力士が盗撮男を逮捕　秋葉原駅で 
2014年04月27日 09:56  日刊スポーツ

　西三段目４４枚目で、新横綱鶴竜と同部屋の鋼（はがね、３２＝井筒）が盗撮男を現行犯逮捕するお手柄を挙げた。「体が勝手に動いただけです」と謙遜するが、正義感あふれる行動に横綱らもびっくりしたという。 

　事件は２４日午後７時２０分ごろ、東京・千代田区のＪＲ秋葉原駅の上りエスカレーターで起きた。前の男（４４）がかがんだり手をごそごそ動かすなど不審な動き。怪しいと思ってのぞくと、女性のスカートに後ろから小型カメラを入れて動画を撮影していたという。「間違ってはいけないと３回確認した」上で、盗撮だと確信。右横に並び、男の右腕と左肩をつかんだ。「何やってんの！　盗撮でしょ！」。 

　男は最初、暴れて逃げようとした。瞬間、まわしを取るようにグッとベルトをつかみ、取り押さえた。「相撲と同じように脇を締めて、腕を絞りました」。浴衣にまげ姿の１７９センチ、１４５キロ。力士だと分かると、１７０センチほどの細身の男は「すみません」と観念したという。時はオバマ大統領の訪日中で、厳戒態勢。すぐに１０人ほどの警察官が駆け寄ってきた。 

　「昔から曲がったことが大嫌い」。電車内で４人席を女子高生２人が占領し、お年寄りが座れない状況に「ねぇ、おかしくない？」と声を掛けたこともある。当日は午後１１時半まで警視庁万世橋署に事情を説明し、墨田区の部屋に戻ったのは深夜０時。それでも「警察の方に気を使っていただけたので」と言う。秋葉原で叔母に新番付表を渡した帰り。「５月場所、頑張ってね」と言われて別れた直後だった。「すぐに頑張っちゃいました」。鶴竜の「兄弟子」はそう照れ笑いした。

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