出ないぞ?」
姉「ノリ悪いな〜、その日のうちに連絡しないと女の気持ちが醒めちゃうよ?」
男「ふ〜ん…」
姉「なにその反応。いいじゃん、電話するぐらい…」
男「姉貴が電話するのは構わないけど俺は出ないからな!」
姉「およ?なにその反抗的な態度。あたしに喧嘩売ってんのぉ?」ギロリ
男「…!滅相もない!」フルフル
男(姉貴に喧嘩うって無事ですむわけがない…)ガクブル
姉「ん、じゃあいいけど…」スッ
男「…いつの間にメリケンサック装備してたんだよ、姉貴…」
男「てか、女さん、俺のどこに興味があんの?」
姉「お!アンタも女に興味ある?」ニヤニヤ
男「…正直に言うとね。女さんっておとなしそうで言葉使いも丁寧だし声もかわいいし、それに可愛くて綺麗だろ?乳は小さいけど」
姉「最後の一言余計! でも意外だわ、アンタがまともに感想言ってる…」
男「いやまあ、好意を持ってくれた人のことは一応まじめに考えるもんでしょ?」
姉「『好意』じゃなくて『興味』ね」
男(やけにこだわるなぁ…)「…まあいいや。とにかく、今まで俺の周りにいた人とは全然違うタイプだし?」
男「恋愛感情は抜きにしても、興味があるのは当たり前じゃないか?」
姉「ふぅ〜ん、ちょっと引っかかるけど。ま、アンタの言うこともなんとなーくわかるわ。女のこと、知りたい?」
男「どっちかってーと……知りたい…かな?」
姉「じゃ、なんか飲み物持ってあたしの部屋においで」
男「へ〜い」
※ここで軽く人物紹介
男 :中3、170cm、60kg。ヘタレで生真面目で楽観主義者。顔は姉曰く中の上以上。割と筋肉質な体格は毎日の犬の散歩の賜物。
女 :20歳、155cmぐらい、痩せ気味。会社員。姉の元同級生。思い遣りがあって大人しくて奥手で真面目。童顔で可愛い。殆ど化粧をしない。きれいな黒髪ストレートのセミロング。Bカップ。
姉 :20歳、160cmぐらい、やや痩せ気味。会社員。ブラはD。明るく楽観的でノリが良い。見た目は可愛くて綺麗系なので高校時代はファンクラブまであった。いろいろと最強。栗毛の髪がちょっとコンプレックスでショートヘア。
姉彼:23歳、リーマン。割とクール。結構マッチョ。いざという時に活躍するタイプ。
姉友1&2:ここでは空気。姉の元同級生。会社員。姉友1は170cmぐらい、遠目で見るとスーパーモデル級の容姿なれどお肌がゲ゙フンゲフン。姉友2は155cmぐらい。ヤンキー。顔の造りは上の下。姉には頭が上がらない。
兄 :地方の無名私大1回生で下宿中。盆と正月しか実家に帰ってこない。
女妹:高3、155cmぐらい。チョイ痩せ気味。可愛い。黒髪ロングのストレート。普通の女子高生。顔は上の中。
〜姉の部屋〜
姉「で、何から聞きたい?誕生日?家族構成?それともスリーサイズ?」
男「おい最後の…いや、知りたいです」
姉「このスケベ!それは最後の楽しみに取っておいて…」
男「知ってるのかよ!で、聞きたいのは俺に興味がある理由なんだけど…」
姉「おぉう、それはあたしも知りたかったんでばっちり聞いてるぜい!」
男「さすが姉貴」
姉「…アレは3年前の冬だった…」
男「なんでやねん!」ビシッ
姉「ナイス突っ込み!」グッ
男「…頼むからまじめに…ねぇ?」
姉「って言ってもねぇ…ん、まいっか。あたしの友達がうち来るときさ、いつもアンタに犬を押さえといてって頼んでたでしょ?」
男「姉貴に頼まれるからな。それにうちの犬、結構吠えるし」
姉「他にはお菓子を持ってきたり」
男「姉貴に言われて買いに行きました」
姉「…飲み物持ってきたり」
男「姉貴に(ry」
姉「な・ん・か・文・句・あ・る・の?」ギギギ
男「…!ギブッ!ギブです、姉貴殿!!」メキメキッ
姉「まったく…おつりは小遣いであげたのに…」
男(毎回チロルチョコぐらいしか買えなかったんですが)
姉「とまあ言うわけで、女は徐々に男に『興味を持った』のでした〜チャンチャン♪」
男「なにが『と言うわけ』なのかは分からないんだけど…要約すると、姉貴のパシリしてる俺に興味があると」
姉「…あんたその言い方、失礼じゃない!」ドスッ
男「(鳩尾!)…い…き…が…」チーン
姉「…まあそれがきっかけで女は男を見るようになったんだけどさ、興味を持ったのはそこじゃなくて」
姉「他の男とは違うって思えるところがあったからなんだってさ」
男「なんだよ、それ?」
姉「ん〜…教えない、て言うかあたしも聞き出せてないんだな〜」
男「はぁ?それじゃわかんないって」
姉「こうじゃないかなーってのはあるんだけどね」
姉「ところで男。アンタの方はどうなんよ?」
男「どうって?」
姉「女のことをどう思ってるか聞いてんの」
男「そんなのわかんねぇって。…後姿は綺麗だとは思ってたけどね」
姉「そういえばアンタ後姿フェチだった!」
男「それに今日は差し障りのないことをちょっとしか話してないし」
男「まあ、姉貴の友達だし、失礼の無いようにしてたつもりだけどね」
姉「そっか。で、どうする?これから電話するけど、アンタも話する?」
男「いや、しないって」
姉「照れるな照れるな♪」
男「…それもあるけど…相手のこともロクに知らないのに、どういう会話をせよと?」
姉「そんなこと言ってたらいつまでたっても話なんてできないんじゃない?ここは一発自己紹介からいってみよう!」
男「……ハァ、どうしてこうなった…」
〜21時・姉の部屋〜
姉「んじゃ、今から電話するから」
男「…」
姉「覚悟決めて、ちゃんと話しすんだよ?」ジロッ
男「…『御茶と御花と御琴を少々』でいいんだっけ?」
姉「まじめにやれ!」ペシッ
男「あたっ!デコピンかよ…」
姉「まったく…あ、もしもし。女さんのお宅ですか?はい、お願いします………」
姉「あ、女?うちの男があんたと話したいんだって」
男(無理矢理話をさせようとしているオーラが…)
姉「ほれ、後は思うとおり話しなさい。失礼のないようにね」
男「あー…ごめんなさい、姉貴が強引に電話したもんで…迷惑じゃないですか?」
女『…いえ、そんなことはないです』
男「そう?だったら少しお話しませんか?」
女『えっ?……はい』
・
・
・
女『〜〜〜…それじゃ、おやすみなさい』
男「おやすみなさい」ガチャ
男「ふぅ〜、んー…」ポキペキッ
姉「おーい、そろそろ交代…って、もう終わってたの?まだ20分ぐらいしか経ってないんじゃ…」チラ
男「そんなもん?もっと話してたように感じてたけど」
姉「で、どうだった?ん?んん?」グリグリ
男「肘で脇を押すなって!まあ、今日のお礼と、新情報は好きなものと嫌いなものぐらいかな?」
男「絵を見るのが好き、本を読むのは苦手、ミカンとりんごは好きだけどスイカは嫌いとか、他には…」
姉「………」
男「ん?どしたん姉貴?」
姉「あたしゃアンタに呆れてんの!なにやってんのよ!!」
男「だって何にも知らないもん同士なのに仕方ないだろ?それに収穫はあったし」
姉「収穫?」
男「うん、好きなものが分かった」
姉「あー、うん、それは収穫・・・って言うか、それぐらいならあたしも知ってるわー!」
男「あー…でも話のネタにはなったし…で、次の日曜に会う約束もしたし」
姉「ふぇえ?アンタ、ヘタレの癖にそこまでやるとは…さすがの私もビックリだわ!」
男「いやいやいや、たまたまだよたまたま!今○○美術館で特別展示やってるから、それを見に行こうって」
男「期間は11月末までだからまだ見れるよって事で、行ってくる」
姉「…アンタ、そんなことよく知ってたね」
男「ああ、購買部にポスターと割引券があったからね。じゃ、風呂入って寝るわ」
姉「はいよ〜、あたしゃ今から彼に電話♪」
男「へいへい」
男(女さんか…意識しなきゃ普通に話せるのかなぁ…)
〜11月22日(土)・夜〜
姉「おっとこー!」
男「はいはい、なに?」
姉「明日デートでしょ?アンタの服適当に買ってきたよ」
男「え?俺の服?」
姉「後で請求するからね♪」
男「…勝手に買っといてそれはないだろ…まあ出すけど」
姉「冗談冗談、出さなくていいから、その分明日のデートで女に奢ってあげなよ」
男「およ?いつになく太っ腹!妊娠何ヶ月?」
姉「そろそろ臨月でーす♪ってちがーう!そんなこと言うなら服代出せ!」
男「すみません私が悪うございました。で、なんで服買ってきてくれたの?」
姉「そりゃあねぇ、女に紹介した手前もあるし、アンタまだ中3だし…」
男「いやまあ、正直助かるよ」
姉「まあ、姉としては身内に恥を晒してほしくないんだよねぇ」
男「金がないだけでそこまで言われるかな?」
姉「デートのお金は男が出すもんなの!アンタはまだガキだから分かってないだろうけど」
男「ちょ、それ言うか。まぁ確かにガキだわな。自分で稼いでるわけじゃないし」
男「ていうかデートじゃないし!絵を見に行くだけだし!」
姉「チッチッチ。それを世間ではデートと言うのだよ」
〜11月23(日)・朝〜
姉「ふぁあ〜…おはよー…」ポリポリ
男「…姉貴、乳丸見えだって。もうちょっと恥らいを持とうよ…パジャマの前ぐらい留めてさ?」ハァ
姉「いいのよ、家族に見られてもノーカンだから。歯磨き粉ちょーだい」
男(何がノーカンなんだ?)「ほい」
姉「さんきゅー」
男「じゃ、俺そろそろ行くから」
姉「んほ?もうひふの?」シャカシャカ
男「なに言ってるか分からんけど、○○駅前に11時待ち合わせだし」
男「1時間以上あるけどバス停まで距離あるし、ちょっと早いけど行ってくるわ」
姉「ほーい、いってらっしゃーい。ちょっとぐらい待たされても怒るんじゃないよー」ニヤニヤ
〜○○駅前〜
男「ん、約束の10分前に着いたか。ちょうどいい感じだな」
・
・
・
男「11時か…来る気配なし…」
・
・
・
男「11時半。姉貴だとそろそろ来る頃…あ」
女 キョロキョロ
男「おーい、こっちこっちー」ノシ ブンブン
女「あっ…ごめんなさい!」タタタ
男「ああ、別になんともないですよ?」ニコ
女「でも…遅れてごめんなさい!」ペコッ
男「いえいえ、あ、お腹すいてないですか?」
女「え?」
男「混まないうちに昼飯、先に済ませちゃいましょう」
女「あ、は、はい」
〜喫茶店〜
女「…あの…ここって…」
男「すみません、こういうのって慣れてないもんで…喫茶店はダメですか?」
女「いえ、そうじゃなくて…喫茶店に入ったのが学校に知れると良くないんじゃないですか?」
男「ああ、注意はされますが、保護者同伴なら問題ないですよ?」
女「…保護者…ですか…」
男(あっ、マズッたかな?)「と、とにかく、注文しましょう」
・
・
・
男「結構イケますね、この店」
女「そうですね。ピラフおいしいです♪」
男「自分のナポリタンも中々…」
女「…男さん、慣れてる感じがしますけど、いつもこういうお店に行ってるんですか?」
男「いえいえ、こういうところは姉貴に引きずられていくんですよ」
女「引きずられ…」
男「姉彼さんの前じゃ思いっきり食えないからって」
男「デートで気に入った店があると俺をつれていって、いっぱい注文して平らげて…」
女「…」クスッ
男「ってことで、小マシな店も多少は知ってます」(今は姉貴に感謝…かな?)
女「じゃあ、いつもはどんなところに行くんですか?」
男「いつもは駅地下の軽食コーナーとかダイエーのドムドムですかね?」
女「駅地下のたこ焼きっておいしいですよね〜」
男「…ひょっとして姉貴ですか?」
女「そう。やっぱり引きずられて…」フフフ
男「…そうですか」ハァ
女「イメージ崩れちゃいました?」クスッ
男「うーん、というより姉貴に呆れてるんです」
・
・
・
男「そろそろいい時間だし、美術館に行きますか」
女「そうですね。バスですか?」
男「いえ、15分ぐらいだし歩きましょう」
女「そうですね。そのほうが…っぽいですね」ゴニョゴニョ
男「?…あ、疲れたら言って下さいね」
女「大丈夫ですよ。こうやっていれば」ギュッ
男(!…手握られてる!)
女「疲れたら引っ張っていってくださいね♪」ニコッ
男(うーん…これは脈あり…かな?)
〜○○美術館〜
男「…意外と…」
女「…混んでますね」
男「逸れないように手を繋いで行きましょう」ギュッ
女「はい♪」ギュッ
・
・
・
男「なんか、ゆっくり見れたような見れなかったような…」
女「私は割りとゆっくり見れましたよ?」ニコッ
男「あれでですか?」
女「こういうときは、一旦全部の展示物を流し見してから、ちゃんと見たいもののところに戻るんです」
男「なるほど」
女「そうするとゆっくり見た気になれますよ」ニコッ
男「分かりました。覚えておきます」ニコッ
女「男さん、見たいものがあったら今からでも戻りましょうか?」
男「んー、でも見たいものは見れたからいいですよ」
男(女さんの後姿、じっくり堪能させていただきました♪)
女「そうですか?…じゃあ、これからどうします?」
男「あ、時間があるならそこの公園を散歩しませんか?」
女「いいですよ」ニコッ
男「っとその前に、手洗いに…」
女「はい」ニコッ
〜結構広い公園・遊歩道〜
男(美術館からの流れでずっと手を繋ぎっぱなしなんだが…)
男(いまさら離す理由もないし…このままでいっか)
男「…結構落ち葉が多いですね」
女「もうすぐ12月ですもんね」
男「……」フッ
女「?…どうかしました?」
男「いえ、なんか…こんなの初めてです」
女「なにがです?」キョトン
男「身内じゃない女性と公園で散歩って言うのが、です」
女「…そういえば私もそうですね」
男「なんか、新鮮な気分ですね。今まで経験したことのないような」
女「そういわれると…何か意識してしまいますね」ニコッ
男「意識されると困ります」
女「あら?どうしてですか?」
男「普通に喋れなくなりますから」
女「うふふふ」
女「でも、男さんも結構意識してるかも…ですよ?」
男「え?」
女「ほら、手のひらの汗」パッ
男(!?俺、こんなに汗をかいてたのか…)
男「なんか…すみません」フキフキ
女「いえ、私の汗も混じってますから」フキフキ
男「…とりあえず、あそこのベンチが空いてるから座りませんか?」
女「そうですね」
・
・
・
男(しかし…こうやって見ると可愛いな。女子高生って言っても通じるぞ絶対)
女「どうかしました?」
男「いや、可愛いなあと思って」
女「え?いえ、その…恥ずかしいです」カァ//
女「それに私より姉さんのほうが可愛いのに…」
男「女さんのほうが可愛いと思いますよ。というか、姉貴は身内だからそういう風に見たことなくてですね」
男「でも結構な数の男たちが家の周りでウロウロしてたこともあるし、世間一般的には可愛いのかも」
女「…もってまわった言い方ですね」
男「まあ、実態を知ってますから。といっても口外する気はありませんが」
女「私も実態は今と掛け離れてるかもしれませんよ?」
男「それはそれで受け入れますよ。それも含めて女さんですから」
女「…そんなこと言われると…嬉しいですよぉ」テレッ//
男「そういうとこも可愛いです」ニコッ
女「んもう!」
男「いたいいたい、腕つねらないで!」
男「…日が陰ってきましたね」
女「そうですね、ちょっと肌寒くなってきました」
男「じゃ、そろそろ戻りましょうか」
女「…そうですね」
男「それじゃ」ギュッ
女「はい」ギュッ
男「手のひら、汗かいたらごめんなさい」
女「…いえ、私のほうこそ…」
・
・
・
男「今日は電車かバスですか?」
女「いえ、ちょっと前に軽四を買ったので、練習もかねて…」
男「そうですか、そのうち乗せてくださいね」
女「…生命保険に入ってます?」
男「…しばらくは乗せていただかなくていいです」
〜駐車場〜
男「休日なのに結構空いてるもんなんですね」
女「この駐車場は駅からちょっと離れてるからでしょうね」
男「不便じゃないですか?」
女「でも、広いし空いてるから車の練習にはちょうどいいんですよ。車庫入れとかバックとか」
男「なるほど」
キュルルル ブルン
女「それじゃ、今日は楽しかったです。ありがとうございました。」
男「こちらこそ。また遊びに行きましょう」
女「そうですね、それでは、また」
男「じゃ、またね」
・
・
・
男「…さぶっ!俺も帰るか」
男(女さん…姉貴から電話番号聞き出さなきゃ)
〜12月20日(土)・男の部屋〜
姉「それで?」
男「は?『それで』とは?」
姉「とぼけんじゃないの!明日も女とデートするんでしょ?」
男「いやいや、そもそも明日はお互い都合が付かないから会う予定はないよ?」
姉「お?それでいいのか?いやいや、ダメでしょ!」
男「しょーがないだろ?プレゼントも買いに行かなきゃいけないしさ」
姉「クリスマスの?」
男「そ。24日の夜に、プレゼント交換だけでもしようってことになって」
男「女さんの仕事が終わってから会う予定なんだわ」
姉「…まいっか。アンタまだ中坊だし、おしゃれな店でディナーなんてこともできないだろうからね」
姉「なんせ今までのデートで行ったところってのが映画と本屋とデパートって、ガキの遊びかってーの!」
男「中学生の健全なお付き合いってのはこんなもんです」
姉「…はぁ、あたしゃ情けないよ。我が弟はこんなにもヘタレだったのかと」
男「ヘタレは今に始まったことじゃありません。それより、アクセサリー屋さん教えてくれる?」
姉「ん?女にプレゼントするやつ?何買うつもり?…いっとくけど安物はダメだかんね!」
男「ネックレス。予算1万ぐらいなんだけど…ダメかな?」
姉「んー、ギリギリってとこかな?っていうか、アンタ結構金持ってんのね?」
男「小遣いを貯めてたって言うか、この辺は駄菓子屋もないし、使うような所がないからね」
男「でも最近は女さんとのデートで大分使ってるんで、これぐらいしか出せないんだけど…」
女「ん、じゃ、明日一緒に店に行こ。午前中ならあたしも空いてるからね」ニコッ
男「すんません、お世話になります」ペコッ
〜12月21日(日)・アクセサリーショップ〜
姉「…っと、最近の流行は大体こんなもんかな?」
男「うぅ…目移りして何がなんだか…」
姉「なに情けないこと言ってんの!で、なにかいいのはあった?」
男「そんなのすぐに見つかるわけないだろ?今説明してもらったばっかなのにさ…」
姉「もう!」
男「もういっぺん店の中をまわってみるよ。自分で選びたいし」
姉「お?もう姉ちゃんの助けは要らない?」
男「あとで意見はほしいけどね。でも、選ぶのは自分でしないと女さんに悪いしさ」
姉「ふーん…」
男「昔姉貴が言ってただろ。『人にプレゼントするときは自分が気に入ったものを贈らないと失礼になる』ってさ」
姉「あ、なんだ。まだ覚えてのか」
男「当然。あの言葉には共感できたからね」
男「姉貴ー、大体決まったよ。ちょっと意見ちょうだい」
姉「おー、どれどれ?…あー、シルバーばっかり?」
男「予算の都合です。あと、ペンダントトップもh(ry」
姉「あっちにゴールドのがあるよ」グイグイ
男「どれどれ?…あーでもあの辺りのやつだとネックレスだけで予算オーバーだし」
姉「いいよ、あたしが貸してやるよ。一万ぐらいでいい?」
男「え?…あ、いや、いいよ、そこまでしなくても…」
姉「いいのいいの、これはアンタのためだけじゃないからさ」
男「へ?」
姉「アンタは中坊だけどさ、女は社会人だから安くても『本物』でないと見栄えが悪いでしょ?」
男「あ…」
女「それにアンタ、女にずっと身につけててほしいんでしょ?だったらなおさらだよ」
男「う…」
姉「いいものを送るっていうのは…例えばアンタさ、もし女がアンタのほしかったものと違うものをプレゼントしたらどう思う?」
男「そりゃ…でもプレゼントしてくれる気持ちが嬉しいから」
姉「そりゃ偽善だね!いや、妥協かな?あんまり嬉しくないけど喜ばなきゃって妥協して、嬉しいって言葉で偽善をする」
姉「だけどね、それがもし自分が思ってたより高価なものだったらどうよ?欲しいものじゃなくても相手が頑張って用意してくれたものだって思ったら…」
男「それは…嬉しいな」
姉「そ。だからさ、ここは素直に言うこと聞いときなよ」
男「…ありがと、姉貴」
男「あ、このネックレス見せてください」
店員「こちらですね。かしこまりました」
〜喫茶店・昼前〜
男「今日はありがとな、姉貴」
姉「どういたしまして。ってか貸しだからね」
男「了解してます。出世払いだけどな」
姉「自分で言うなー!」ペシッ
男「痛っ!」
姉「で?そのプレゼントには満足してる?」
男「もちろん!自分にしてはえらく背伸びしたと思ったけどな」
男「やっぱ女さんの喜ぶ顔が見たいから」
姉「…そっか」
男「ん?」
姉「いや、やっぱ女をアンタに引き合わせてよかったなぁってさ」
男「…すごく感謝してるよ。自分でもこうなるとは思わなかったし」
姉「すぐに別れると思った?」
男「うん。だって女さんは5つも年上だし俺はまだまだガキだし話も合いそうにないし、続くって思うほうがおかしいっしょ」
姉「あたしも最初はそう思ったんよ。でも彼がね」
男「姉彼さん?」
姉「そ、彼が『男君なら何とかなるんじゃないか?』って言うから…」
男「何とかなるって…どういうこと?」
姉「…ちょっと長くなるけど…いい?」
男「『昔々、あるところに…』ってのは勘弁な」
姉「ちっ!先を越されたか…」
男「ははは、で?」
姉「じゃあ、出来るだけ簡単に言うね。」
姉「女ってさ、大人しくて可愛くて薄幸の美少女系でしょ?だから前の会社に入ったときに色々な男に言い寄られてさ」
姉「で、女もそういうのに慣れてないってのもあって、ちょっと危ない事になりかけたことがあったのよ」
男「!」ガタッ
姉「落ち着いて!そのときはあたし達がうまく処理したし、そのあと女も転職して何ともなかったんだけど」
男(『うまく処理した』って…何やったんだよ、姉貴…)
姉「でも、それ以来女は男性恐怖症というか、男達の視線を怖がるようになったのね」
姉「最初のうちはまだよかったんだけど、そのうち女友たちにも彼氏ができたりして」
姉「一緒に遊ぶときに女が怯えたりしてさ、さすがにこれはまずいんじゃないかなって」
男「…彼氏同伴だと一緒に居れないってことか…姉彼さんも?」
姉「あ、彼については女が高校の時から面識があるから大丈夫みたい」
姉「で、彼にそのことを相談したら、彼の答えがさっきの発言だったのよ」
男「…姉彼さんの発言の意図が読めん…」
姉「簡単に言うと、『女』にとって自分より弱い存在の年下の『男の子』と付き合えば、恐怖心も小さくて怯えないんじゃないかって」
男「それで女さんをうちに連れて来るようになったのか?」
姉「そう…女の家は町の反対側で遠いし犬が苦手だから、それまではうちに誘うのは控えてたんだけどさ」
姉「でもよく考えたらさ、アンタってまだガキのくせに『オンナ』に幻想を抱いてないし」
男「まあ、姉貴を見てるからな」
姉「…それどういう意味?まあ、普通の『オトコ』はそうじゃないんだけどね…。で、生真面目なくせに楽観的だしヘタレだし」
男「…なんかバカにされてる気がするんだけど?」
姉「イヤチガウヨ。で、女を家に連れてきたんだけどさ」
姉「彼が言うように、女も怯えてなさそうだったし…これはいけるかなって」
姉「で、何回か連れてきてるうちに女のほうもアンタに興味を持ち始めたって訳」
男「…でもその話だと俺は…あて馬だったのか?」
姉「……怒った?」チラッ
男「………いやいや、ちょっとまてよ?これって怒るところか?」
姉「え?」キョトン
男「プレゼント一つ選ぶのにさ、こんなにドキマキしていろんなこと考えてさ、女さんの反応を想像したりしてさ」
男「今の俺ってさ、これまでの人生の中で最強に浮かれてるんだぜ?」
姉「…」パチクリ
男「まあ、キッカケはどうあれ、今の俺は女さんと出会えてよかったって思ってる」
男「そのキッカケを作ってくれたのは姉貴たちだろ?感謝してるよ」
姉「…エグッ…ヒック…」
男「ありがとう、姉貴。俺と女さんを出会わせてくれて」ニコッ
姉「…ウック…うう…うぇぇぇ………;;」ポロポロ
男「あ、いや、泣くようなとこじゃないだろ」アセアセ
姉「だって…ヒック…ずっと…ヒック…気になってたんだもん…アンタを…騙したみたいでさ…」ズビッ
男「まあ、あて馬だったとしても、本命馬になれば万事解決!ってことで姉貴殿!」
男「協力よろしく!」ビシッ
姉「…おう!まかせろ!!ヒック…」ビシッ
〜12月24日(水)・○○駅前〜
男「う〜、あっちを見てもこっちを見てもカップルだらけだぜぃ」
男「6時半に待ち合わせだから来るのは7時頃だろうなぁ」
男「襟元立てとかないと体温が逃げるし、だんだん寒くなってきた…あ」ノシ ブンブン
女「お待たせしました〜」タタタ
男「仕事のほうは大丈夫ですか?今日はいつもより早いから…」
女「今日はクリスマスイブだからって若手と女性陣は早々に帰されたんです」
男「なるほど。いい会社ですね。とりあえずサテンに行きましょう。体が冷えちゃって…」
女「はい」クスッ
〜喫茶店〜
男「ふぅ〜、やっぱホットコーヒー最高ですね♪」
女「…ひょっとして、ずいぶん待ったんですか?」シュン
男(うっ!俯き加減で下から見上げられるといろいろとヤバイ!)
男「い、いやいや、5分ほどしか待ってなかったんですが」
男「マフラーを忘れたせいで、首元から熱が逃げちゃって」ポリポリ
女「なぁんだ!」パァッ
男「?」
女「私の今日のプレゼント、何だと思います?」ニコニコ
男「ずいぶん大きな袋ですね…なんだろう?」チラッ
女「うふふふ、これ、開けてみてください♪」
男「…いいんですか?」ゴソゴソ
女「♪」ジー…
男「…!これは…手編みのマフラー!?」フサァ…
女「久しぶりに編んだから、ちょっと目が揃ってないかもしれないけど…」テレッ//
男(ベージュのマフラーに赤のイニシャル…なんかすげえ嬉しいぞ!)
女「…あ、あの」
男「ありがとう!すごく嬉しい!!」ダキッ
女「あっ…//」
男「あっごめんなさい!調子に乗っちゃいました…」アセアセ
男(でも、女さんの体、柔らかくていい匂いがしてた…)
女「…いえ…私も…その…嬉しかった…です」カァ//
男「…え?」
女・男「「…」」カァ//
男(あっ!俺もプレゼント渡さなきゃ!!)
男「あの、女さん」
女「は、はぃ!」
男「これ、俺からのプレゼントです!」
女「え?あ、ありがとうございます」
男「開けてみてもらえますか?」
女「あ、開けていいんですか?」
男「ぜひお願いします」
女「は、はい、では…」ガサガサ
男(ドキドキ…)
女「…!?」カパッ
女「…ネックレス?…え?…これってゴールド?…ええ?」
男「…ひょっとして…ネックレスは好きじゃなかったんですか…?」
女「いえ、違うんです!…男さん中学生だし…こんな高いものは想像してなくて…」
女「ネックレスは前から欲しかったんですよ。でも、なかなか気に入ったものがなくて…」
女「…嬉しい…グスッ…嬉しいです、男さん。ありがとうございます」ヒック
男「…良かったぁ…ホントに良かったぁ…」ホッ…
女「…グスッ…プレゼント、首繋がりですね」
男「あ、そういえば」
女「…ふふふふ…グスッ」
男「あははは」
〜駅前の駐車場・女の車の前〜
女「それじゃ、今日はありがとうございました」ペコリ
男「こちらこそ、ありがとうございました」ペコリ
男「マフラー、暖かいです♪」ニヨニヨ
女「…巻きが緩んでますよ?」
男「え?そうですか?」
女「直しますから、ちょっと屈んでください」スッ…
男「こうでs…んっ!」チュッ
女・男「「…」」
女「…それじゃ、おやすみなさい!」カァ//
バタン!キュルキュル ブロロロ…
男「…」ポー
・
・
・
〜30分後〜
男「…ひぇっくしゃい!…あ、あれ?俺、こんなとこで何してるんだ?…」
〜男の部屋〜
男「…キス…したんだな…女さんと…」ニヘラ
男「唇、柔らかかったな…」ニヘラッ
姉「おっとこー!」ガラッ
姉「今日の戦況報告をしろー!…あれ?」
男「…」ポー…
姉「…うーん、この様子だと撃沈かぁ…よしよし、一緒に次の手を考えよう、ね?」ポンポン
男「…ん?…ああ、姉貴か。お帰りー…」ポー…
姉「なあに、一回ぐらいの失敗ならまだ取り返しがつくさ!今日何があったのかお姉さんに話しな?」ナデナデ
男「…女さんに…キス…された…」ポー…
姉「そうかそうか、女にキスされたかー…ん?…チョットマテ。『シタ』んじゃなくて?『サレタ』ってこと?」
姉「女にキスしようとして嫌われたってんじゃなくて?女にキスされた?」
姉「…ちょっとアンタ!顔みせな!!」グイッ
男「…」ポー…
姉「…ダメだこりゃ。魂吸い取られてるわ…」ジー…
姉「よし!女に電話してくる!!」ニヤニヤワクワクトタタタタ…
男「…女さん…」ポー…
・
・
・
男「……zzz」ニヘラッ
〜12月25日(木)・男の家〜
男「おはよ…」
姉「…あれ?早いじゃん。冬休みでしょ?」
男「…あ、そっか。忘れてたわ」
姉「こりゃ相当舞い上がってるわ…ま、昨日は女のほうも珍しくよく話してたからねぇ…」
男「もう一度寝てくる…」
姉「で、次はいつ会うの?」
男「…あー…約束するの忘れてるわ。今夜にでも電話しよう…」
姉「…アンタ、大丈夫?」サスリ
男「…今なら空も飛べそう」ニヘラッ
姉「もう…どうしようもないな、こりゃ」ハァ
男「それより姉貴、仕事は?」
姉「あぁ!やばいいいいぃ!!」ドタタタタ
男「…寝よう」
〜12月28日(日)・駅前〜
男「あ、女さん」
女「…お待たせ」ニコッ
男(あー…やばい、まともに女さんの顔が見れない…)チラッ
女「…どうしました?」ジー…
男「いや、その…上目遣いで見られると…照れます…」カァ//
女「…あら」フフッ
男「…と、とりあえず、サテンに行きましょう」
女「はい!」ギュッ
男(!)
女「…手、暖かいです♪」ニコニコ
男(…なんか、女さんに振り回されてる感じが…こんなに積極的だったっけ?)
〜喫茶店〜
男「女さん、なんか、ちょっと変わった感じがしますね」チラッ
女「そうですか?」ジー…
男「なんか…その…明るくなって…積極的ですね」
女「イメージ、変わっちゃいました?」
男「うん。あ、悪い意味じゃなくてですね、なんかこう…すごく素直になって可愛さ倍増というか…」
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